小学校英語の開始時期について、文部科学省が現在の小学5年生から小学3年生に前倒しする方針を固め、2020年までに実施することが決まりました。
しかし、これには「グローバル化に対応できる人材になるためには、早期の英語教育が必要」という意見や、「日本語の習得も不十分な時期に、英語を教えるのは不適切」など賛否両論あります。
しかし、同じアジアの中で、英語を第一母国語としていない国の中でも、幼い子どもたちに英語教育を実施している国があります。
今回は、そうした国々の取組みを紹介します。
まずは、海を挟んだお隣の韓国。韓国といえば、厳しい競争社会に打ち勝つため教育熱心なことで知られます。
韓国では、1997年から、小学校での英語教育がスタートしました。きっかけは、同年に起きたアジア金融危機。
当時、この影響で韓国経済も大打撃を被っており、国際社会で活躍できる人材を育てるため、小学校からの英語教育を導入しました。
2013年時点では、英語教育は小学3年生から始まります。
3年生では週2時間、6年生では週3時間行われている。
授業内容は、ネイティブスピーカーの教師による会話練習、簡単な文法や単語の綴り、物語のリーディングなど。これらは、定期試験の科目にも導入されています。
また、韓国は教育熱心なこともあり、多くの子どもたちは英語塾に通ったり、放課後の選択授業で英語を履修したりしています。
このように、子どもの英語教育に力を入れているようにみえる韓国ですが、大学生?大人の英語力はというと、日常生活では韓国語を使うのが主なせいか、一部のエリート以外はさほどでもないようです。
やはり、日常的に英語を使う環境でないと、「使える」英語は身につかないようです。
次いで、東南アジアの優等生といわれ、経済発展著しいマレーシアです。
マレーシア国民には、マレー系、中華系、インド系という3つの民族がいて、同じ民族同士はそれぞれの言語(マレー語、中国語、タミル語)で会話をしています。異なる民族間の橋渡しをするのは主に英語です。
ただし、公用語はマレー語とされているため、マレー系以外の人々も小学校からマレー語を学びます。
それと同時に、英語も習得します。
セカンダリー・スクールからは、英語で教育を行う私立校や外国のカリキュラムを取り入れたインターナショナル・スクールなども多くあります。将来を見据えて、裕福な家庭の子どもたちの中には、こうした学校に通うケースも少なくありません。
こうして、マレーシアはアジアの中でもとくに英語力の高い国として知られています。
ただ、マレーシアで一般的に話されている英語は、「マングリッシュ」と呼ばれる独特のもの。例えば、未来形や過去形といった時制を使わない、マレー語とミックスされた単語や動詞を使うなど、同じく英語力が高いといわれるシンガポールの「シングリッシュ」と並んで、かなりローカライズされています。
しかしながら、たとえ「マングリッシュ」であっても堂々と話す態度には、日本人が英語力を身につける上で見習うべき点があります。
このように、アジアでも多くの国がグローバル化する社会に向けて英語教育に取り組んでいます。
日本も競争に打ち勝つために、遅まきながら取り組んでいく必要がありそうです。
参考
小学3年生から英語教育、本当に効果あるのか?【争点:教育】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/22/start-english-education-at-the-third-grade-level_n_4146838.html
韓国における英語教育の現状
http://punta.jp/archives/21373
アジア諸国における英語教育の取組み英語非公用語国を中心としぶあて
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/015/siryo/04052601/004.pdf
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