料理好きたちのダイニング 俳優 速水もこみちさん

2020.12.23

「料理の鉄人」をきっかけに小学生時代から独学で始めた料理

―速水さんが料理を始められたきっかけは何でしたか?
「テレビ番組で観ていた『料理の鉄人』がきっかけなんです。あれを作ることはできないけれど、冷蔵庫を開けてあるもので料理が作れる人ってカッコいいな~と幼い頃から思っていたんですよね。僕は料理以外にも趣味が多いので、他のことも色々やりながら、小学校低学年の頃から独学でパスタ作りをスタートさせました。当時作っていたのはカルボナーラ。段取りとか手順とか作り方とかを知らない状態でスタートしてるから、バカみたいに何回も何回も作りましたね。最初は牛乳の中にそのまま麺入れちゃったり(笑)。茹でるのを知らなかったから。そういうのを何回かやっていくうちに覚えて、そこから楽しくなっていった感じかな~」
―今日拝見させていただいた収録では、料理中に手際よく片付けもされていたのも印象的でした。
「料理していきながら、片付けもできるようになっていきましたね。身の回りがキレイな状態で料理を完成させるように意識しています。あとは僕が単純にキレイ好きっていうのもあるけど、お見せするから片付けておかないとね。そこは基本です(笑)」
―「M’s TABLE」では時間を計って料理をされる企画もありますが、とにかく手際がいいですね! 使う道具とかにもこだわりはありますか?
「一般的に、料理によって使う器具は異なるけれど、基本的には包丁とまな板、フライパンがあれば何でも作れると思いますね。ただ、器具が増えていけば行くほど、作れるものはどんどん増えていく。僕は本当に全部何でも揃えていますね。オールジャンルの幅広い海外料理を作るタイプなので。だから、今日は使ってないけど、自分の出張用の調理器具ボックスもあるし、コレクションもありますね」
―作れる料理が増えていくと、器具も増えるってことですか?
「そうですね。じゃないと先に進めないかなっていうのあるかな。基本のセットは持っておきながらも、自分が食べたい食材によってはピーラーが必要になったり、他の器具を使わなきゃならなかったりとか。料理によって調理器具も変わってくると思いますね」

※商品情報は2020年12月9日時点の内容です。

料理もファッションと同じ。
ベースがあってからこそ成り立つもの。

―基本のアイテムのお話がありましたが、それぞれの調理器具へのこだわりポイントも教えてください。
「料理ってファッションと同じだと思うんですよね。洋服と一緒でベースはあるけど、何か変化をつけていかないと先には進めない。今は可愛い調理器具ブランドもたくさんあるし、使いやすいものもあるから、作りたいものによって増やしていくのがいいと思います。その中でもベースになるアイテムについてのこだわりは持ったほうがいいかな」
―包丁やフライパンはどんなものを選ぶべきですか?
「僕は包丁70~80本くらい持っているんですけど、やっぱり家で使うのは2本くらい(笑)。だからこそ、ちゃんとした包丁を持っておくべきだとは思いますね。僕みたいにスピード型の人は、切れ味もありながら軽くてリズムが取りやすいものを選ぶと◎。欲しいと思っているものがあるのであれば、やっぱり自分で行ってみて販売員さんと相談して、実際に手に取ってみてから決めるのがベストです。フライパンも同じで、あとはデザインで選ぶかな。価格が高くて質が良いものはもちろん、リーズナブルで良いものも沢山あります。やっぱりどんなにいいフライパンでも金属製のヘラでガリガリやったら傷ついちゃうんですよね。だけど、自分が思っているよりもちょっといいフライパンを使ってみると、お肉の焼き上がりが全然違う。これがまた不思議なんだけどね。消耗品といえば消耗品なんだけど、ちょっとだけいいものを買うのをお勧めしますね」
―まな板というか、カッティングボードをよく使われているイメージがありますが、それについてもこだわりはありますか?
「今は時代が変わってきて、昔と比べて見せる料理を作るシチュエーションが増えていると思うんですよね。お皿も必要ですけど、ウッド素材のものが必要だったりとか。大きめのカッティングボードにガツンとステーキを載せるだけでも、雰囲気を作ってくれるっていうのはあると思います。プロデュースしているカッティングボードも使いやすさにはこだわっていますね。だいたい3~4人前の料理が乗るサイズは、使いやすいはず。今、じつは自作のカッティングボードを作っている最中なんですよね。輪切りに切った木を1ヶ月ほど水につけているところで、これから完成するまで育てていく予定です」
―盛り付けの話も少し出てきましたが、一般の人はどうすれば上手に盛り付けをすることができますか?
「お皿も含めて料理だと思っています。自分の作りたい料理に合わせてお皿の色をセレクトすれば、料理だけじゃなく盛り付けも含めたトータルでのコーディネイトが楽しくなっていくはず。僕はパキッとした色のお皿が好きなのと、大きめなサイズのものが好きなのでそういうのを揃えています。大きいものを選ぶと小さなものを盛りつけたときに、縁の部分がおしゃれに仕上がるんですよね。例えばサラダなども、基本的はカラフルにするようにしています。サラダって見た目が可愛ければいいので、食べてもらう人に『サラダ可愛い、おいしそう』って言われたらこっちの勝ちなんですよね(笑)」

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―料理を作るうえで大切にされていることはありますか?
「誰かのために作りたいっていう気持ちや、自分がおいしいものを食べたいっていう思いが強いので、作る時に妥協はしませんね。完璧な状態で仕上げたいっていう気持ちは大切なことだと思っています。それはたぶん、料理だけじゃなくて仕事にも繋がると思うんですよね。ただ料理だってたまには手抜きをしてもいいんです。その中に良さがあったりもするんですけど、やる前から諦めたりしないで、料理を知る努力をしてみて欲しいなって思います。いろんな食材があることも知ってもらって、それを実際に自分の手に取ってみて欲しい。取ってみないとありがたみを感じることができないので、目で見て手で触れて確認して。そうすることで料理自体をもっと好きになることができると思います」
―最後に得意料理を教えてください!
「得意料理ないんですよね! というのも、何でも作れるから(笑)。本当に食材と調味料さえあれば、何でも作ることができる。僕のレシピは小さい頃から自身が作ってきたものや食べてきた経験、感動をベースに頭のなかで足し引きをして作り上げています。視聴者の方から頂いた多くのリクエストや感想からもインスピレーションを頂いています。
それに料理には無限の可能性があるって僕自身が一番感じています。何よりも人と人を繋げてくれるのがいいですよね」

速水 もこみち(はやみ もこみち)

1984年8月10日生まれ。東京都出身。2002年、テレビドラマで俳優デビュー。2005年の『ごくせん』でブレイク。以降、数多くの映画やドラマ・CMに出演し、主演作も多数。2011年から8年間、情報番組「ZIP!」の料理コーナー「MOCO’Sキッチン」を担当。レシピ本はフランスのグルマン世界料理本大賞の日本料理部門でグランプリを受賞。キッチンブランド「MOCOMICHI HAYAMI」をプロデュースし、2019年9月には公式YouTubeチャンネル「M’s TABLE by Mocomichi Hayami」を開設。世界各国の料理レシピを中心に様々な動画を配信する等、多方面で活躍。また、今回はじめてプロデュースした「彩りおせち二段重( https://item.rakuten.co.jp/ntv7/osechi-mocomichi/ )」を2020/12/24 01:59まで販売。

■ YouTubeチャンネル「M’s TABLE by Mocomichi Hayami」
https://www.youtube.com/c/MocomichiHayami

インタビュー・テキスト:戸塚真琴
撮影:猪原悠(TRON)
編集:長野宏美