料理好きたちのダイニング モデル Kanocoさん

2021.9.29

食器を買う、食べたものを撮る。
記録として残すと、
思い出して楽しくなれるんです。

―自分でお料理をするようになったのは、いつ頃から?
高校を卒業してもう実家を出ていたので、なんとなく作らなくてはいけない状況で。当時は全然こだわってはいなかったですね。パスタに市販のソース、チャーハンとか、本当に簡単なもの。でも、もともと料理が嫌いではなかったので徐々に食器とかもちゃんと揃えるようになってからは、楽しくなってきましたね。
―今日のお皿やグラスも、とっても素敵ですね!
お皿は<Satoko Sai + Tomoko Kurahara>という陶芸作家ユニットのもの。取材に行って知り合いになって買うように。毎年イヤーズプレートを出していらっしゃるので欲しいなと思って。真っ白のお皿も可愛いんですけれど、ちょっとニュアンスのあるものが好きなんです。グラスは蔵前の<道具屋 nobori>で。『アニバーサリー』という名前が付いていて、夫と何かの記念日だったときにペアで購入しました。いつもは、あえて1つだけ買うことも多いです。ペアだと片方が割れたりしたときに悲しくなっちゃうので。
―食器を購入されるときは、いつもどのように探しているのですか?
買う時は旅先で、と決めていて。今はなかなか行ける機会も少ないですが、旅行も好きですし、いろいろなところに行くお仕事が多いので、その度に1つ思い出として買って帰るようにしようと。『県名+器』などで検索して、素敵そうなお店に足を運んで買ったり。見つけられないときは、空港にあるものでもいいから買う! 自分への思い出として買っています。
―その食器を使うたびに思い出が蘇りそうで良いですね。
日記をつけるのも好きなので、記憶として、記録に残す感覚ですかね。Instagramアカウントの「かのごはん」も同じで、はじめは美味しかったお店のごはんや買ってきたサンドイッチなど、食べたものを記録していこうとはじめたのがきっかけです。
私、自分の料理のレパートリーを覚えておくのが苦手で、いつのまにか作ったごはんをのせるようになって、続けています。食べたものを見るだけで、なんだかその日を思い出せるような気がして、いいなと思って。『あ、この日はあんな出来事があって、このごはん食べたな』とか。

食べることは一生だから。
自分にあった、続けられる料理が目標。

―とはいえ毎日のお料理、続けていくことって簡単なことではないですよね。
作るのが嫌になっちゃう日も、もちろんあります! そういう時は、無理してやらない。でも、作れない日が続くと、それはそれでなんだか物足りなくて。難しいことをしなくていいから、自分にあった料理、続けられる料理を目標にしています。それに自分が好きなものを作って食べられるのは、なにより楽しいことですよね!
―食べるのが好きなのは、小さい頃からですか?
よく食べるようになったのは、高校生くらいからかな。すごい食べていたんですよ、本当に。1日7食とか食べていて、朝ごはんを食べて学校についてから、まずおにぎり。昼ごはんを食べて、食後にまたおにぎりやうどん。部活の前にまた食べて・・・ずっとなにかを食べていました(笑)
―思い出の食べ物って、何かありますか?
お母さんの卵焼き、ですかね。中学2年生のときにニュージーランドにホームステイで、はじめて海外行ったんです。私のステイ先は美味しいごはんのおうちだったし、たった2週間なのに、めちゃめちゃ日本食が恋しくなって。帰ってすぐにお母さんが卵焼きを作ってくれて、食べたらもう泣いちゃうぐらい美味しかった。それから、卵焼きはなんだか特別な存在。いたってシンプルな卵焼き、薄っすらと焦げ目が付いていて、味付けは塩で。あと、ほんの少し砂糖も入っているって言っていたかな。でも、なんか同じ味にはならないんですよね〜、不思議。愛情ですかね。
―お母さんの思い出の味、素敵ですね! 最近ご出産をされて、ご自身もお母さんになったKanocoさん。やはり、ライフスタイルや食事の変化も実感されていますか?
特に変わったのは、時間の使い方。食事に関しては、子どものお世話をしながらうっかりお昼を逃してしまうこともあるので、朝はしっかり食べるようにしています。寝ているうちに『今がチャンス!』って(笑)。朝のうちに夜ごはんを作ったりすることもあるし、洗濯も済ませてしまって、あとはもうフリータイムという状態にしておきたくて。

新しい発見があるから楽しい、
ネットでのお買い物。

―それこそ、お子さんが小さいとお買い物に出かけるのも大変ですよね。どのように工夫されていますか?
そういう意味では、ネットショッピングにはよくお世話になっていますね。 お米とか、洗剤とかオムツとか消耗品が届くだけで、お買い物に出る回数が減るので助かっています。それに、楽天市場には素敵なショップもたくさんあるので、手編みのざるや籠などもよく買っています。あと、楽天市場のふるさと納税で、地方の美味しいものを探すのも楽しいです。北海道のいくらとか。この前は、和歌山の梅干しをゲットしました。
―遠くに足を運ばなくても、新しい発見ができて、気軽に手に入るのはネットショッピングの醍醐味ですよね。
そうですね。あとは、野菜の定期便もよく使います。それが週に1回来るから『頑張ってお野菜、使い切らなきゃ!』と思って、それのおかげで料理しているところもあるかもしれないですね。月1回くらい、お魚や餃子も届けてもらうようにしていて。自分じゃ買わないような食材もよく入っているので、同じ料理を作らなくなりました。
―朝食のパンのように、よく食べるものはありますか?
ごはんとお味噌汁は、毎日必ず。8〜9割、和食なんです。洋食を作るのがあまり得意ではなくて。でも、夫が洋食も好きなので、記念日だけは洋食を作るようにしています。ハンバーグとかグラタンとか、ちょっと特別感を出して『どう?』って(笑)
でも、昨年は洋食じゃなくて、手巻き寿司でした。お外に行けなかったから、ちょっと贅沢しようと思ってウニとか良い具材を買って。それでも外食するよりは手頃ですし、楽しかったですね。 子どもとも、これから色々なものが食べられるようになるのが楽しみです。きっと私に似て、食べるのが好きな子になるんじゃないかな〜。

Kanoco(かのこ)

モデル。兵庫県生まれ。『リンネル』、『ONKUL』、『NAVYS』などをはじめとしたファッション誌を中心に広告やMVでも幅広く活躍中。ライフスタイル誌『OZ magazine』のカバーガールを務める。アパレルブランドとのコラボレーションも積極的に行っている。ライフスタイルフォトエッセイ『かの・この・はなし』(双葉社)も発売中。

撮影:猪原悠(TRON)
編集・インタビュー:長野宏美