医師監修|妊娠中、飛行機に乗れるのはいつからいつまで?妊婦や赤ちゃんへの影響を解説!
2026/7/31
妊娠中に飛行機に乗る際、妊婦や赤ちゃんへの影響、安全に乗れる時期、航空会社ごとの搭乗条件や診断書の提出時期を医師監修のもと解説。持ち物リストや機内で受けられるサービスも紹介しています。

妊娠中、飛行機に乗っても大丈夫なのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?安心して空の旅をするためにも、妊娠中の旅行に適している時期や、航空会社別の搭乗条件・診断書が必要な時期、飛行機に乗る際のポイントや持ち物、航空会社で受けられるサービスをご紹介します。
航空会社ごとの搭乗条件や診断書が必要になる時期も具体的にまとめているので、出張や里帰り出産などで飛行機を利用する予定がある方は、あわせて確認しておきましょう。
※本記事の内容は2026年6月時点の情報です。搭乗条件や診断書の要否は航空会社や路線によって異なり、規定が変更される場合もあるため、最新情報は必ず利用する航空会社の公式サイトでご確認ください。
この記事の監修者

コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
妊娠中に飛行機に乗っても大丈夫?
妊娠中に飛行機に乗ることは一般に「体調が安定していれば問題ない」といわれています。ただし、「体調が安定している」とはどのような状態なのか、判断に迷う方もいるかもしれません。
妊娠週数や妊婦さんの健康状態によって飛行機搭乗のリスクは異なるため、搭乗前に主治医へ相談しておくと安心です。飛行機移動による母体や赤ちゃんへの影響、切迫早産のリスクの有無などを確認し、必要に応じて注意点や対策についてアドバイスを受けましょう。
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妊娠中に飛行機で旅行できる時期はいつからいつまで?
妊娠中に飛行機に乗る場合、搭乗に適した時期はあるのでしょうか。妊娠期間は、妊娠初期・中期・後期の3つに分けられます。それぞれの時期によって体調や飛行機搭乗時の注意点が異なるため、順に見ていきましょう。
最も旅行に適している時期は「妊娠中期」
妊娠中に飛行機に乗るなら、妊娠12週〜28週ごろにあたる妊娠中期がベストです。
妊娠中期は、一般に「安定期」と呼ばれており、妊娠初期に比べて流産のリスクが下がり、つわりも落ち着いてくる時期とされています。お腹もまだ大きくなりすぎていないため、移動による負担も比較的少なく、旅先での食事も楽しめる場合が多いでしょう。
ただし、妊娠中期だからといってすべての方に飛行機の搭乗がおすすめできるわけではありません。つわりが続いていたり体調が優れなかったりする場合は、無理に出かけるのはできるだけ避けましょう。また、妊娠中期であっても医師から安静指示が出ている場合は、指示に従うようにしてください。
妊娠中期はあくまでも「飛行機に乗りやすい時期」であり、「誰でも飛行機に乗れる安全な時期」というわけではない点に注意しましょう。
なお、妊娠中の車の運転に関しては以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

