妊娠後期に眠くなるのはなぜ?眠気の原因や対処法を解説|医師監修
2024/7/17
妊娠後期に眠気が出やすい原因として、ホルモンバランスの変化や身体的疲労、夜に十分な睡眠が取れないことが挙げられます。妊娠後期に眠くなる原因やその対処法、眠気以外の症状について医師監修のもと解説します。
妊娠後期になり、眠気がひどいと感じている方もいらっしゃるでしょう。妊娠後期に眠くなるケースは多く、その要因はさまざまです。妊娠後期の眠気が不安なプレママさんへ、妊娠後期に眠くなる原因や対処法をご紹介します。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
妊娠後期に眠気が出やすいのはなぜ?
妊娠後期に眠気が出やすくなる理由として、主に以下の3つがあげられます。
- ホルモンバランスの変化
- お腹が大きく疲れやすい
- 夜に十分な睡眠がとれない
これら3つの要因について、詳しくご紹介します。
ホルモンバランスの変化
妊娠後期に眠くなる理由として、女性ホルモンの分泌量が増えることが考えられます。
妊娠すると分泌量が増加する女性ホルモンの「プロゲステロン」「エストロゲン」は、妊娠後期になるとさらに増えていきます。いずれも、赤ちゃんが育ちやすい環境をつくるために重要なホルモンです。
このうち「プロゲステロン」には、眠気を誘発する作用もあることがわかっています。さらに、「エストロゲン」には寝つきを悪くする作用があるといわれているため、うまく寝つけず、睡眠不足の一因となることがあります。
お腹が大きく疲れやすい
妊娠後期の日中に眠気が出る原因として、お腹が大きくなることにより疲れやすくなることがあげられます。
急激にお腹が大きくなることで、肺を圧迫して呼吸がしにくくなったり、心臓に負担がかかったりします。それにより、妊娠後期は少し動くだけでも疲れやすくなります。疲れを回復するために、体は休息を取らせようとするため、昼間の眠気が出やすくなると考えられます。
夜に十分な睡眠がとれない
夜に十分な睡眠がとれずに睡眠不足になることも、日中の眠気に関係します。
妊娠後期には、体調の変化や精神的な影響など、さまざまな要因により夜間の眠りが浅くなります。不眠が続くとその分、日中に眠気が出やすくなります。
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眠いのに十分寝られない原因は?
妊娠後期になり、眠いのに寝られないと感じている方も多いのではないでしょうか。
先述したように、妊娠後期にはさまざまな要因により、睡眠不足に陥りやすくなります。こうした不眠の原因を理解し、できる対処をすることで、眠気解消に役立つ可能性があります。
まずは、妊娠後期にうまく眠れなくなる原因について、説明します。
お腹の張りや胎動、頻尿
妊娠後期、夜にしっかり眠れない原因として、赤ちゃんが大きくなったことによるお腹の張りや胎動、頻尿といった体調の変化があげられます。
大きくなった赤ちゃんは胎動も激しく、胎動によってお腹が張りやすくなってしまったり、胎動そのもので眠りを妨げられてしまったりすることもあるでしょう。また、臨月が近づくにつれてお腹の赤ちゃんが下に降りてくるため、膀胱が圧迫されて頻尿になることも、夜間に目が覚めてしまう原因になります。
妊娠中の頻尿については「頻尿は妊娠初期症状のひとつ?原因と対処法を解説|医師監修」で詳しく解説しているので、参考にしてくださいね。
出産に対する不安やストレス
出産に対する不安やストレスなど、精神的な要因も睡眠に影響します。
ストレスを感じる要因は、出産への不安のほか、思うように動けないことや、パートナーへの不満などさまざまです。ストレスで眠気を感じづらくなったり、考えすぎで頭が冴えてしまったりして眠れなくなっている可能性があります。
つわりや腰痛による体調不良
つわりや腰痛といった体調不良も、不眠の原因となります。
つわりは、妊娠後期にはほとんどの方が落ち着きますが、なかには出産まで後期つわりに苦しむ方もいます。大きく重たくなったお腹の影響で、腰や背中などに痛みが生じ、寝返りのたびに目が覚めてしまう方も少なくありません。
ほかにも、足がムズムズして眠れなかったり、息苦しかったりなど、さまざまなマイナートラブルで眠れなくなる方は多いです。
