Monthly Food Letter 【Jul.】今月ナニ食べる?
〜夏の朝カレー、ハーブウォーター、
夏ジビエ〜

2021.7.7

始終食べることを考えているフードナビゲーターの個人的な食の備忘録です。毎月、こんなものを食べてみよう、飲んでみよう、作ってみようというつぶやきを、徒然なるままに書き留めます。

夏の朝カレー

梅雨が明けるんだか、明けないんだか。今年もはっきりしないのだろうかと思いながら、身体の中の鬱々としたものをスッキリさせたい季節です。朝食を食べるのも億劫ですが、やっぱり朝は食べないと。夏、たまに朝カレーをします。朝カレーといえば、大リーガーが習慣にしていたということで話題になり、10年ほど前、日本では大変なブームになりました。カレー好きで有名だった或る選手の場合、朝カレーは余計なことを考えないためのルーティンだったのでしょう。効率を上げるために同じ服しか着なかった歴史的実業家がいたように。

私の朝カレーは、衝動のようなものです。熱帯夜の次の朝、身体が重い時など身体がカレーを呼ぶのです。朝カレーのポイントは、具が少なくてサラッとしたスープ系キーマカレーであること。具沢山はNGです。これに、ミックス豆の水煮を加えてサラサラとお茶漬けのように食べる。これだけでもいいし、もう少ししっかり食べたければご飯、それも、もち麦が入ったご飯ならヘルシーです。朝カレーをすると、昼すぎまでエネルギーが持続する気がします。

ハーブウォーター

この季節、天気予報では熱中症注意を喚起されます。それでも日中の水分補給を意外と忘れます。というか、“普通の水”が飲みにくい。炭酸水は好きですが、“普通の水”が苦手です。ペットボトルの水は、独特の臭気を感じるのか量が飲めません。もっぱら水分補給は、炭酸水か冷茶になります。ですが、満足感のある給水はハーブウォーターです。ハーブは、ハーブティーに使われるものなら大体OKですが、断突に使いやすいのは香りも出やすいミントです。レモンバームやレモングラスも良いのですが、香りが出るのに時間がかかります。手軽に作るなら、ミントに柑橘のスライス(レモン、ライム、スダチなど)を足すのが良いかと。柑橘は酎ハイで搾るという方も多いでしょうが、スパークリングハーブウォーターの柑橘果汁入りなら、飲み過ぎないためのチェイサーとして、ノンアルコールデーの代替ドリンクにも使えると思います。

夏ジビエ

夏にジビエは暑苦しいでしょうか?ジビエと呼べるのは、本来は冬の決まった猟期に捕る野生鳥獣肉です。最近は、田畑の獣害が深刻で、猟期以外にも駆除で狩猟が許可されるケースがあります。結果、夏の肉も流通します。「冬じゃないと気分が出ない」のもわかりますが、夏には夏の良さがあります。数年前、仕事でレストランの夏鹿料理をいくつか食べたのですが、その時、夏のジビエに目覚めました。例えば鹿は、夏は青草や木の芽などを食し、脂もため込んでいないので臭みが少ないのです。赤身の味が濃く、鮪のようなキレの良い酸味あり。冬の肉よりも軽やかで食べやすいのではと思います。それに、食べると身体の芯から温まってくる(個人差はあると思います)。夏は冷房で常に身体が冷えているので、冷え性の女性は血の巡りが悪くなりがち。そんな女友達にも、夏のジビエを伝導中です。

R gourmetへ、ようこそ。今月の皆様の食卓が美味しく、楽しくありますように。

イラスト:ヒラノトシユキ 文:柴田香織