妊婦は花粉症の薬を飲める?妊娠中の花粉対策も|医師監修
2026/5/11
妊娠中は女性ホルモンの変化で、花粉症のような症状が見られたり、花粉症の症状が悪化したりすることがあります。妊娠中・授乳中の花粉症対策をママ割メンバーへのアンケート結果と併せて解説します。

妊娠中に花粉症の症状が現れると、「お腹の赤ちゃんが心配で薬が飲めない」「どうやって乗り切ればいいの?」と不安を抱えてしまう方は少なくありません。ただでさえ体調が変化しやすい時期に、花粉症の症状が重なるのは本当につらいことですよね。
本記事では、妊娠中に薬を服用しても良いのか、薬以外の対策方法、妊娠中の花粉症に関するよくある質問などを解説します。先輩ママたちが実際に行っていた花粉対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【楽天ママ割メンバー対象アンケート】
期間:2026/2/20~3/5
回答者全体(N=1,000)
この記事の監修者

日本小児科学会専門医・同指導医、米国小児科専門医、米国小児救急専門医
井上信明先生
日本の医学部を卒業後、日本、アメリカ、オーストラリアにて小児科および小児救急の研修を行う。
目次
妊娠中に花粉症の薬を飲んでも良い?
妊娠中に薬を飲みたいときは、お腹の赤ちゃんの成長段階に合わせて慎重に判断する必要があります。時期ごとの注意点を確認していきましょう。
妊娠初期:原則として薬の使用は避ける
妊娠初期(妊娠15週目まで)は、赤ちゃんの脳や心臓といった器官が作られる大切な時期です。この時期にママが摂取した薬の成分は赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるため、原則として、花粉症の薬に限らず薬の使用は避けるのが望ましいとされています。
「自然由来なら安心」と思われがちな漢方薬も、薬の一種であるため、自己判断での使用は控えましょう。どうしても症状がひどく、日常生活に支障が出る場合には、全身への吸収が少なく赤ちゃんへの影響を抑えられる点鼻薬や点眼薬(抗アレルギー薬、ステロイド薬など)を検討します。
ただし、市販の外用薬には血管収縮作用のある成分が含まれている場合があるため、購入前に必ず医師に相談し、適切な薬を処方してもらうようにしてください。
妊娠中期以降・授乳中:安全性の高い薬のみ使用できる
妊娠中期や授乳中は、医師が認める安全性の高い薬に限り使用できます。
この時期は赤ちゃんの器官形成が完了し、薬による奇形のリスクが低下するため、使用できる薬の選択肢が広がります。ただし、成分が胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに届く可能性があることに変わりはないため、影響の少ない薬を選ぶ必要があります。
具体的には、花粉症の症状に対して使用される抗ヒスタミン薬の中でも「ロラタジン」は、妊娠中期以降で使用可能な内服薬の一例として知られています。
授乳中も含め、赤ちゃんへの安全性を最優先に考え、必ず医師に相談した上で適切な薬を処方してもらいましょう。
市販薬の使用は慎重に、医師に相談しよう
一般的に安全性が高いとされる成分であっても、市販薬には主成分以外にさまざまな添加物や複数の成分が含まれていることがあります。
妊娠中は体質も変化しやすいため、市販薬を自己判断で使用することは避けましょう。必ずかかりつけの医師に相談し、自身の体調や妊娠経過に合わせた薬を処方してもらうのが最も安心な選択です。
なお、おくすりの受け取りには、薬局での待ち時間が短縮できる楽天のサービス「ヨヤクスリ」がおすすめです。ヨヤクスリについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
妊娠中に花粉症の症状が悪化することも
妊娠してから、花粉症の症状が悪化する方は少なくありません。実は、妊娠によるストレスやホルモンバランスの変化が要因となり、鼻水・鼻づまりの症状が重症化することがあります。
一方で、「症状が軽くなった」との回答も一定数ありました。妊娠すると必ず花粉症の症状が重くなるわけではないことに注意が必要です。

妊娠中の花粉症が悪化しやすい理由
妊娠に伴い、女性ホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌量が急激に増加します。これらのホルモンには鼻の粘膜を腫れさせる作用があるため、鼻水が出やすくなったり、鼻が詰まりやすくなったりします。
このようなメカニズムによって「妊娠性鼻炎」が引き起こされますが、妊娠性鼻炎が見られる方は、元々アレルギー性鼻炎をお持ちであることが多く、普段よりも花粉症の症状がひどくなってしまうことがあるのです。
薬を使わない!妊娠中・授乳中にできる花粉症対策
ママ割メンバーに「妊娠中の花粉症で困ったこと」を聞いたところ、「鼻づまりやくしゃみで眠れない(31.9%)」や「薬の内服を控えており症状がつらい(30.1%)」などの回答が寄せられました。お腹の赤ちゃんへの影響を考慮して、花粉症の症状が出ていても薬を飲まない妊婦さんは多いようです。

先述したように、妊娠中に飲める花粉症の薬には制限があります。そのため、花粉症に悩む妊婦さんは、妊娠前よりも花粉症対策に力を入れている方が多い傾向にあります。
「妊娠中に行っていた花粉症対策を教えてください。」と質問したところ、「マスクを着用する(72.2%)」「洗濯を部屋干しにする(31.6%)」などの声が多く聞かれました。

