出産祝いなどにいただく機会の多い「歯固め」。
おもちゃを握れるようになる生後6か月ごろが使い始めの目安とされていますが、実際どのタイミングでどのように遊ぶものなのか、分からないまま与えているという親御さんも多いのではないでしょうか？
そこで今回「歯固め」について、その必要性や使い始めのサイン、遊び方、注意点などを歯科的見解も含めてご紹介します。最後におすすめの商品もいくつかご案内しますので、ぜひご参考にしてくださいね。

歯固めとは？なぜ必要なの？

歯固めは本来、お食い初めのときに「歯が丈夫で長持ちしますように」との願いを込めて添える「歯固め石」が起源です。最近では身体に優しい素材で、赤ちゃんが握りやすい形状になっているおもちゃとして販売されていることが多く、出産祝いなどで贈られることも多いでしょう。

赤ちゃんの歯が生え始めるムズムズ感である「歯ぐずり」を、噛むことで解消してくれる効果があるのはご存じの方も多いと思いますが、実はお口の成長にも大きく役立つアイテムです。例えば食物を噛む練習はもちろん、粘膜や歯ぐきが刺激されることで筋機能の発達や顎の成長を促す効果も期待できます。
また、自分の手で握ってお口へ運ぶという一連の動作は、歯が生えてからの「歯磨き」をスムーズに進められるという効果もあります。

注意してほしいのは、「歯固め」と「おしゃぶり」とは混同されがちですが、利用目的が違うということです。おしゃぶりは「吸う」というお口の運動を促しますが、歯固めは「噛む」という機能を促すもので、それぞれ作用が異なりますので、目的に合わせて選んでください。

■歯固めを使用するメリット

歯固めのアイテムを取り入れることで、得られるメリットは次の通りです。

・歯ぐずりを解消できる
乳歯が生えるころになると、不快感から赤ちゃんの機嫌が悪くなることがありますが、歯固めを噛むことがストレスの解消につながり、落ち着く子も多いです。歯ぐずりの時期を乗り越えるための心強いアイテムとなります。

・噛む練習になる
赤ちゃんが顎を「モグモグ」と動かし、舌で食物を喉の奥へ運んで「ゴックン」と飲み込むまでの一連の動作を、歯固めで練習することができます。

・乳歯や顎の成長を促す
歯固めを噛むことで粘膜が適度に刺激され、乳歯がスムーズに生える手助けになります。また、顎やお口周辺の筋機能が発達するので、しっかりと噛み、発音できるお口になります。

・脳の活性化を促す
「噛む」という動作は、脳の中のさまざまな部分を活性化させ、集中力や意欲を高める効果があるといわれています。歯固めを噛むことで、お子さんの成長にも良い刺激を与えることができます。

・歯固めを使わないとどうなるのか
実は生後すぐから10歳ごろまでの顎の成長が、大人になるころの顎の形状を司るとも言われています。早いうちから顎やお口の成長を促すことが、永久歯の歯並びをきれいに整えることにも繋がります。ぜひ早い時期から歯固めを与えてあげてください。


参考：倉松歯科医院（大阪府大阪市）「顎の発達」より

歯固めはいつからいつまで使うの？

歯固めが必要な期間はいつなのか、いつやめさせるべきなのか、迷う方もいらっしゃるでしょう。
始める時期は乳歯が生え始める前、手におもちゃを握れるようになる生後6か月ごろが目安です。
やめる時期は、歯ぐずりが解消される1歳ごろまでを目安にしてください。ただし無理に外したりせず、赤ちゃんが必要としなくなるまでは使わせてあげてかまいません。

■歯固めを使い始めるサイン

歯ぐきが膨らみ、白く硬いものが見え始めたら、もうすぐ乳歯が生えるサインです。このタイミングで歯固めを使い始めてみてください。
ただし、先ほどもご説明したとおり、使い始める月齢や年齢は、あくまでも目安です。歯が生えていなくても、例えば以下のようなサインをお子さんが出していれば、歯固めを与えてあげましょう。

