離乳食はいつから?知っておきたいポイントも解説|小児科医監修
2024/9/20
離乳食の開始は生後5~6か月が目安です。赤ちゃんからのサインや成長に合わせて離乳食を始めるのがおすすめです。始めるタイミングや意識するポイントなど小児科医監修のもと解説します。
離乳食には、母乳やミルクだけでは足りない栄養素を補ったり、口を動かして食べる練習をしたりする役割があります。しかし、「いつから離乳食を始めればいいの?」「何を食べさせればいいの?」と疑問を持っているママやパパも多いのではないでしょうか。
この記事では、小児科医監修のもと、離乳食の開始時期や進め方、注意点など、知っておきたい情報をわかりやすく解説します。赤ちゃんの成長に合わせた食事の大切さや、離乳食に関する疑問についてもお答えしているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者
日本小児科学会専門医・同指導医、米国小児科専門医、米国小児救急専門医
井上信明先生
日本の医学部を卒業後、日本、アメリカ、オーストラリアにて小児科および小児救急の研修を行う。
目次
離乳食はいつから始めるべき?
離乳食を始める目安は、生後5~6か月頃と言われています。この時期の赤ちゃんは、首が座ったり、スプーンを舌で押し出すことがなくなったりするなど、食事ができる体に成長します。そのため、生後5~6か月頃から離乳食を開始することができます。
しかし、離乳食を始める適切なタイミングは赤ちゃんによって異なります。赤ちゃんの成長に合ったタイミングで離乳食を始められると良いですね。
同じ月齢の赤ちゃんが離乳食を始めたと聞くと、焦る気持ちが出てくるかもしれませんが、赤ちゃんの成長をよく観察して、適切なタイミングで離乳食を始めましょう。
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離乳食開始のタイミングは赤ちゃんのサインをチェック
離乳食を始めるタイミングには個人差があります。赤ちゃんに以下のようなサインが現れたら、離乳食開始の合図です。
- 離乳食が開始できるサイン
- 首がすわる
- 寝返りができる
- 哺乳反射(乳首を強く吸ってミルクを飲む反射)が弱まる
- 授乳の間隔が安定した
- 食べ物に興味を持つ
- 唾液の量が増える
- 短時間座っていられる
- 離乳食のスプーンを嫌がらない
離乳食を始めるサインが現れる時期には個人差がありますが、赤ちゃんの成長で気になることがあれば、かかりつけ医への相談を検討しましょう。
初めて離乳食をあげるときに知っておきたいこと
初めて離乳食をあげるときは分からないことが多く、戸惑ってしまうかもしれません。自信を持って離乳食を始められるように、離乳食をあげるときに知っておきたいことを理解しておきましょう。
食べきれなくてもOK!栄養源は母乳やミルク
離乳食は食べきれなくても問題ありません。離乳食は、母乳やミルクと味・食感が違うため、食事に慣れるまで食べてくれないこともあります。
完食できなくても、母乳やミルクで栄養を摂取することができるので、離乳食の摂取量は気にしすぎないようにしましょう。
食事は楽しいと思ってもらうことが大切
離乳食を開始する上で大切なことは、赤ちゃんに食事は楽しいと思ってもらうことです。離乳食を食べる量が少ないからと強引に与えられたり、急がされたりすると食事を楽しいと感じられなくなります。そのため、赤ちゃんと一緒に楽しんで食事をしましょう。
本人のペースで食べさせてあげるなど楽しい雰囲気をつくってあげることが大切です。
離乳食の進め方やスケジュールを段階別に解説
離乳食で与える食べ物と固さは、赤ちゃんの成長に合わせて調整します。離乳食の進め方は「初期」「中期」「後期」「完了期」に分けられます。以下の表を参考に離乳食を進めましょう。
離乳食初期(5~6か月)
生後5~6か月は離乳食初期(ゴックン期)です。1日1回を目安に離乳食を与えましょう。
離乳食初期の赤ちゃんには、ゴクンと飲み込めるポタージュ状のおかゆが適しています。赤ちゃんの様子を見ながら、徐々に水分を減らし、固さを調整しましょう。
離乳食に慣れていないため、少ししか食べないこともよくあります。母乳やミルクを欲しがるだけ与えましょう。
離乳食中期(7~8か月)
生後7~8か月は離乳食中期(モグモグ期)です。1日2回を目安に離乳食を与えましょう。
この時期は、離乳食に慣れてきて、食事のリズムができてきます。豆腐程度の固さであれば、舌で潰して食べることができます。母乳やミルクの量が減って離乳食の量が増えるため、栄養素のバランスを考えてあげましょう。
離乳食中期について詳しくは、「モグモグ期(離乳食中期)はいつ?おすすめの食材・量・レシピを紹介!」の記事も参考にしてみてください。
離乳食後期(9~11か月)
生後9~11か月は離乳食後期(カミカミ期)です。1日3回を目安に離乳食を与えましょう。
