妊婦もマグロを食べていい?リスクと対処法を解説|管理栄養士監修
2024/10/30
妊娠中でも火を通せばマグロを食べても問題ありません。しかし食べすぎには注意が必要です。妊婦さんがマグロを食べることのリスクと対処法や食べてもいい量などを管理栄養士監修のもと解説します。
「妊婦は避けるべき魚介類がある」と耳にして、マグロは食べても大丈夫なのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。
マグロは食べ方や量によっては、お腹の赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるため、正しい知識を身につけることが大切です。
本記事では、管理栄養士監修のもと、妊娠中にマグロを食べるリスクや安全な食べ方などを紹介します。マグロ以外の魚介類についても解説していますので、妊娠中の食事に不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
管理栄養士
端場愛さん
学生寮や老人保健施設、クリニックで勤務経験を積んだのち、フリーランスの管理栄養士へと転向。体と栄養の関係を多くの人に分かりやすく伝えるために、ライターとしても活動中。今日よりちょっと元気になれるレシピ開発が得意。
目次
妊婦でもマグロを食べて大丈夫?
結論からお伝えすると、妊娠中でもマグロを食べることは問題ありません。しかし、生のマグロには、食中毒を引き起こす可能性がある腸炎ビブリオやアニサキスなどが付いている可能性があります。
妊婦さんがマグロを食べる場合は、中心までしっかり火を通して食中毒の原因となる細菌や寄生虫を死滅させることがポイントです。
刺身を食べるリスクは「【医師監修】妊婦さんはお刺身を控えるべき?食中毒の予防法を解説!」でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
妊娠発覚前にマグロをたくさん食べていた場合、「マグロに含まれる水銀が胎児に影響を与えるのではないか」と心配になる方もいるでしょう。
しかし、ママが食べた魚に含まれる水銀がお腹の赤ちゃんに移行されるのは、胎盤が完成する妊娠4か月頃からです。妊娠初期に摂取した水銀は、胎児に届くことなく体外に排出されるため心配いりません。
なお、妊娠中は避けるべき食品が複数あります。「妊婦が食べてはいけないもの一覧!摂取量&注意点も│管理栄養士監修」では、妊婦さんが注意したい食品とおすすめの食品をまとめていますので、ぜひご一読ください。
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妊娠中にマグロを食べることのリスクと対処法
妊娠中もマグロは食べられますが、非妊娠時と同じように摂取すると、食中毒や水銀により母体や胎児へ悪影響を及ぼすことがあります。
マグロを安全に食べるためには、リスクを正しく理解し、対処法を知ることが重要です。続いて、妊娠中にマグロを食べることで生じるリスクや注意点、正しい食べ方を解説します。
生食だと食中毒にかかりやすい
妊婦さんがナマモノを避けるべきだといわれるのは、妊娠中は非妊娠時と比較して免疫力が低下しており、食中毒発症のリスクが高まるからです。
マグロには腸炎ビブリオやアニサキスなどの細菌、寄生虫が寄生している可能性があり、仮に腸炎ビブリオに感染した場合、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの症状が現れます。アニサキスによる食中毒の主な症状は、腹痛、嘔吐、下痢などです。
腸炎ビブリオやアニサキスは、お腹の赤ちゃんに直接的に影響を及ぼす可能性は低いとされていますが、激しい腹痛や嘔吐などで脱水症状や栄養不足に陥ると、間接的に胎児の発育を妨げる要因になります。
なお、腸炎ビブリオやアニサキスは熱に弱く、加熱すれば食中毒のリスクは大幅に軽減できます。無毒化させるための加熱温度・時間の目安は、腸炎ビブリオは60度で10分以上(※1)、アニサキスは70度以上もしくは60度で1分(※2)です。