妊娠初期はつわりや体調の変化に要注意
妊娠初期は、個人差はありますが、多くの方がつわりを経験する時期です。搭乗中に体調を崩す可能性が高いため、飛行機に乗る場合は事前によく医師に相談しましょう。
機内では、機内食や人のにおいなどが混ざり、つわりの吐き気が増してしまうことも考えられます。また、飛行機に乗ることや遠出に限らず、妊娠12週までは、流産のリスクが高い期間です。そのため、妊娠初期は遠出を控えた方が良いと考える場合もあります。
つわりの症状について不安がある方は以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
妊娠後期は遠出を控えるのが安心
妊娠後期は、身体の負担が大きくなる時期でもあり、遠出には適さないと考えられています。エコノミークラス症候群にもなりやすい時期なので注意しましょう。エコノミークラス症候群とは、長時間座っていることで血栓ができ、血栓が肺の静脈を詰まらせてしまうものです。妊娠後期はお腹も大きくなっており、血流が悪くなりやすい時期のため、エコノミークラス症候群のリスクが上がってしまいます。
妊娠後期にどうしても飛行機に乗る必要がある場合は、できるだけ早めの時期に予定を済ませておくと安心です。多くの航空会社では、出産予定日が近づくにつれて診断書の提出や医師の同伴が必要になるなど、搭乗の条件が厳しくなります。具体的な時期や必要書類は航空会社ごとに異なるため、次の見出しで詳しく解説します。
【航空会社別】妊娠中の搭乗条件・診断書が必要な時期
妊娠後期に飛行機を利用する場合、出産予定日からの日数に応じて診断書や医師の同伴が必要になることがあります。ここでは、航空会社別の以下の搭乗条件を詳しく解説します。
搭乗の基本ルール(出産予定日からの日数で判断)
航空会社の搭乗条件は、妊娠週数ではなく出産予定日からの日数で判断されるのが基本です。
多くの航空会社では、出産予定日を含め28日以内の搭乗の場合、医師の診断書が必要になることが共通のベースルールとなっています。これより出産予定日が近づくと、診断書に加えて医師の同伴が求められる場合もあります。具体的な日数や診断書の書式、提出方法は航空会社ごとに異なるため、搭乗予定の航空会社の公式サイトで事前に確認しておくことがおすすめです。
国内線(ANA・JAL)の診断書が必要な時期
ANA・JALの国内線では、出産予定日を含め28日以内の搭乗で診断書が、7日以内の搭乗では診断書に加えて医師の同伴が必要となります。
国内線を利用する場合、出産予定日まで7日を切ると医師の同伴が必須になる点に注意しましょう。
国際線(ANA・JAL)の診断書が必要な時期
ANA・JALの国際線では、出産予定日を含め28日以内の搭乗で診断書が、14日以内の搭乗では診断書に加えて医師の同伴が必要となります。国内線よりも同伴が必要となる期間が長い点に注意しましょう。
国際線は機内での滞在時間が長くなる場合も多いため、早めに主治医へ相談し、必要書類の準備を進めておくと安心です。
LCC(Peach・Jetstarなど)の搭乗条件
LCC(格安航空会社)は、フルサービスキャリアと搭乗条件が異なる場合があるため注意が必要です。
- Peach:出産予定日を含め28日以内の搭乗では、診断書・同意書の事前提出が必要
- Jetstar:国際線は妊娠29週以降、国内線は妊娠36週以降の搭乗で診断書の携帯が必要
このように、LCC各社は基準となる時期や提出方法がそれぞれ異なります。搭乗を予定している場合は、事前に利用するLCCの公式サイトで最新の規定を確認しておきましょう。
妊娠中の飛行機のリスクは?赤ちゃんへの影響はある?
妊娠中に飛行機を利用すると何かリスクはあるのか気になりますよね。ここでは赤ちゃんと妊婦さんへのそれぞれのリスクについてみていきましょう。
赤ちゃんのリスク
最も気になるのは、赤ちゃんへのリスクではないでしょうか。基本的に妊娠中に数回飛行機に乗る程度であれば、赤ちゃんへの影響はありません。「飛行機に乗る前の検査で金属探知機のゲートを通るのが心配」「上空での放射線の濃度が心配」と思うかもしれませんが、赤ちゃんへの影響はありません。
地上よりも上空では放射線濃度が高くなりやすいものの、「人体に影響しない程度の量」と考えられています。胎児に影響が出るほどの量ではないため、安心してください。また、金属探知機のゲートから放射線は照射されていないので、こちらも胎児への影響はありません。

