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医師監修|赤ちゃんのおむつかぶれの原因と主な症状は?予防法も紹介

赤ちゃん

赤ちゃん

2024/5/17

おむつかぶれは、うんちやおしっこによる刺激や、ふき取りの際の刺激によって起きる炎症です。通常は3日~1週間で治りますが、長期間化することもあります。本記事では、おむつかぶれの症状・原因・対処法を分かりやすく解説します。

おむつを使う赤ちゃん

赤ちゃんのおしりが赤くなったり、発疹ができたりした経験がある人は多いのではないでしょうか。赤ちゃんの皮膚はデリケートなため、おむつかぶれは多くの赤ちゃんに見られます。今回は、おむつかぶれについて症状や原因、対処方法、予防法、受診の目安などについて解説します。ぜひ、参考にしてくださいね。

この記事の監修者

日本小児科学会専門医・同指導医、米国小児科専門医、米国小児救急専門医

井上信明先生

日本の医学部を卒業後、日本、アメリカ、オーストラリアにて小児科および小児救急の研修を行う。

おむつかぶれとは?

おむつかぶれは、医学用語で「おむつ皮膚炎」といいます。赤ちゃんの皮膚は薄く、刺激から肌を守る皮膚のバリア機能が弱いため、おっしこやうんちなどの刺激が原因で炎症を起こしやすいです。そのうえ、排泄回数が多かったりおむつを1日中つけていたりで蒸れやすいことも、皮膚トラブルとなる要因の一つです。

しかし、ほとんどのケースは、適切なケアによって、3日~1週間程度で症状がおさまることが多いでしょう。

おむつかぶれの主な症状

皮膚に炎症が起こると、肛門まわりや足の付け根など、おむつが当たる場所が赤くなったり湿疹ができたりします。また、排泄後におしりを拭く際に痛がることが多くなります。かゆみを感じることも多く、機嫌が悪くなったり、しきりにおしりを触るしぐさを見せたりするかもしれません。

赤みが広がり重症化すると、皮膚がむけてただれジュクジュクとしてきます。排泄物がおむつかぶれの部分に触れたり入浴したりするときには、泣いて痛がることもあります。

多くの赤ちゃんが何度も経験する

おむつかぶれは、新生児から生後2歳ぐらいまでの大多数の赤ちゃんが一度は経験するほど発症しやすい皮膚トラブルです。赤ちゃんの皮膚の特性から、親がどんなにケアをしても起こってしまうトラブルといえるでしょう。そのため、赤ちゃんがおむつかぶれになったとしてもケアが悪かったことが理由だとは限りません。過度に自分自身を責めないようにしましょう。大切なのは、適切な予防を行って発症頻度を減らすことです。

下痢の際は特に注意

赤ちゃんが下痢を起こしているときは、うんちの刺激の強さやムレ、少しずつ何度も排泄することから、おむつかぶれとなり悪化しやすくなります。

さらに、下痢便には消化酵素がより多く含まれおり、おしり周辺の皮膚への刺激が強くなるため、こまめなおむつ交換が大切です。

積み重なったおむつ

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おむつかぶれの原因は?

おむつかぶれは、排泄物に触れることや汗、ムレのほかに、おしりふきの成分が刺激になって起こることもあります。おむつかぶれの主な原因について解説します。

おしっこやうんち

赤ちゃんがおしっこをすると、おむつの中がしめって皮膚がふやけます。そのうえ、おしっこやうんちには体内の老廃物などが多く含まれており、赤ちゃんのデリケートな肌にダメージを与えます。

また、尿は皮膚に付着して時間がたつとアルカリ性になり、その刺激が肌にダメージを与えることもわかっており、便に含まれる消化酵素や大腸菌も刺激となりうるのです。下痢をしている場合や便が緩い場合は、消化酵素や水分量も多いため、より刺激を受けやすい傾向です。

汗やムレ

おむつの中は、湿気によって皮膚がふやけて傷つきやすい状態になっています。その状態に排泄物や摩擦による刺激が加わると、皮膚トラブルとなる可能性がより高くなります。

特に、よく動いた後や暑い夏の日には、おむつの中も汗をかきやすく蒸れやすいため要注意です。おむつの中が蒸れた状態が続くと、カビが繁殖して「乳児寄生菌性紅斑」というカンジタ性皮膚炎になることも。おむつかぶれとの見分けが難しいのですが、こまめにおむつ替えをしたりおむつかぶれの薬を使ったりしても長期間治らない場合や、より症状がひどくなる場合は、医療機関を受診しましょう。

