なんでもキッチンおためし隊 おうちで発酵食
2020.11.18
上級編「一夜味噌」
岸さん
味噌作りは難しいと思う方も多いかと思いますが、一夜味噌はたった一晩で出来上がる手作り味噌。白味噌、甘味噌とも呼ばれます。生おからで作れば大豆のように潰す手間もいらず、より簡単。他に、ひよこ豆で作っても美味しいです。オリーブオイルとの相性が良いのでジェノベーゼに、豆乳とあわせてスープのべ―スに、マヨネーズや練りゴマと混ぜて野菜のディップソースにと、何かと役立つ調味料です。
おから白味噌(一夜味噌)
材料(作りやすい分量)
- 生麹 200g
- 生おから 100g
- 塩 30g
- 成分無調整豆乳 大さじ3
作り方
① 生麹と塩をボウルに入れて、混ぜ合わせる。麹や塩の塊があれば、適宜ほぐす
② ①のボウルに生おからを加えて、混ぜ合わせる
③ ②を団子状に丸めて、消毒した内容器に空気を抜くように押し詰めていく
④ 発酵器の温度を60℃、タイマーを24時間に設定し、発酵させる
⑤ 麹が柔らかくなったら完成
※すり鉢などで混ぜ合わせると、よりなめらかさのある味噌に仕上がります。
保存方法
保存容器に入れて冷蔵で4週間程保存可能。
おから白味噌ときのこのタルティーヌ
材料
- お好きなパン 1枚
- お好きなきのこ 1/2パック
- ねぎ 少々
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- ビーガンチーズ お好みの量
- 無調整豆乳 [A] 大さじ2
- おから白味噌 [A] 大さじ1
- 塩 少々
作り方
① ねぎ、にんにくをスライス。きのこは食べやすいサイズにカットする
② フライパンにオリーブオイルを馴染ませ、にんにくを炒めて香りが出てきたら、残りの野菜も入れて炒める
③ ②に[A]を混ぜたものを加えて、塩で味を整える
④ パンの上に③とビーガンチーズをふりかけ、トースターでこんがり焼けたら完成
使用した道具・食材
※商品情報は2020年11月2日時点の内容です
番外編「三五八漬け」
岸さん
食塩・麹・蒸米を「3:5:8」の割合で作るから“サゴハチ”。乳酸菌発酵の“ぬか”漬けが酸味があるのに対して、三五八漬けは米の旨味が効いていてまろやかな味わいなので子どもや酸っぱいものが苦手な人でも食べやすいです。塩麹の要領で野菜以外にも、肉を漬け込んで蒸したり焼いたり、下ごしらえにも活用できます。三五八漬けの素を用途に応じて「スタッシャー」などに取り分けるようにすると、漬けた食材の色やニオイが残らず便利ですよ。
使用した道具・食材
※商品情報は2020年11月2日時点の内容です
発酵食を美味しく食べきる保存法
―長期保存が可能な発酵食。どんな容器に入れて、どんな環境に置いておくのが良いですか?
岸さん
常温保存でも大丈夫な発酵食品も多いですが、菌の活動(=発酵や熟成)を遅らせるために冷蔵保存をおすすめします。保存容器には「ガラス」や「琺瑯(ほうろう)」が、ニオイ移りしにくいのでおすすめです。ただ、酵素が活発な液状の食材は常温保存だと発泡することがあるので気をつけて! 密封せず、紙やガーゼを蓋代わりにしましょう。
使用した道具・食材
※商品情報は2020年11月2日時点の内容です
―最後に、おうちで発酵食を楽しむ皆さんにメッセージをお願いします!
岸さん
発酵食は、菌の力と人間の知恵が合わさったもの。特に日本人は昔から、麹菌をはじめとした菌を手懐けて暮らしてきました。最近では「菌」といえば一括に悪者にされがちだけれど、過剰に滅菌するのではなくて「良い菌に味方になってもらう」という考え方も大切。楽しみながら発酵を摂り入れて、カラダもココロも豊かになっていくことを日々の食事から実感してほしいです。
レシピ監修・フードスタイリング:misato sugo
イラスト:Lee Izumida
撮影:山平敦史
編集・文:長野宏美