料理好きたちのダイニング タレント パンツェッタ・ジローラモさん

2021.5.26

日本の食材をイタリア料理に

―普段、お料理はどのくらいのペースでやられていますか?
「去年の外出自粛期間は毎日やっていたけど、今は週に何度かって感じかな。去年の今頃は事務所にキッチンがあるから、よく料理を作ってましたね」
―料理は以前からされているんですか?
「過去に料理連載をやっていたから、レシピを考えるためにも以前から作っていました。連載の時にはテーマがあって、スーパーで日本の食材を買って、それをイタリア料理風にアレンジすることが多かったですね。たとえば、ゴーヤを使ってカルボナーラを作った時には、ベーコンの代わりにスパムを入れてチャンプルー風にしたり。ちょっと遊び心を加えたメニューをたくさん作ってたね」
―話を聞くだけで食欲をそそるメニューですね!
「今はそれこそ、楽天市場経由でイタリアの食材はだいたい買うことができるけど、昔は手に入らないものも多かったから。他にも、例えばバジルの代わりに紫蘇を使ったレシピを作ってみたこともあったな。あとは、今では王道になってるけど、豆腐を使ってカプレーゼを作ったりね」
―日本食材を使ったイタリア料理、おいしそうですね。
「シンプルなものが一番おいしいと思ってるからね。凝ったメニューを作るっていうよりも、シンプルで素材を生かした料理を作ることが多いかな。イタリア料理だけじゃなくて、大根の葉ととうがらしを使ってきんぴらを作ることもありますよ」
―レシピが本当に豊富ですね! シンプルなものに惹かれる理由には、何かきっかけがあったのでしょうか?
「小さな村に2年くらい住んでいた時期があって、その時にすべてのものが自給自足で成り立っているのを感じたことがきっかけかな。牛や鳥がいて、畑があって、そこで食材が作られている。だから、ものに対して感謝するようになったんですよね。イタリアにいるときから料理に興味はあったけど、作り始めるようになったのは日本にきてから。そこから色々作って、イタリア料理の本を作ったこともあります」

自分の畑で採った野菜で料理をするのが夢

―ズバリ、ジローラモさんの得意料理を教えてください!
「炒め料理かな。冷蔵庫にあるもので何かを作るのが得意だね! よくオムレツを作るんだけど、オムレツは冷蔵庫の整理にはぴったり。野菜を切って入れるだけでおいしくなるから、よく作るメニューだね」
―料理を作る際には何かレシピを参考にされるんですか?
「いや、アバウトに想像して作ってるかな。料理って、作る人によってまったく違った味になるし、同じレシピでも作る人によって完成するものが違ってくるから、レシピはあんまり見てないんですよね」
―確かにおっしゃる通りですね。普段、よく食べる食材とかはありますか?
「チーズと、あとはジャムかな。朝はクロワッサンを食べることが多いんだけど、そのときにジャムをつけて一緒に食べてます。ジャムは地方取材に行ったときにローカルショップで買うことが多いんだけど、今は楽天でも簡単に手に入れられるものが多いですよね! 最近はクワの実のジャムがおいしくて気に入っています」
―通販で買い物をされることはありますか?
「あんまりないんだけど、楽天市場はインターネット上のデパートみたいで面白いですよね! 料理の本を作ったときにも、たくさん参考にさせてもらいました。あと僕自身、楽天市場にショップを持っていて、洋服とか出してるんだよね(笑)」
―そうだったんですね! 今度チェックしてみます(笑)。最後にお伺いしたいのですが、今後作ってみたい料理や挑戦したい食材などはありますか?
「イタリアでは毎年夏になると大量のトマトを使って、自家製のトマトソースを作るんです。それを瓶詰めにして1年中家庭料理に使うのが一般的。それを僕も日本でやりたいって思っているんだよね。イタリアの野菜とかお米とかを自分で作って、夏にはトマトや炒めた茄子を瓶詰めにして保存したい。今はそのための土地を探していて、将来的にはそういう生活もしたいって思っています」

パンツェッタ・ジローラモ

イタリアナポリ出身で建築一家の三男として建築業に携わる。主に政府からの依頼を受け、歴史的建造物の修復にも携わった。 1988年から日本在住し、2006年、本国より騎士の称号「カバリエレ~イタリア連帯の星勲章」を贈られる。 2014年3月、男性ファッション誌『LEON』で、連続して最も多くファッション誌の表紙を飾った数(男性 モデル)という記録名でギネスワールドレコーズ2014に世界記録として認定された。またその表紙の連続記録は現在も更新中である。そして雑誌のモデルのみならず、書籍や様々なメディアにおいても幅広く活躍している。

インタビュー・テキスト:戸塚真琴
撮影:猪原悠(TRON)
編集:長野宏美