後期つわりについては「後期つわりに苦しむ妊婦さん必見!症状や対策方法を解説【医師監修】」をご確認ください。
長時間の昼寝
昼間の眠気が強いからと長時間昼寝をすると、夜に眠れなくなってしまいます。
眠気が強いときは無理せず体を休めることが大切ですが、昼に眠りすぎてしまうとまた夜眠れなくなり、その分昼間に眠気が……と、睡眠の悪循環に陥ってしまうので注意が必要です。
昼間に眠気が出てきた時の対処法4選
次に、妊娠後期の昼間に眠気が出てしまった時の対処法を4つご紹介します。無理せず、できることから取り入れてみてくださいね。
短時間の昼寝をする
昼間に眠気がひどく出るときは、無理せず昼寝をすることをおすすめします。
眠気を我慢することはストレスにつながりますし、夜に十分眠れない場合は昼間に睡眠を取ることも必要です。眠気は赤ちゃんからの「休んで」のサインともいわれていますね。
ただし、長時間の昼寝は夜の睡眠を妨げる原因にもなりかねないため、長くても30分ほどを目安にしましょう。
軽い運動や散歩をする
昼寝ができないケースもあると思います。そんなときは、ストレッチなどの軽い運動や散歩がおすすめです。特に、足の大きな筋肉を動かす運動をすることで、ポンプ作用で脳に血流が行き渡り、頭がスッキリしますよ。また、適度な運動をすることで、夜の寝つきもよくなります。
運動は、下記のようにお腹に負担がかからない軽いものがおすすめです。
<妊娠後期におすすめの運動>
- ストレッチ
- マタニティヨガ
- 散歩
- かかと上げ運動
出産後約1か月はほぼ外に出られないため、妊娠中にお出かけして気分転換をしておくこともおすすめです。ただし、臨月に入ったら、外出時は母子手帳を持ち歩き、自宅や出産予定の産院から遠く離れる外出は控えるようにしましょう。
妊娠中にオススメな運動については、「妊婦さんにおすすめの運動は?室内でできる運動も紹介【医師監修】」でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
気分転換をする
お仕事中など、昼寝や運動が難しい方もいるかと思います。職場でもできる気分転換をしてみましょう。
<職場でおすすめの気分転換>
- 誰かと会話をする
- お手洗いにいく
- 軽食をとる
- 空気の入れ替えをする
デスクワークの場合、お手洗いに立ち上がるだけでも気分転換になります。立ち上がったついでに簡単に体を伸ばしたり深呼吸したりして、眠気をとばしましょう。ほかにも、自分がリフレッシュできる方法を探せると良いですね。
食べ物や飲み物を摂取する
食べ物や飲み物をとることも、眠気覚ましになります。
<おすすめの食べ物・飲み物>
- ハッカ入りのガムやアメ
- ノンカフェインの温かい飲み物
眠気覚ましというとコーヒーやエナジードリンクを想像する方も多いと思いますが、これらにはカフェインが含まれています。妊娠中のカフェイン摂取はできるだけ控えましょう。妊娠中のカフェインの摂取については「妊娠中はカフェインを摂り過ぎはNG!妊婦さんに及ぼす影響と対策【管理栄養士監修】」をご覧ください。
眠気以外にも生じる妊娠後期の症状
妊娠後期には、眠気以外にもさまざまな不快な症状があらわれやすくなります。マイナートラブルが生じると、「大丈夫かな?」と不安になるかもしれませんが、多くは出産までの辛抱です。不安なときは主治医やパートナー、友達など周囲の方に相談しながら乗り切っていきましょうね。
以下に、よくある妊娠後期の症状をご紹介します。
疲労感・倦怠感
妊娠後期の体は、赤ちゃんや胎盤、羊水、血液などの重さにより、約8キロの重りを抱えているような状態になります。そのため、体が重く感じ、普段通りに生活するだけでも疲れやすくなります。
妊娠後期の疲労感・倦怠感は症状として仕方がないものですので、無理せず休めるときに休むことが大切です。
動悸・めまい・立ちくらみ
妊娠後期に起こりやすいのが、動機やめまい、立ちくらみ、息切れなどの症状です。これらの症状は、血液循環量の増加により、心臓に負担がかかることで起きやすくなるといわれています。
また、貧血も要因のひとつです。妊娠後期には血液中の水分量が増えて血が薄まり、貧血になります。それにより、めまいや立ちくらみなどを引き起こします。
