KITCHEN LABO@blue monkey room 今月のラボ『盛り上がる丸鶏研究』

2020.11.18

丸鶏を切り分けて(デクパージュ)、実食。

丸鶏の最大の難関は、調理よりむしろ切り分けかもしれません。塊に気分が盛り上がっても、切り分けでボロボロになってしまっては、せっかくの丸鶏が泣きます。そこで、今回はカメラマンの猪原さんが、渾身の動画を撮ってくれました。実は、冒頭の動画がコウさんの塩釜焼きのデクパージュです。アウトドア用のカービングナイフとフォークを使った技です。もう1回見てみましょう。

そして、ヒグチさんにはハサミを使ったデクパージュをしてもらいました。





二人の手元をよくよく見ていただきたいのですが、共通するのは、切るというより関節の位置を確認して、外すように捌いているということです。そして、盛り付けの完成図がこちらです。



胸肉にはエビソース、腿肉にはサルサヴェルデなど、部位ごとに合うソースを探るのも楽しい茹で鶏。

シンプルに鶏の真髄を味わえる塩釜焼き。レタス、ルッコラ、イタリアンパセリなど葉物野菜とワシワシ食べたい。

「塩釜焼きは、そのままで美味しいのですが、塩釜作りで余った卵黄とコラットゥーラ(イワシの魚醤)を半々で和えたソースを即席で作ってみました。これ、絶対合う」(コウ)

いよいよ実食です。今回の丸鶏料理に合いそうなワインとして、スパイスに合うゲヴェルツトラミネールという品種の白ワイン、モンテプルチャーノ・ダブルッツォという赤品種のスパークリングワインを合わせてみました。あっという間にワインがなくなったところをみると、きっとぴったりだったのだろうと思われます。丸鶏塩釜焼きのエンターテインメント性、茹で鶏のソースバリエーションの体験は、場を盛り上げてくれると確信します。今回のレポートが、失敗のない、しっとりジューシーな丸鶏料理の手引きとなりますように。

次回は、『ストックフーズを作る・活用する』
在宅時間が長くなる年末年始、あったら嬉しいユニーク
なストックフーズに挑戦します。

編集・文:柴田香織
撮影:猪原悠
料理・撮影協力:blue monkey room
Special Thanks: 山内千夏、平野佐知、蓮池陽子