摩擦

赤ちゃんの角質は薄く弱いため、少しの摩擦でも肌が傷つき、炎症になりやすいです。そのため、赤ちゃんのおしりを拭くときには、ごしごしと拭かないように注意が必要です。

おしりを拭きすぎることにもよっても皮膚への摩擦が生じて、おむつかぶれを起こすこともあります。刺激が少ないおしりふきで優しく拭き取ったり、温水で流したりするなど、できるだけ皮膚への刺激が少ないようにケアしましょう。

おむつやおしりふきが合わない

おしりふきやおむつが合わない場合、おむつかぶれを起こすことがあります。おしりふきは刺激の少ない成分で作られていることが多いのですが、ときどきおしりふきが肌に合わない赤ちゃんがいます。

おむつも合わないものを使うと、足のギャザーが刺激となり赤く広がったり、おむつの面が当たっている部分が赤くなったりすることがあります。

おむつ替えの様子

おむつかぶれを早く治す方法はある?予防法は?

おむつかぶれの予防法は、薬を塗る以外の対処法とほとんど同じです。適切なケアをすると、おむつかぶれを早く治すことだけでなく、予防にもつながります。ここでは、おむつかぶれを早く治す方法や予防法についてお伝えします。

おむつを早めに取り換える

排泄のたびにおむつ交換をすると、おしっこやうんちの排泄物が肌に触れる時間を短くできるため、皮膚への刺激が少なくなります。ただし、おむつ交換を頻繁に行うと、パパやママ自身へ過剰なストレスとなることがあるため、できる範囲で早めに交換できるといいですね。

拭くときはゴシゴシ強く擦らない

おむつを替えるときには、おしりの汚れを取ろうと強く皮膚を擦るとその刺激でトラブルを起こしやすいため、優しく拭き取るようにしましょう。おしりふきの種類は、柔らかく赤ちゃんの肌に刺激になりにくいものを選べるといいですね。

ぬるま湯で洗い流す

おむつかぶれで皮膚に炎症を起こしているときは、ぬるま湯で洗い流すと肌に優しく清潔にできます。しかし、おしりを洗うときの水も刺激になります。おむつかぶれを起こしているときには、洗う時間をできるだけ短めにして、おしりの皮膚が刺激を受ける時間を減らすようにしましょう。また、水分を拭くときには、ガーゼなどのやわらかい布で優しく押さえるように拭きましょう。

保湿クリームなどで保護する

おむつかぶれを起こしやすい部位には、ベビーオイルや赤ちゃん用のクリーム、ワセリンを使って保湿をして肌を守りましょう。保湿すると皮膚のバリア機能が強化され、おむつかぶれが良くなったり予防になったりします。

ベビーパウダーは、皮膚で固まるとそれが刺激になっておむつかぶれが悪化してしまうことがあるため、使用には注意が必要です。

おむつの種類を見直す

おむつかぶれの対処法や予防として、おむつの種類を見直すことも大切です。おむつのサイズが合っていなかったり、おむつの種類が原因でおむつかぶれが起こったりする場合があります。

たとえば、おむつがきついためギャザー部分の圧迫や皮膚の摩擦によって、かぶれやトラブルを起こすことがあります。そのほか、おむつの通気性、動きやすさ、テープタイプやパンツタイプなど、赤ちゃんに合わせておむつの種類を見直してみることも良い方法です。

うつ伏せになったおむつ姿の赤ちゃん

おむつかぶれで受診すべきケース

おむつかぶれについて、長期間治らない、だんだん広範囲になる、赤みがひどくなりジュクジュクしてくるなどの炎症症状がある場合は、小児科か皮膚科の受診を検討しましょう。症状が悪化すると、痛みが出てくる可能性が高くなり、治るのにも時間がかかります。

長時間治らない場合や、患部からカビのようなにおいがする場合は、カンジダ性皮膚炎という病気の可能性があります。おむつかぶれとは治療方法が異なるため、受診してくださいね。

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おむつかぶれについて症状や原因、対処方法や予防法、受診の目安などについて解説しました。おむつかぶれは、おしりが赤くなって湿疹ができたり、赤ちゃんがおしりふきや入浴時に痛がる様子が見られたりします。

おむつかぶれは赤ちゃんの排泄や皮膚の特性から、親がどんなに気をつけてケアしていても起こることがあります。そのため、できるだけおしりに負担がかからない方法で予防したりケアしたりするといいですね。

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