息切れに関しては、横隔膜が子宮に圧迫されることで、物理的に息がしづらくなることも要因のひとつです。動機などの症状がある方は、鉄分と葉酸を積極的に摂取することで貧血対策にもなり、かつ動悸の症状が緩和するのでおすすめです。
また、立ち上がるときはゆっくり立ち上がるなど、日常の動作をゆっくりとしたペースで行うことで、めまいや立ちくらみが起きにくくなります。
うつの症状
妊娠後期は、ホルモンバランスの変化などにより自律神経のバランスが乱れやすく、うつなどの精神的な症状が出やすくなることがあります。
厚生労働省の資料によると、産前産後の女性のうつ病発症率は10%~30%とかなり高いことがうかがえます。うつ症状まではいかなくても、マタニティーブルーになってしまうケースも多いようです。
ホルモンバランスの変化による精神症状は、自分ではどうしようもないこともあります。対処法として、不安やストレスを感じたら、家族や医師らに早めに相談することをおすすめします。
マタニティーブルーについて詳しく知りたい方は、「産前のマタニティーブルー とは?原因や症状、先輩ママたちの乗り越え方を紹介」をご覧ください。
筋力低下・肥満
妊娠後期は体の重さや痛みなどのマイナートラブルによって、筋力低下や肥満の状態に陥ることが多くあります。
筋力低下や体重の増えすぎは出産の際のリスクが高まるため、軽度の運動や食事の工夫など、できる範囲で対策しましょう。
妊婦さんの体重管理や運動については、「【2022年版・医師監修】妊婦の体重増加の目安とは?体重管理に役立つ運動や食事も紹介」で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
むくみ
むくみも、妊娠後期によくあるつらい症状です。足がむくんでパンパンになり、つらいと感じる方は多いのではないでしょうか。臨月では、体内の血液・水分量の増加や、子宮が大きくなることによる血流の圧迫などが原因で、むくみが生じやすくなります。
むくみの原因と対処法について詳しく知りたい方は、「妊娠後期・臨月のむくみの原因とは?解消法を解説|医師監修」をご覧ください。
妊娠後期を乗り越えるおすすめの過ごし方
最後に、さまざまなマイナートラブルが生じる妊娠後期を乗り越える、おすすめの過ごし方をご紹介します。
無理しない・考えすぎない
妊娠中は精神的・肉体的にも、無理は禁物です。やるべきことがあっても、今だけは「無理をしない、考えすぎない」を徹底しましょう。
出産後は赤ちゃんのお世話でバタバタの日々が続きます。妊娠後期は、出産前に赤ちゃんと一心同体でいられる最高に幸せな期間です。そんな時間を大切に、好きなことをして、ゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。
積極的に周囲の人や便利アイテム・サービスを頼る
妊娠後期は、普通に過ごしたり家事をしたりするだけでも疲れやすくなります。なるべくゆったり過ごしたくても、やるべきことがたくさんあり休めないという方もいるかもしれません。
そんな方は、無理せず家族やパートナーに頼ることが大切です。デリバリーや配食、家事代行などのサービスを活用することも検討してみてください。
たった数か月の特別な期間ですので、自分の体調を優先し、無事に赤ちゃんが生まれてきてくれるまで、無理のないよう過ごしてくださいね。
快眠できる環境を整える
妊娠後期はどうしても夜間の眠りが浅くなりますが、少しでも睡眠の質をあげられるよう工夫をしてみましょう。
<不眠におすすめの対処法>
- ぬるめのお風呂にゆったりつかる
- 寝る前にはスマホを見ない
- 寝る2時間ほど前から照明を暗くする
- 好きな香りのアロマを枕元に置く
ぜひできそうなところから、試してみてください。
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妊娠後期はマイナートラブルが出やすく、夜間の眠りが浅くなり、日中に眠気が出やすくなります。眠気に対処するには、適度な運動や気分転換などが有効ですが、眠い時には無理せず休むことも大切です。出産までもう少し、無理せず妊娠後期を乗り切っていけるといいですね。
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