妊娠中は、リステリア菌による食中毒にも注意しなければなりません。リステリア症は、胎盤を通して胎児に感染し、流産や早産などを引き起こす可能性がある怖い感染症です。妊婦は健康な成人と比較して、リステリア菌への感染率が20倍にもなるといわれています。
リステリア菌の主な原因食品は、ナチュラルチーズやスモークサーモン、生ハムなどです。原因食品にマグロは含まれませんが、リステリア菌は冷蔵庫でも繁殖するため注意が必要です。開封したら賞味期限に関わらず早めに食べ切る、冷蔵庫より温度が低いチルド室で保管する、などの対策をとりましょう。
なお、リステリア菌も十分加熱すれば死滅します。加熱せずに食べられる食肉加工品や魚介類加工品、未加熱チーズなどは避け、冷蔵庫内の食材はできるだけ火を通して食べるようにしましょう。
※1平成 21 年度食品安全確保総合調査 「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」
※2厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
水銀を取り込んでしまう
マグロを頻繁に食べると、水銀を過剰摂取するリスクがあります。魚介類の中でもマグロ類やカジキなどの大型魚類は、比較的多くの水銀(メチル水銀)が蓄積されてます。
妊婦さんがマグロを食べると、血液中にメチル水銀が含まれ、胎盤を通して赤ちゃんに移行します。ママやパパは水銀を取り入れても自然に体外に排出されますが、胎児はまだ肝臓や腎臓が未発達なため、上手に排出できません。胎児に蓄積するメチル水銀が一定量を超えると脳細胞にダメージを与え、中枢神経発達に多大な影響を及ぼします。
しかし、マグロはDHAやEPAなど体内では合成できない栄養素を豊富に含み、妊娠中も適度に取り入れたい食品です。
後述する「妊婦が食べて良いマグロの量は1週間で約80g」で紹介する目安量を守れば、水銀による胎児への影響は心配ありません。
もし気になる場合は、水銀の含有量が少ないサバやサケなどの魚介類を選んで食べることもおすすめです。
妊婦が食べて良いマグロの量は1週間で約80g
マグロの種類にもよりますが、厚生労働省によると妊婦が食べてもよいマグロの量は、1週間に約80gが目安です。一般的な切り身も一切れ当たり80gのため、週に1回1人前のマグロステーキを食べるくらいなら心配ありません。
なお、同じマグロでもミナミマグロ(インドマグロ)は、クロマグロやメバチマグロと比較すると水銀の含有量が少なく、1週間に2回、トータル160g程度であれば食べても大丈夫です。
キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、ツナ缶は特に制限が定められておらず、食べ過ぎなければ日々の料理に使用しても良いでしょう。妊娠中にマグロを購入する際は、パッケージの表示を確認すると安心です。
ただし、食中毒予防のため、刺身や中まで火が通っていない炙りは避けてください。
もし、1週間のうちにマグロや魚介類を多少食べ過ぎたと思う場合は、次の週の食事で調整すれば大丈夫です。マグロなどの魚介類には妊娠中に必要な栄養素が多く含まれます。水銀をとりすぎないように注意事項を守りながら、バランス良くさまざまな食品を摂取してください。
妊娠中に積極的に摂取したい栄養素については「意外と知らない?妊娠中に必要な栄養素とは。」でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
食べる量に注意が必要なマグロ以外の海産物
一部の海産物を除き、妊娠中も適量と加熱調理を心がければ、食べてはいけないものはありません。
むしろ、海産物にはたんぱく質をはじめ、不飽和脂肪酸や鉄分、ビタミンDなど妊娠中に必要な栄養素を豊富に含むため、積極的に摂取しましょう。
しかし、過剰摂取すると胎児に影響を与える栄養素を多く含む海産物もあります。ここでは、妊娠中は食べる量を調整したほうがよい海産物を紹介します。
水銀を多く含む魚介類
食物連鎖の上位にいる魚は、食物連鎖により水銀濃度が高くなる傾向にあります。マグロ以外では、クジラ、メカジキ、サメ、キンメダイなどが水銀を多く含む種類です。しかし、基本的に目安量を守れば、食べても問題ありません。
