安定期に入り、安産祈願のお参りを楽しみにしているママやパパが多いのではないでしょうか。神社でご祈祷をける場合、そのお礼として初穂料を用意する必要があります。初穂料にはいくつかマナーがあるため、事前にのし袋の書き方や金額などを確認することが大切です。

そこでこの記事では、安産祈願の初穂料のルールやマナーなどをまとめています。

安産祈願の初穂料とは？玉串料との違い

初穂料とは、神社でのご祈祷に対してお供えする祈祷料のことです。ご祈祷を受けない通常の参拝の場合は、お賽銭になります。

初穂料の始まりは、古くから日本で行われてきた「その年に収穫した稲穂を神様にお供えする習慣」からだと言われています。

安産祈願の初穂料とは、安産祈願のお参りの際に払う祈祷料のことです。安産祈願は通常安定期に入る妊娠5か月目の最初の戌の日に行われ、当日は、祈祷のお礼として当日は、ご祈祷のお礼として神様にお供えする「初穂料」や「玉串料」を準備します。ここで注意したいのが、初穂料は神社でのみ使用できるという点です。お寺や寺院でご祈祷する場合は、「お布施」や「御祈祷料」となるため、間違えないように注意しましょう。なぜ安産祈願を「戌の日」に行うかについてもこの後、解説します。

安産祈願で必要な持ち物や人気の神社は「安産祈願はいつ行うべき？持ち物や予算、人気の神社についても紹介！ 」の記事でご紹介しています。
なお、妊娠報告するタイミングについては「妊娠報告、いつ＆どう伝える？会社や上司、旦那、両親、友達へのタイミング」にて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

初穂とは？

初穂とは、その年「初」めての稲「穂」という意味で呼ばれたのがはじまりです。やがて初穂といえば神様にお供えするものという考えが広まり、現在では神様にお供えするお金のことを初穂料と呼ぶようになりました。

初穂料は、安産祈願以外にもお宮参りや七五三でも使用します。
七五三の初穂料の相場や注意点は、「七五三の初穂料とは？初穂料の相場やのし袋の書き方・包み方について解説」で紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

玉串料との違いは？

初穂料と同じく、ご祈祷の謝礼として「玉串料」を納めることがあります。
初穂料と玉串料の大きな違いは、慶事のみに使用する初穂料と異なり、玉串料は慶事と弔事どちらでも使えることです。そのため、慶事である安産祈願ではどちらを使用しても問題ありません。ただ、お祝い事のイメージが強い「初穂料」を使用する方が多いようです。

玉串とは、榊（さかき）の枝に紙垂（しで）と呼ばれる特殊な裁ち方をした紙をつけたもののことです。玉串は、もともとお米やお酒などの神様のお食事と一緒にお供えするものでしたが、現在では玉串をお供えする代わりに「玉串料」としてお金が納められるようになりました。

「戌の日」に安産祈願を行う理由とは？

戌（＝犬）はお産が軽く、一度にたくさん子犬を産むことから安産の象徴とされてきました。そこで、安定期に入る妊娠5か月目の最初の戌の日に、母子ともに無事に出産できるようにとお参りする「戌の日の参り」が慣習となっています。

多くの神社では随時、安産祈願などのご祈祷を受け付けていますが、予約が必要な神社もあります。また、安産祈願で有名な神社や、戌の日と大安が重なるタイミングなどは、参拝者で混み合い、祈祷まで長時間待機しなくてはいけないことも。体調を崩しては本末転倒ですので、事前に予約しておくと安心です。

安産祈願の初穂料はいくらが相場？誰が払う？

安産祈願の際、いざ初穂料を用意しようと思っても、いくら包めばよいのか悩みますよね。また、ご夫婦だけでなく、両家のご両親も一緒にお参りする場合、誰が初穂料を用意するか迷うこともあるでしょう。

ここでは初穂料の相場や支払う人、初穂料を神社の方に渡すタイミングについて解説します。赤ちゃんが生まれたあとに行う、お宮参りの際にも参考にもしてください。

安産祈願の初穂料の相場は5,000円

一般的に、安産祈願の初穂料の相場は5,000円程度です。もし、祈祷後にお札やお守り、腹帯などの贈与物をいただく場合は、1万円程度用意します。贈与物があるかどうかについては、ホームページなどで確認しましょう。
ご両親も一緒にお参りする場合など人数が増えるときは、1万円以上納めることもあります。ご夫婦だけではなく、両家の両親などとお参りする場合は、念の為参拝先に確認すると安心です。

