多くの共働き夫婦にとって、家事分担は悩みの種ではないでしょうか。
「妻側にばかり家事の負担が偏っている」「もっと自主的に家事をしてほしい」など、夫婦どちらかが不満を抱えているケースも少なくありません。

この記事では、共働き夫婦の家事分担事情や上手に分担をするポイントをご紹介しますので、ぜひお役立てください。

共働き家庭の家事分担事情。一般的な傾向は？

まずは、共働き家庭の家事分担事情をご紹介します。

少し古いデータですが、内閣府が公表した「平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書」によると、多くの共働き世帯では妻側の家事負担が大きい傾向にあることがわかっています。

家事分担の割合について尋ねてみると、「夫：1割、妻：9割」が全体の31.6% 超、次いで「夫：2割、妻：8割」が24.0% 、「夫：3割、妻：7割」が約17.4% という結果になっています。こちらのデータで考えると、共働き世帯全体の7割以上の世帯で妻が7割以上の家事を負担しているということになります。

子どものいる家庭では特に、毎日の家事負担は相当なものですから、仕事と家事の両立でヘトヘトになってしまう女性も多いのではないでしょうか。妻ばかりに負担がかかれば夫婦喧嘩の原因にもなり、夫婦生活にも支障をきたしてしまいます。そのため、現代の共働き家庭では、家事分担が必須といえるでしょう。

共働き家庭の家事分担がうまくいかない原因

共働き世帯で家事分担がうまくいかない場合、主な原因はコミュニケーション不足であることが多いといえます。例えば、妻が「もう少し家事を手伝ってくれたら……」と思っていても、直接言わなければ気づかない男性が多いものです。

また、妻と夫の間の家事における意識に差があることも一因となります。一般的には妻が理想とする家事レベルのほうが高い傾向にあり、夫はそもそも家事の必要性を感じていないことも。また一部の家事を手伝っただけで「十分家事を手伝っている」と認識してしまう男性もいます。

夫婦間のコミュニケーションが足りないと、こうした意識や認識の違いによって片方に不満がたまってしまいます。解決のためには、お互いが思いやりを持ちながら、こまめに話し合っていくことが大切といえるでしょう。スムーズに家事分担を行うための第一歩として、お互いの気持ちを理解する姿勢が大切です。そこで、ここからは妻側と夫側のよくあるイライラをご紹介します。

よくある家事分担に対する妻側のイライラ

共働き家庭の家事分担でよくある妻側の不満を挙げると次のとおり。共感できるという方も多いのではないでしょうか。

・自分の方が家事の負担が大きい
・家事を頼むまで行動しない
・家事のこなし方が雑　
・頼んでもやらない、嫌な顔をする

同じように仕事をしているのに妻にばかり家事の負担が偏れば、不満がでても当然。手伝ってくれても、イヤイヤだったり、家事が雑だったりという場合も多く、結局は自分でやってしまう妻も多いようです。

よくある家事分担に対する夫側のイライラ

続いて、夫側の不満をご紹介します。

・家事の経験がなくやり方がわからない
・家事をしたのにダメ出しをされる

実態として、夫側の家事の分担率は高くありませんが、手伝いたい気持ちのある男性は多いようです。ただ、共働きパパによくあるイライラは、手伝った後に文句を言われること。

男性は家事に慣れていないことも多く、女性と比べると家事が丁寧でないことや効率的でないこともあります。それでも一生懸命がんばったのだから、感謝してほしいというのが人間の心理。ダメ出しばかりされてしまうと、やる気を失ってしまうようです。

うまく家事分担するための３ステップ

家事分担をうまく行うコツは、お互いを思いやりながらベストな分担割合を話し合っていくこと。何も言わずに日々、不満をためるのではなく、お互いが歩み寄って解決策を模索していくことが大切です。

そこで、うまく家事分担をするための3ステップをご紹介します。

1.するべき家事や育児をリストアップする

スムーズな家事分担を行うため、するべき家事や育児をリストアップしましょう。家事タスクが「見える化」されることで夫側が認識していない小さな家事や、負担の大きさも伝えられます。

