Monthly Food Letter 【Oct.】今月ナニ食べる?
〜初おでん、生ホップ ビール、
貧乏人のパスタ〜

2021.10.6

始終食べることを考えているフードナビゲーターの個人的な食の備忘録です。毎月、こんなものを食べてみよう、飲んでみよう、作ってみようというつぶやきを、徒然なるままに書き留めます。

初おでん

現在二拠点生活中です。湯河原の住まいのお向かいに、都合よく農家さんの直売所があり、よく利用しています。コインロッカー方式で、各ボックスに大概季節の野菜が入っているのですが、昨年10月に見つけたのが手作り蒟蒻でした。お母さんの手造りだそうで、歯切れがよくて風味豊か。お母さんに聞いたところ、蒟蒻いもには薪で火を入れていることが発覚。有難たい。この蒟蒻を食べるために、昨年は10月早々にシーズン初のおでんを作りました。おでんは、その時々で具材は色々ですが、個人的に外せないのは大根、卵、里芋、何かしら魚の練り物、つくねや牛スジなどお肉系ですね。方向性が違う食材を一緒に煮た方が複雑味が出て飽きない。薬味で味変させるのも楽しく、昨年のヒットは大根に、薬味は辛子とカレー粉です。

生ホップ ビール

ビアフェスで有名なのが、ドイツのオクトーバーフェスティバル。ですが、米国のクラフトビールブームの流れで始まったのが、ホップの収穫時期に、採れたてホップで仕込んだビールで収穫を祝うフレッシュホップフェスティバルです。日本は夏ごろから収穫が始まります。元々季節行事の好きな日本人、ビール好きの間では瞬く間にこの風習が広がりました。ビールの主要原料であるホップは、収穫後、通常は乾燥して保存します。おかげでビールはいつでも醸造可能で、輸出などの移動もしやすかったのです。しかし、クラフトビール人気で材料も地場産の傾向が強まり、ホップも地元で育て、収穫時は採れたてを味わう流れが生まれました。イベントは今年も無理そうですが、同じ銘柄で採れたてホップのビールと通常の乾燥ホップのビールを、お家で飲みくらべてみては。

貧乏人のパスタ

日本ではそんなに盛り上がっている感がないのですが、1995年10月25日、イタリアのローマで世界パスタ会議が開催されたのを記念し、この日は「ワールド パスタ デー」に制定されました。(1998〜) 10月25日、世界各国ではパスタの魅力を伝える様々な試みが行われます。個人、団体、やり方は様々。SNSの投稿では、この日たくさんのパスタ投稿を見かけます。他人のパスタ見ていると、自分も今日はパスタにしようかな、なんて気分になってしまう。今年は「貧乏人のパスタ」でも作ってみようかな。貧乏人のパスタとは、目玉焼きとパルミッジャーノ・レッジャーノ・チーズ(またはペコリーノチーズ)と黒胡椒に、オリーブオイルをかけたパスタ。要は、卵かけご飯みたいなパスタです。シンプルなパスタですが、名前のインパクトから人気が出て、とあるレストランでは36ヶ月の長期熟成のパルミッジャーノ・レッジャーノ・チーズを使った“超高級”な貧乏人のパスタが出てきたことも。そこまでしないにしても、シンプルなレシピほどパスタは良いものを選びたいですね。低温乾燥で小麦の風味があり、ブロンズ(真鍮)ダイス(パスタの表面がザラザラ)でオイルや具材との絡みの良いパスタに、粉でなく塊から削ったチーズを使えば、美味しい貧乏人のパスタの完成です。

R gourmetへ、ようこそ。今月の皆様の食卓が美味しく、楽しくありますように。

イラスト:ヒラノトシユキ 文:柴田香織