KITCHEN LABO@blue monkey room 今月のラボ 『年末年始のストックフード』

2020.12.23

万能!キャベツの冷たいサラダとお酢で煮るサラダ

最後にご紹介するのは、冬から春にかけての定番野菜、キャベツで簡単に作れるストックフードです。こちら、臨時研究員として参加をお願いした石川みずえさんの家レシピ。このキャベツサラダには以前からお世話になっていて、とにかく使い勝手が良いのです。聞けば、煮キャベツバージョンもあるとのことで、今回合わせて公開させていただきます。年末年始に肉料理と合わせれば胃が休まりますし、単品でつまんでもリフレッシュできる。因みに石川家では「冷たいキャベツサラダは、朝や昼のパン食に合わせて食べることが多いです。ハム、サーモン、ローストチキンやローストビーフなどと。トーストに乗せるのもオススメ。他の料理と和えてもOK。お酢で煮た方は、お肉の付け合せの定番です」。

ストックフード⑥ キャベツの冷・温サラダ
保存のアプローチ:塩・酢・加熱脱水
保存期間:1週間

お酢で煮るキャベツは、蓋をしたままキャベツを放置。蒸し煮状態にして旨味を凝縮させます。水分はヴィネガーのみなので火加減に注意して焦がさないように!(みずえ)

<キャベツの冷たいサラダ>

材料

  • キャベツ 半分
  • (大きなものの外葉を8?10枚くらい、500g程度)
  • 玉葱 1/2個
  • 人参 1/2本
  • 小さじ2
  • レモンの搾り汁 1個分
  • 又は 林檎酢かホワイトヴィネガー 大さじ2
  • オリーブオイル 大さじ2~3
  • 黒胡椒 少々

作り方

キャベツは芯からはずして大きな葉脈をとり、2ミリ幅の千切り(トンカツのつけ合わせより少し幅広に)。大きな葉脈も薄く切って千切りにして加える。玉葱は繊維にそって薄くスライス。人参は斜めに薄切してから千切り。これらを大きめのボールに入れる。塩を入れて、全体に塩が行き渡るように混ぜる。

数分経つと水分が出てくるので、これをぎゅうっと搾る。搾ってかさが半分くらいになった野菜を、ボールに戻してレモンの搾り汁(又は酢)を加え、和える。オリーブオイルを加えて和え、黒胡椒をひいて味をととのえる。

<お酢で煮るキャベツサラダ>

材料

  • キャベツ 1/2個
  • (大きなものの外葉を8~10枚くらい、500g程度)
  • 玉葱 1/2個
  • EVオリーブオイル 適量
  • 林檎酢かホワイトヴィネガー 大さじ4
  • 塩麹 大さじ1/2
  • レーズン 15個くらい
  • ローリエ(あれば) 1枚

作り方

キャベツは、キャベツサラダより更に少し幅広く切る。
玉葱は繊維を断つように薄くスライス。
適量のオリーブオイルを入れた鍋に玉葱を入れ、中?弱火にかけてねっとりと甘みが出るまで焦げないよう炒める。
キャベツを加え、炒め玉葱と混ざるよう全体に大きくかき混ぜたら、蓋をして弱火で5分ほど蒸すように加熱する。
ふたを開け、水分が出てはじめのかさの半分以下になったところで、林檎酢、塩麹、レーズン、ローリエを加え再び蓋をし、水分が少ないのでなべ底が焦げ付かないようときどき覗き、かき混ぜながら5?7分ほど蒸すように加熱して仕上げる。

ストックフードの組み合わせ。

今回のストックフードを組み合わせて、こんな展開も考えてみました。

展開①
ザワーブラーテン+お酢で煮るキャベツのサラダ+虎豆ペースト

うすくスライスしたザワーブラーテンに、塩、マスタード、好みの野菜を添えていただく。

さらにザワーブラーテンはシチュー仕立てにしてもいいですよ。

展開②
ザワーブラーテンでビーフシチュー

ザワーブラーテンはドイツ料理なので、ドイツのオーガニック赤ワインと合わせてみました。重すぎない赤が良い感じです。

<ザワーブラーテンのビーフシチュー>

作り方

ザワーブラーテンの残った煮汁を濾して、レーズン30gを加えて20分ほど煮ます。やわらかくしたバター(20g)に薄力粉(20g)を加えてよく混ぜ、煮詰めた煮汁に加え、塩・こしょうで味を調えます。スライスした肉にソースをからめ、温野菜(にんじん、じゃがいも、ブロッコリーなど)を添えていただく。

展開③
昆布じめパンチェッタのパスタ2種+虎豆ピクルス+キャベツの冷たいサラダ

パスタは、カルボナーラ(左)とグリーチャ(右)。グリーチャは、アマトリチャーナのトマトソースを使わない白いパスタ。昆布じめしたパンチェッタをストレートに味わうならグリーチャがおすすめです。

<昆布じめパンチェッタのカルボナーラ>

材料

  • 昆布じめパンチェッタ 100g
  • パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ 40g
  • 卵黄 2個
  • スパゲッティ 150g
  • 塩・黒コショウ 適宜

作り方

昆布じめパンチェッタを5mm厚さに切り フライパンに入れてこんがり色が付くまでじっくり焼く。
卵黄、すりおろしたパルミジャーノ、黒コショウを加えて混ぜておく。
①のフライパンに茹でたスパゲッティと茹で汁少々、②を加え和える。
器に盛り付け お好みですりおろしたパルミジャーノ(分量外)、黒コショウををふる。

<昆布じめパンチェッタでスパゲッティ アッラ グリーチャ>

材料(2人分)

  • 昆布じめパンチェッタ 100g
  • パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ 30g
  • 白ワイン 50cc
  • 玉ねぎ 1/2個
  • スパゲッティ 150g

作り方

昆布じめパンチェッタを5mm厚さに切り フライパンに入れてこんがり色が付くまでじっくり焼く。パンチェッタを取り出し、出てきた脂でスライスした玉ねぎをしんなりするまでじっくり炒める。
玉ねぎが透き通ってしんなりしたら、白ワインを加え沸騰させる。
②に茹でたスパゲッティと茹で汁を少々、炒めたパンチェッタを加え和える。
器に盛り付け すりおろしたパルミジャーノををふる。

展開④
ヌルンジ+虎豆餡

おこげと合わせたのは、和三盆(左)虎豆餡(真ん中)醤油(右)です。それぞれおこげにふったりつけたりのせたりしながら食べる。醤油と和三盆を合わせるとみたらし団子のような風味に。

いかがでしたでしょうか。今回使った食材に限らず、身の回りにある食材はストックフードに変換できるかもと思った時、複数の手段と掛け合わせで様々な可能性が開けると思います。自分だけのストックフード開発も夢ではないはず。
blue monkey roomの周辺は、冬の柑橘が色付いています。庭の小蜜柑をつんで、蜜柑蜂蜜につけ込んでみました。これも簡単ながら立派なストックフードの一品。できるまでの時間も楽しみながら、美味しい年明けをお迎えください。

※商品情報は、2020年12月1日時点の内容です。

次回は、『餃子研究』。
中国ではお金の象徴、新年の縁起食として愛されている餃子。日本人も大好きな餃子を、本場中国のスペシャリストを招き、シンプルで究極な餃子を研究します。

編集・文:柴田香織
撮影:猪原悠
料理・撮影協力:blue monkey room