妊婦さんのリスク
では、妊婦さんにはどのようなリスクがあるのでしょうか。妊婦さんに生じるリスクについて、予防法や対策をあわせて説明します。
まず1つ目は、エコノミークラス症候群です。足の血流が悪くなることで静脈に血の塊ができ、さまざまな症状につながるものです。血栓とよばれる血の塊が、血液と一緒に体内をめぐって血管を塞いでしまうことで、呼吸困難や胸の痛みなどの症状が生じる場合があります。長時間同じ体勢でいることで発症しやすくなるものですが、妊娠初期から産後にかけて、一般の方よりもエコノミークラス症候群を発症しやすいのです。
妊娠中に飛行機を利用するリスクの2つ目として、一過性低血圧が挙げられます。これは搭乗中に限る話ではありませんが、特に妊娠初期はめまいや立ちくらみなどの症状が出る方も多いです。急に気圧が下がることで一時的に症状が酷くなったり、吐き気を伴ったりする場合もあります。低血圧の予防のためにもしっかり水分補給をおこないましょう。
また、妊娠中は寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりするものです。もし海外に旅行する場合は、時差に慣れるまでに時間がかかることを考慮し、余裕をもった旅行計画を立てるようにしましょう。
妊娠中に飛行機に乗る際のポイント
妊娠中でも飛行機に乗ってはいけないということはありませんが、乗る際はいくつか意識しておきたいことがあります。
血液塞栓やエコノミークラス症候群を予防するために、水分をこまめにとったり搭乗中に軽くストレッチをしたりすることが大切です。では、具体的にどのような点を意識すればよいのか、ここでは3つのポイントを紹介します。
水分をこまめにとる
飛行機に乗っている間は、こまめに水分補給をしましょう。数時間のフライトなどでは、トイレに立つことを気にして水分を控える方もいるかもしれません。
エコノミークラス症候群を予防するために水分摂取は重要なことです。カフェインは利尿作用があるため、コーヒーや紅茶は避け、なるべく水を飲むようにしてください。
軽いストレッチをする
マッサージやストレッチをしたり、一時間おきに席を立ったりして足を動かし、血流を良くすることを意識しましょう。ほかにも、足に圧をかけてくれる着圧ソックスを履くのもおすすめです。
着圧ソックスを履くことで静脈が圧迫され、血栓の予防につながります。着圧ソックスは一部のドラッグストアや通販などでも購入できます。
ゆったりとした服装にする
できるだけ血流を悪くしないためにも、ゆったりとした服装を着るのがおすすめです。体を締め付けないワンピースや、腰回りにゆとりのあるパンツなどを選んで着用しましょう。
席についてシートベルトを着用する際も、お腹を圧迫しないように腰の低い位置につけるようにします。もしシートベルトの長さが足りず締められないときは、客室乗務員に延長用のシートベルトを準備してもらいましょう。
妊娠中に飛行機に乗る際の持ち物リスト
妊娠中、飛行機に乗る場合、必要な持ち物とは?医師の診断書が必要なのかなど、不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
診断書の要否は、前述のとおり出産予定日からの日数や利用する航空会社によって異なります。対象期間に当てはまらない場合でも、予約の際や搭乗前には、妊婦であることをあらかじめ申請しておきましょう。荷物の上げ下ろしや優先席への搭乗など、さまざまな配慮をしてもらいやすくなります。また航空会社によっては、申告を案内される場合もあるため事前に確認しておくと安心です。
いつ起こるか分からない体調不良に備えて診断書のコピーを携帯しておきましょう。その他に、万が一の場合に備えて用意しておきたいものや、体調の変化に対応するためのアイテムをご紹介します。
- 母子健康手帳
- マイナ保険証(登録済みの場合)または資格確認書
- 診断書のコピー(対象期間に該当する場合)
- 普段使用している常備薬
- 着圧ソックス
- マタニティマーク
これらの持ち物をあらかじめ準備しておくことで、機内で体調が変化した場合にも落ち着いて対応しやすくなります。母子健康手帳や健康保険証、診断書のコピーなど、万が一に備えたアイテムは必ず手荷物に入れておきましょう。

妊娠中に飛行機に乗る際、航空会社から受けられる「サービス」をご紹介!
妊娠中に飛行機を利用すると、航空会社によりさまざまなサービスを受けられる場合があります。
オリジナルの「マタニティマーク」タグがもらえる
全日空や日本航空などでは、オリジナルのマタニティマークタグを配布しています。空港カウンターで希望を伝えてください。
普段、マタニティマークタグを持ち歩いていない方もいるかもしれませんが、お腹が目立たない時期にも妊娠中ということが分かり、客室乗務員や他の乗客に理解してもらいやすくなります。
優先搭乗ができる
妊娠中は、空港の受付でも優先カウンターで手続きできる場合が多いです。人混みの中で長時間並ぶことを避けられるため、急な吐き気や転倒のリスクを減らせます。優先搭乗では、一般のお客さんより先に乗れるため、狭い機内で人とすれ違う機会も減らせるでしょう。
延長ベルトや、背もたれ用の枕とブランケットの貸し出し
航空会社によっては、さまざまなアイテムの貸し出しサービスをおこなっています。例えば、身体を冷やさないためのブランケットや、姿勢を楽にするクッションも役に立つでしょう。また、シートベルトでお腹を圧迫しないための「延長ベルト」も貸し出してくれる場合があります。
割安な航空運賃を売りとしている、LCC(格安航空会社)を利用する場合は注意しましょう。LCCでは低価格を実現するために、サービスを簡易化しており、一部サービスが受けられない可能性があります。搭乗の際には各社のサービス内容や留意点などを事前に確認しておきましょう。
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妊娠中に飛行機に乗ることは可能です。ただし、妊娠初期はつわりや体調の変化に注意が必要です。可能であれば、妊娠中期に飛行機に乗るようにしましょう。その際は、航空会社ごとの搭乗条件を確認し、必要な書類を揃えておくことが重要です。快適な旅になるように、各航空会社が用意しているサービスを確認の上、活用することをおすすめします。
妊娠中に飛行機に乗る場合は心配ごとが出てくるかもしれません。妊娠中に搭乗する場合は、いつの時期であっても、ご自身の状態に合った無理のない範囲での旅行や帰省を計画することが大切です。旅行前に主治医に相談することや、万全な準備をすることで、ギモンや不安を解消し、旅行や遠出を安心して楽しみましょう。
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