なかには、初穂料の金額が決まっている神社やお寺もあります。ホームページや電話で事前に確認しましょう。電話で確かめる場合は「安産祈願の初穂料はいくら納めればいいでしょう？」と聞けば問題ありません。

また、「初穂料はお札1枚にした方がよい」といわれることもあります。絶対ではありませんが1,000円札を5枚、10枚用意するのではなく、5,000円札や1万円札を用意できるとなおいいですね。

安産祈願の初穂料は両親が払うのが基本

安産祈願の初穂料は、お腹の子のママとパパが支払うことが多いようです。しかし、初穂料を支払う人というのは決まっていません。両家の両親が「支払いたい」と言ってくれたら、お願いしてよいでしょう。

大切なのは、お参り当日に慌てたり揉めたりすることがないよう、事前に相談して決めておくことです。例えば、父方の両親が初穂料を負担してくれたら、母方の両親がその後の食事会の支払いをするなど、臨機応変に対応しましょう。

それぞれの想いや考えがあると思いますので、なるべくみんながよい気持ちでお参りできるようにママやパパがうまく調節できるといいですね。

初穂料は受付の際に渡す

初穂料は、祈祷受付のタイミングで渡しましょう。
流れとしては、神社を訪れたらまず社務所などの受付で安産祈願の祈祷を受けたいことを伝えます。そうすると、申し込み用紙などを渡されるので受け取り、記入します。この申し込み用紙を神社の方に渡す際に、初穂料を納めるのが一般的です。

このときに「初穂料です、お供えください」と言葉を添えるとより丁寧な印象を与えられます。

初穂料はのし袋や封筒に包むべき？マナーを解説！

普段あまり使うことのないのし袋をどのように扱えばよいのでしょうか。ここではのし袋の扱いや包むお札について詳しく解説します。

初穂料はのし袋や封筒に包むのがマナー

初穂料は神様にお供えするものですので、その場でお財布からお金を直接出すのはNG。初穂料は事前に準備しておき、のし袋や白い封筒などに包んで渡すのがマナーです。のし袋に入れて袱紗(ふくさ)で包むとより丁寧でいいでしょう。

袱紗(ふくさ)とはのし袋を汚さないためと、謹んでお渡しするという気持ちを込めて使うもので、絹やちりめんでできた四角い布のことです。必須ではありませんが、手元にあるようなら利用するのがベターです。また、初穂料を渡すときには袱紗(ふくさ)から袋を取り出すことを忘れないようにしましょう。

のし袋の種類はシーンに合わせて選ぶ

安産祈願や結婚式などの使用するシーンや、包む金額に応じて適切なのし袋は変わります。

水引の種類は大きく分けて、「蝶結び」「結び切り」「あわび結び」の3つです。また、水引の色や本数は、シーンによって使い分けます。

基本的に安産祈願では、水引きが紅白の蝶結びになっているものを選びます。蝶結びは何度も結び直せることから、何度あってもよいお祝いごとのときには蝶結びの水引きを使うのです。

また、金額が1万円以下であれば水引が印刷されているタイプのものでも問題ありませんが、1万円以上の場合は水引が装飾されたのし袋を使用します。5万円以上など高額になる場合は大判ののし袋を使うなど、袋と中身のバランスが取れるデザインを選ぶことも大切です。

のし袋は、文房具店のほかコンビニや100円ショップなどで用意することができます。書き損じに備えて、多めに買っておくと安心です。

以下、のし袋の選び方を紹介しているので参考にしてください。

●安産祈願の場合
【表書きの例】御初穂料、御玉串料
【水引の種類】蝶結び、あわび結び
【水引の色】紅白、金銀
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】有

●結婚式の場合
【表書きの例】寿、御結婚御祝
【水引の種類】結び切り、あわび結び
【水引の色】紅白、金銀
【水引の本数】10本
【熨斗の有無】有

●お宮参りの場合
【表書きの例】御初穂料、御玉串料
【水引の種類】蝶結び、あわび結び
【水引の色】紅白、金銀
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】有

●七五三の場合
【表書きの例】御初穂料、御玉串料
【水引の種類】蝶結び、あわび結び
【水引の色】紅白、金銀
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】有