キンメダイ、メカジキ、エッチュウバイガイなら1週間に1回、80g程度、キダイ、マカジキ、クロマグロ、ユメカサゴなら1週間に2回まで、トータル160g程度が摂取上限目安です。なお、一部地域ではイルカを食べる習慣がありますが、特に水銀濃度が高いため妊娠中は避けましょう。
水銀を多く含む魚介類や生食を避ければ、お寿司も食べられます。「妊婦が安心して食べられる寿司ネタは?炙り寿司は?│管理栄養士監修」では、妊婦におすすめのお寿司のネタを紹介しているので、併せてご覧ください。
動物性ビタミンAを多く含む魚介類
動物性ビタミンAを多く含む魚介類は、摂取量に注意しなければなりません。妊娠3か月までにビタミンAを過剰摂取すると、赤ちゃんの先天性奇形のリスクが高まるためです。
ビタミンA(レチノール)が多く含まれるのは、以下のような食品が挙げられます。(全て100g当たりに含まれる量です。)
- あゆ(養殖/焼き) 480μg
- うなぎ(かば焼) 1,500μg
- ほたるいか(ゆで) 1,900μg
- ぎんだら(水煮) 1,800μg
妊娠を計画している女性や妊娠3か月未満の妊婦さんは、耐容上限量の3,000μgRE/日※3をオーバーしないようにコントロールすると良いでしょう。
一方で、ビタミンAは胎児の成長に欠かせない栄養素であり、1日あたりの摂取目安量は、妊娠初期・中期が650〜700μgRE、妊娠中後期が730〜780μgREと定められています。
もしビタミンAの過剰摂取が心配であれば、野菜から摂取するのもおすすめです。野菜に含まれるβ-カロテンは、体内で必要な量だけビタミンAへ変換されるため、過剰摂取のリスクが少なくなります。
なお、魚介類、肉類、野菜類をバランスよく食べれば、過剰摂取になることはありませんが、ビタミンAを含むサプリメントを飲んだり、つわりで偏った食生活が続いたりすると、耐容上限量をオーバーするおそれがあります。
ただし、1日くらい耐容上限量をオーバーしたからといって、すぐに影響が出るわけではありません。長期間続けて過剰摂取しないように意識することが大切です。
うなぎは人気が高い魚介類で、つい食べ過ぎてしまう方も多いでしょう。「妊婦は鰻を控えるべき?いつからどれ位の量がNG?│管理栄養士監修」では、うなぎの摂取目安量を紹介してるので、参考にしてみてください。
※3厚生労働省「-からだづくりの基礎となる「主菜」は適量を-」
ヨウ素やヒ素を多く含む海藻類
妊娠中にヨウ素やヒ素を過剰摂取すると、胎児の甲状腺機能に影響を及ぼす可能性があります。海藻類は、ヨウ素を含むものが多いため、食べる量に注意が必要です。
特にヨウ素が多いのは、ひじき、わかめ、昆布などです。ひじきや昆布の煮物なら1週間に1〜2回小鉢1杯程度、わかめのみそ汁なら1日1杯程度であれば問題ないでしょう。
昆布だしにもヨウ素が含まれるため、妊娠中はかつおだしに代替するのもおすすめです。
また、ヒ素も多くの海藻類から検出され、特にひじきは濃度が高い食品です。胎児はヒ素を排出できず、体内に蓄積すると、奇形や脳障害を引き起こすリスクがあります。
過剰摂取しなければ問題ありませんが、ひじきの煮物であれば1週間に1〜2回小鉢1杯程度にとどめると良いでしょう。
もっと詳しく海藻類の摂取量や注意点を知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
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妊婦がマグロを食べる際は、食中毒予防のために中までよく加熱することがポイントです。また、食べる頻度は週1回程度、重量は80g程度にとどめると水銀の過剰摂取を防げます。
なお、マグロ以外にも、水銀や動物性ビタミンA、ヨウ素などを多く含む魚介類は摂取量に注意が必要です。妊娠中は食事の制限が多く心配がつきませんが、生魚や食中毒が懸念される食品を避け、さまざまな食材を食べれば自然に栄養バランスが整います。
正しい知識を身につけ、妊娠中も食事を楽しみながらストレスなく過ごしてください。
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