・ 他に原因もなくなぜか機嫌が悪い
・ タオルやおもちゃを良く噛んでいる
・ 以前に比べてよだれの量が増えた
・ おっぱいやミルクをあまり飲まなくなってきた

実は早い時期から歯固めを使用することで得られるメリットもあります。
例えば、歯固めを使うことで、お口にたくさんの刺激を受けることで、食事や歯磨きへの抵抗を減らせ、お口の成長を促すことにもつながります。ぜひ歯固めを活用してあげてください。

歯固めをやめるサイン

歯固めのやめどきを知らせるサインは特にありません。
成長には個人差がありますので、赤ちゃんが必要としなくなったタイミングをやめ時と捉えるとよいでしょう。無理に取り上げるとストレスになってしまうこともありますので気を付けてください。

顎の形状を司る成長は生後～3歳ごろまでといわれていて、歯固めを噛むことがお口周辺を動かす運動にもつながります。
咬みちぎったり、誤飲をしたりしないように十分注意していただき、使いたいだけ使わせてあげてくださいね。

歯固めの選び方と注意点

歯固めはさまざまな素材や形状のものが市販されています。お子さんのお口に直接入れるものですから、どんなものを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。
最適な歯固めの選び方や注意点などをまとめましたので、ぜひご活用ください。

■赤ちゃんに優しい「素材」

シリコンや天然ゴムなどの安全性の高い素材や、天然木やお米を使った素材など、体に優しい素材を選びましょう。壊れやすいプラスティック、塩化ビニール製のものなどは、赤ちゃんの安全性を考えると避けたい素材です。お口に入れるものだからこそ、身体に優しく安全なものを選んであげてくださいね。

■赤ちゃんが持ちやすく安全な「形状」

歯固めは自分で持ってお口に運ぶものですので、持ちやすさも重要です。
嚙みやすく、誤飲を防げて粘膜を傷つけない形状。そして、耐久性のあるものを選んであげましょう。
日々使っていると劣化することもありますので、定期的に安全であるか確認してあげてくださいね。

■お手入れしやすく「清潔」に保てるもの

赤ちゃんは、つかんだ物を落としたり、拾ってまたお口に運んだりします。免疫力が弱い時期ですから、できるだけ清潔に保てるものを与えてあげましょう。
煮沸消毒や洗浄、丸洗いのできない素材などは避けましょう。煮沸消毒・薬液消毒・電子レンジを使った消毒のいずれかに適応できるものがおすすめです。

おすすめの歯固め

ここでは、おすすめの歯固めをご紹介します。

・木製の歯固め（日本製）
日本製の木や身体に安全な塗料を使った安心・安全な木製ラトル。握って遊びながら歯固めとして使えるおもちゃです。

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・クリップ付きの歯固めホルダー
クリップ付きの歯固めです。クリップを外せば、おしゃぶりホルダーやおもちゃホルダー、帽子・タオルクリップなど多用途に使えます。

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・オーガニック素材の歯固め
可愛いぬいぐるみがラトルになったおもちゃ。握る・振るなどして遊んだり、お口に入れたりしても安心なオーガニック素材です。

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・シリコン製の歯固め
柔らかいので赤ちゃんが握ったり噛んだりしやすいのが特徴。また、水洗いやアルコール除菌が簡単にできるので清潔に保てます。

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・お米の歯固め
お米51％を含む樹脂でできた赤ちゃん用のおもちゃ。素材が「お米」ということと、純国産性という安心感のある歯固めです。

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・バナナ型の歯固め
熱可塑性エラストマー素材でできた、お口の中を優しく刺激するように設計された歯固め。誤飲や喉突き防止のための形状をしているので安心です。

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色々な素材や形状がありますので、ぜひ、お子さんのお気に入りの一品を探してみてくださいね。

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歯固めは赤ちゃんにとって初めてのおもちゃになることも多く、歯ぐずりや脳の活性化、お口の成長にとって良い効果を与えてくれます。だからこそ、赤ちゃんにとって「良い素材」のものを選んであげましょう。

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