離乳食後期になると、ゴックンやモグモグが上手になり、食べられる食材が増えてきます。きちんと食材をモグモグできるようになったら、柔らかいバナナ程度の固さの食べ物も与えてみましょう。
離乳食完了期(12~18か月)
生後12~18か月は離乳食完了期(パクパク期)です。1日3回を目安に離乳食を与えましょう。
離乳食完了期になると、大人と同じような食材が食べられるようになり、食べる量も増えてきます。母乳やミルクの量が減るので、栄養バランスの取れた献立を考えられると良いですね。
離乳食完了期について詳しくは、「離乳食完了期・パクパク期とは?1歳からの進め方や献立例を紹介!」の記事も参考にしてみてください。
離乳食を進めるうえで意識したいポイント
離乳食を進めるうえで意識したいポイントは以下の4つです。
- 赤ちゃんが食べてはいけない食材を知っておく
- 衛生面に十分に注意する
- 母乳やミルクは赤ちゃんが欲しがる分だけあげる
- 初めて与える食材があるときは、病院の診療時間内に離乳食をあげる
これらについて詳しく解説します。
赤ちゃんが食べてはいけない食材を知っておく
離乳食を開始する前に、赤ちゃんが食べてはいけない食材を知っておきましょう。
生後1歳未満の赤ちゃんは腸内環境が整っておらず、病原菌に対する抵抗力が弱いです。そのため、乳児ボツリヌス症や食中毒を引き起こす可能性がある食材は与えないようにしましょう。
- 赤ちゃんが食べてはいけない食材
- はちみつ・黒糖(1歳まで与えない)
- 牛乳(1歳まで与えない)
- 香辛料
- 生の肉・魚・卵・魚卵
- カフェインを含む飲み物
赤ちゃんは代謝機能が未熟なため、大人よりもカフェインの代謝に時間がかかります。カフェインは、直接赤ちゃんに与えていなくても、母乳を通して赤ちゃんに吸収されてしまうので、母乳育児のママは1日のコーヒーの摂取をコーヒーカップ1~2杯程度にとどめておきましょう。
赤ちゃんのはちみつ摂取について詳しくは、「赤ちゃんはいつからはちみつを食べていい?誤って口にした場合の対処法も」をご覧ください。
衛生面に十分注意する
赤ちゃんが感染症を引き起こさないように、調理するときの道具や離乳食を与えるときの食器やスプーン、テーブルなどは衛生的に保ちましょう。赤ちゃんは母親の免疫を受け継いで生まれてきますが、生後6か月頃にはなくなってしまいます。そのため、生後6か月以降は感染症にかかりやすくなるのです。
離乳食を作るときの道具や赤ちゃん用の食器、スプーンなどは、植物性由来の赤ちゃん専用洗剤で洗うのがおすすめです。植物性由来の赤ちゃん専用洗剤は、赤ちゃんが口に入れても害がないように作られています。
また、赤ちゃんの食器やスプーンに油分が付着しないように、なるべく大人の食器と同じスポンジで洗うことは避けましょう。さらに、赤ちゃんが食事中に触ることの多いテーブルやベビーチェアも、清潔にしておくと安心です。
赤ちゃんを食中毒の原因となる菌から守るために、食材は新鮮なものを使用し、十分に加熱してから与えるようにしましょう。
母乳やミルクは赤ちゃんが欲しがる分だけあげる
離乳食を食べた後に、赤ちゃんが母乳やミルクを欲しがる場合は与えても問題ありません。母乳やミルクには、離乳食の消化のサポートや、離乳食で不足している栄養・水分の補給などの役割があります。そのため、母乳やミルクはなるべく離乳食を食べた後に与えましょう。
また、離乳食後期からは、フォローアップミルクを取り入れることができます。フォローアップミルクとは、離乳食で不足している栄養素を補うための補助食品です。
赤ちゃんが上手に離乳食を食べられなかったり、好き嫌いが激しかったりする場合はフォローアップミルクを飲ませることも検討してみましょう。
フォローアップミルクについて詳しくは、「フォローアップミルクはいつから飲ませる?必要性やおすすめ商品4選も紹介」をご覧ください。
初めて与える食材があるときは病院の診療時間内に離乳食をあげる
アレルギー症状が出たらすぐに診察してもらえるように、特に初めて与える食材があるときは、医療機関の診療時間中に離乳食を与えましょう。
赤ちゃんに初めて与える食材は、アレルギー症状が出る可能性があります。そのため、新しい食材に挑戦する場合は、平日の午前中に与えるようにすると安心です。
アレルギーを引き起こしやすい食べ物は除外するのではなく、離乳食の進み具合を見ながら少量ずつ与えましょう。
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一般的に生後5~6か月頃から離乳食を始めますが、個人差があります。首が座ったり、哺乳反射が消えたりなどの変化が見られたら離乳食を始めてみましょう。
大切なことは、赤ちゃんに食事を楽しいと思ってもらうことです。そのため、離乳食を食べたら褒めてあげるなど、お子さんと楽しく食事をしてみてくださいね。
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