ここからは、市販薬以外の花粉症対策をシーン別に解説します。花粉症に悩む妊婦さんはぜひ参考にしてください。
外出時:花粉との接触を防ぐ
外出時は、いかに花粉の侵入を防ぎ、衣服への付着を最小限に抑えることがポイントです。
- マスク・メガネ・帽子の着用:メガネは、コンタクトレンズに比べて目への花粉侵入を物理的に遮断できるため、かゆみや充血の緩和に効果的です。
- ポリエステル・ナイロンの服を着る:外出時は、ポリエステルやナイロンなどの表面が滑らかな素材のコートやジャンパーを選ぶと、花粉が付きにくく、玄関先で落としやすくなります。
- 花粉ピークの時間帯の外出を控える:花粉の飛散量は、一般的に「お昼前後」と「日没前後」に多くなる傾向があります。風が強い日や晴れて気温が高い日は注意が必要です。
帰宅時:花粉を落とす
外で付着した花粉を室内に広げないよう、帰宅直後のルーティンを徹底しましょう。
- 玄関前で払う:家に入る前に、服やかばんに付いた花粉をしっかり払い落としましょう。髪の毛にも花粉は溜まりやすいため、手ぐしで軽く払うのも効果的です。
- 清潔を保つ:手洗い・うがい、洗顔はもちろん、鼻うがいや帰宅後すぐの入浴も効果的です。髪や体に付いた花粉を丸ごと洗い流し、花粉が付着した服をすぐに着替えることで、室内をクリーンな状態に保てます。
- 家族の協力: 自分だけでなく、一緒に住む家族にも「玄関前で払う」「すぐに着替える」を習慣化してもらいましょう。
室内:花粉の侵入を防ぐ・取り除く
外から持ち込まれたり、換気時に隙間から入り込んだりした花粉は、家の中に蓄積されます。特に滞在時間の長いリビングや寝室は、徹底したケアで快適な環境を整えましょう。
- 部屋干しの徹底:花粉シーズンは、洗濯物を外に干さないのが鉄則です。濡れた洗濯物は花粉を吸着しやすいため、外干しをすると大量の花粉を家の中に取り込んでしまいます。どうしても外に干したい場合は、飛散量の少ない午前中の短い時間にし、取り込む前に掃除機で吸い取るか、しっかりとはたき落としてください。
- 掃除と空気清浄機:空気清浄機は「玄関」や「部屋の入り口」、または人の出入りが多い場所に置くことで、室内へ広がる前に花粉をキャッチできます。加湿機能がある場合は併用するのがおすすめです。湿度を上げることで空中の花粉が水分を含んで重くなり、床に落ちやすくなるため、掃除の効率もアップします。
セルフケア:生活習慣を整える・鼻の周りを温める
日々のちょっとした習慣で体のコンディションを整えることは、アレルギー症状を和らげる大きな助けになります。
- 免疫力を高める: 栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、アレルギー症状に対する抵抗力を養います。決まった時間に起きて朝日を浴びることで、自律神経が整い、鼻のムズムズやイライラ感に対する抵抗力が自然と養われます。
- 温熱ケア: 鼻づまりがひどい時は、蒸しタオルで鼻を温めたり、ゆっくりとお風呂に浸かって体を温めたりすると、一時的に血行が良くなり症状が楽になります。
【蒸しタオルの作り方・使い方】
- タオルを準備する:水で濡らして軽くしぼり、電子レンジ(500〜600W)で30~40秒ほど温める。
- 温度を調節する:やけどに注意しながら、触って心地よいと感じる温度まで冷ます。
妊娠中の花粉症に関するよくある質問(Q&A)
妊娠中の花粉症は、お薬の使用や胎児への影響など、普段以上に不安や疑問がつきないものです。ここでは、妊婦さんが安心してシーズンを乗り越えられるよう、よくある質問をQ&A形式でまとめました。
妊娠中に花粉症の薬を飲んでしまったらどうすれば良い?
もし妊娠中に薬を飲んでしまった場合は、ただちに使用を中止し、すぐにかかりつけの医師に相談してください。
その際、「いつ」「どの薬を」「何回(何錠)」飲んだのかを正確に伝えることが大切です。妊娠に気づかずに服用していたケースもありますが、一人で抱え込まず、まずは正直に医師へ相談してアドバイスを仰ぎましょう。
妊娠中にアレルギー治療は受けられる?
結論として、妊娠中でもアレルギー治療を受けることは可能です。ただし、治療を行うかどうかは妊婦さんの体調や、医師の判断によるため、必ず医師に相談しましょう。
- レーザー治療: 鼻の粘膜を焼いて症状を和らげる方法ですが、妊娠中に実施するかどうかは、医師(耳鼻科医)の方針や妊婦さんの体調によります。検討したい場合は必ず事前に相談してください。
- 舌下免疫療法: アレルゲンを少量ずつ体に取り入れる根本治療ですが、妊娠中に新しく始めることは避けるべきです。ただし、妊娠前から継続している場合は、医師と相談の上で継続か一時停止かを判断します。
漢方なら妊娠中でも飲んで問題ない?
漢方は副作用がないと誤解されがちですが、漢方も立派な「薬」です。成分によっては子宮収縮を促すものなど、妊婦さんには適さないものも含まれています。自己判断での使用は避け、必ず医師の指示に従ってください。

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お腹の赤ちゃんの器官が作られる妊娠初期には、薬の使用に注意が必要です。妊娠中期以降であっても、自己判断で市販薬を飲むのではなく、必ず医師に相談して安全性の高い薬を処方してもらいましょう。
また、マスクやメガネの着用、こまめな掃除といった「花粉を家に入れない・付けない」対策を組み合わせることで、薬の量を最小限に抑えながら快適に過ごすことができます。つらい時期ですが、適切なケアで乗り切っていきましょう。
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