●陣中見舞いの場合
【表書きの例】陣中御見舞、祈念御健闘
【水引の種類】蝶結び
【水引の色】紅白
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】有

●お見舞いの場合
【表書きの例】お見舞い
【水引の種類】結び切り、あわび結び
【水引の色】紅白
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】有

●快気祝いの場合
【表書きの例】快気祝い
【水引の種類】結び切り
【水引の色】紅白
【水引の本数】5本
【熨斗の有無】無

●香典の場合
【表書きの例】御霊前
御香典
【水引の種類】結び切り、あわび結び
【水引の色】黒白、双銀
【水引の本数】4本
【熨斗の有無】無

上の表で解説した内容は、地域によって異なる場合があります。心配な方は、両親や参拝先に確認するといいでしょう。

初穂料のお札は新札でなくても大丈夫

初穂料は新札でなければいけないということはありません。しかし「この日のために用意をしてきました」という気持ちを表すために、新札、もしくはきれいなお札を用意するのがベター。余裕がない場合は手持ちのお金からきれいなものを選びましょう。

お札の入れ方は、のし袋に入れるときも封筒に入れるときも基本的に同じです。お札を入れるときは袋の表とお札の表面（肖像画が描かれている面）を合わせ、肖像画が最初に出る向きにして入れるのがマナーです。

のし袋の正しい書き方！「中袋がないのし袋」の書き方も

のし袋とお札を用意したら表書きと中袋に必要なことを書きましょう。書き方は型が決まっているのでその通りに書けば失敗ありません。のし袋の表書きの書き方を詳しく解説します。

のし袋の正しい書き方

のし袋は、表書きも中袋も毛筆を使い楷書で文字を書くのが基本です。ただ慣れない人には扱いが難しいため、筆ペンを使ってもいいでしょう。ボールペンや万年筆、カラーペンなどはマナーに反するので避けてくださいね。

のし袋の外袋は水引きを境に上半分を上段、下半分を下段とすると、上段には何のためのお金かということを書きます。戌の日のお参りであれば「初穂料」または「御初穂料」と書きましょう。ただし、上記でも記載した通り「初穂料」と記載するのは神社のみです。お寺や寺院でご祈祷を受ける場合の表書きは「お布施」や「御祈祷料」と記載しましょう。表書き以外の書き方は、神社とお寺で同様です。

下段には、お金を納める人の名前を書きます。夫婦連名の場合はフルネームで、中央右寄りにパパのフルネーム、左側にママの名前を並べて書くようにしてください。フルネームではなく姓だけを書いてもかまいません。そのときは下段の中央に書きます。上段の文字はやや大きく、下段の文字はやや小さく書くように気をつけましょう。

のし袋の中袋の封筒の表面中央には、「金◯◯円」と納める金額を書きます。このとき「壱（一）」「弐（ニ）」「参（三）」「伍（五）」「阡（千）」「萬（万）」のように、大字と呼ばれる漢字を使うのが基本です。金額を後から書き換えるなど不正がないように、習慣的にこのような難しい漢字が使われています。

そして裏面には住所を書きます。裏面の左下に縦書きで書きましょう。

中袋がないのし袋の書き方

水引きを境に上半分を上段、下半分を下段とすると、上段には何のためのお金かということを書きます。戌の日のお参りであれば「初穂料」または「御初穂料」と書きましょう。

下段にはお金を納める人の名前を書きます。夫婦連名の場合はフルネームで、中央右寄りにパパのフルネーム、左側にママの名前を並べて書くようにしてください。フルネームではなく姓だけを書いてもかまいません。そのときは下段の中央に書きます。上段の文字はやや大きく、下段の文字はやや小さく書くように気をつけましょう。

封筒の裏面には供える金額と住所を書きます。封筒の左下に左が住所、右が金額となるようにそろえて書きます。このときも「壱（一）」「弐（ニ）」「参（三）」「伍（五）」「阡（千）」「萬（万）」のように大字と呼ばれる漢字を使うようにしましょう。

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安産祈願の戌の日参りというキーワードは知っていても、いざ自分がお参りするとなるとわからないこと、迷うことがあると思います。相手に敬意を払うという意味でおさえたいマナーはありますが、あまり難しく考えなくても大丈夫。ママとお腹の中の赤ちゃんが健やかでいることが一番大切です。戌の日参りがすてきな1日になるといいですね。

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