リストアップが大変な場合は、「この家事をやってほしい」と感じたときにメモをつけていく方法もおすすめ。本当にやってほしいことをお願いすることで、不満は解消されやすくなります。

リストアップが済んだら、毎日行う家事と定期的に行う家事で項目分けし、相手にやってもらいたいことを優先順位で整理しましょう。

なお、家事の中には「必ずしもやらなくてもいい家事」もあります。例えば、「毎日やるべき」と思い込んでいたり、こだわりでやっていたりする家事です。家事の必要性を再考するのも上手な家事分担のコツです。

2.得手不得手を考慮して担当者を決める

家事の分担は、得意・不得意を考慮して決めるといいでしょう。分担割合をきっちり半分に分けるよりも、それぞれが得意な家事を負担したほうが、不満がでにくくなります。

また、こだわりがある家事を他の人に頼むと、どうしても文句が出やすいもの。「床掃除は床拭きまできちんとやりたい」など、家事に対するこだわりがある場合は、その人自身が担当すると円満に納まります。

お互いに苦手な家事については、「出勤が遅い方がゴミ出しをする」など、仕事の都合や動きやすい時間帯を考慮して決めたり、隔週担当にしたりするのもありでしょう。

なお、資金に余裕がある家庭であれば、思い切って家事代行を頼むのも手です。コストはかかりますが、今まで家事にとられていた時間を、家族との時間にあてられます。

3.まずは休日の家事分担から始めてみる

家事分担が決まったら、まずは休日だけ担当してもらうなど、段階的に進めていきましょう。

仕事の新人と同じで、初めは勝手がわからず失敗もするもの。やる気につなげるには成功体験を積み重ねることが大切ですから、初めから完璧を求めすぎず、できそうな家事からお願いしてみましょう。

どんな出来映えでもまずは「感謝」を伝えることが、長続きのコツです。任せるときは思い切ってすべてを任せるようにしてくださいね。

あなたと一緒で、仕事と慣れない家事の両立はご主人も大変なはず。感謝を伝えながら、少しずつお願いする家事を増やしていきましょう。

夫婦円満に家事分担するポイント

いざ家事分担の話し合いをしようと思っても、話し合いの段階でケンカになってしまわないか心配な方もいるかと思います。そこで、夫婦円満に家事分担の話し合いをするポイントをご紹介します。

話し合いの時は感情的にならない

ひとつめのポイントとして、話し合いの際は、感情的にならないように気をつけましょう。不満がたまって心に余裕がないと、どうしても相手を責めたくなってしまいますが、それでは穏便な話し合いはできません。

お互いの話をよく聞き、どんな言い分も否定したり口を挟んだりせず受け止めましょう。言いたいことをリストアップしておくと、冷静に話せます。

妻と夫といえ、もとはまったく違う環境で育った他人ですから、価値観も異なります。お互いに思いやりの気持ちを忘れないよう、家事を頼むときも、感謝の気持ちをしっかり伝えられるといいですね。

自分で譲歩できるラインを考えておく

ふたつめのポイントは、家事のこだわりにおいて譲歩できるラインを考えておくことです。「この家事は完璧にやりたい」というこだわりは、相手や自分の家事負担の原因になることがあるためです。

例えば、これまでは毎日、手作りの料理にこだわっていたかもしれませんが、たまには惣菜で済ませたり、時短につながる家電に頼ったりすることでも家事の負担は減らせます。

自分の譲れないポイントや譲ってもよいポイントを考え、お互いに思いやりを持った話し合いを心がけることで、理想を押し付けずに家事分担できるようになりますよ。

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家事を楽にしたいなら、便利な時短家電に頼ることもひとつです。

例えば、食洗機を導入すれば皿洗いの時間を大幅に減らせますし、ルンバなどのお掃除ロボットは毎日の掃除の手間を減らしてくれます。

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共働き家庭にとって、家事分担をどう話し合うかは大きな課題ですよね。あまりにも家事の負担が大きいと、好きだったはずのご主人を嫌いになってしまったり、お子さんのかわいい時期を見逃してしまったりすることにもなりかねません。

自分自身のため、お子さんや家族のためにも、上手に家事分担をして、笑顔のあふれる幸せな家庭をめざしていってくださいね。

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