出産後は、ホルモンバランスの乱れやストレスなどが原因で、抜け毛が多くなる時期です。「想像以上に多く抜けて心配」「対策があれば知りたい」と考えるママは多いでしょう。楽天ママ割メンバーを対象にしたアンケート調査でも、多くのママが産後の抜け毛に悩んでいたことがわかりました。

本記事では、医師監修のもと、抜け毛が続く期間や原因、対策法などを解説します。先輩ママのリアルな声も紹介しますので、産後の抜け毛に悩んでいる方は最後までご覧ください。

【楽天ママ割メンバー対象アンケート】
期間：2024 11/5～11/18
回答者全体（N＝1,000）

産後は抜け毛に悩まされる？「産後脱毛症」とは

出産後の抜け毛は「分娩後脱毛症」ともいい、一般的には出産後2～3か月が経過した頃から発症しはじめます。この頃になると「ちょっと髪が抜けているかも？」と感じる人が多いようです。

楽天ママ割メンバーへアンケートを実施したところ、38.7%が「産後2〜3か月頃」から抜け毛が気になり始めたと回答しました。このころになると、朝起きた時にまくらに髪の毛がたくさん落ちていたり、シャンプー中に指に多く絡んだりする場面で、抜け毛を実感しはじめます。

なお、産後の抜け毛は、ホルモンバランスの乱れなどが主な原因であり、一時的な症状です。そのため、時間の経過とともに自然に落ち着きます。

抜け毛のピークは4～6か月ごろ

一般的に、抜け毛のピークは出産後4～6か月ごろといわれています。「抜け毛のピーク時期」についてのアンケート結果でも、「産後2〜4か月頃（38.7%）」が最も多い結果となりました。

最初は抜け毛の多さに驚くかもしれませんが、ピークを過ぎると徐々に落ち着いていきます。なお、抜ける量や期間は個人差があり、産後5〜7か月頃やそれ以降にピークを迎える方も少なくありません。一般的なピーク時期はあくまで目安にしてください。

落ち着くのは産後6か月～12か月ごろ

一般的には、出産後6か月～12か月頃には新しい毛が生え始め、徐々に出産前の毛量に戻っていきます。

しかし、ピークよりも個人差が大きく、「抜け毛が落ち着いてきた時期」についてのアンケート結果で一番多かったのは、「産後1年後以降（29％）」でした。

1年以上経っても抜ける量が減らず気になるときは病院で相談してみると良いでしょう。

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産後の抜け毛で困ったこと

アンケートで「産後の抜け毛で一番つらかったこと、困ったこと」を聞いてみたところ「掃除」に関する回答が多くありました。具体的には、次のような困りごとがあったようです。

• 排水口に髪の毛が詰まる
• 部屋に髪の毛が落ちて汚く見える
• 掃除の回数が増える

髪を触る機会の多いお風呂場や脱衣所は髪がたくさん落ちるため、掃除が大変になります。お風呂場は排水溝が詰まってしまうため、お風呂に入る前に念入りにブラッシングして、ある程度抜けそうな髪の毛を取り除くと、掃除が楽になります。

部屋に落ちた髪の毛が気になる方は、髪を結んで過ごすと床に落ちることが少なくなり、掃除も比較的楽になります。夜はナイトキャップを被るとヘアケアにもなり、一石二鳥です。

また、髪の毛が新たに生えてくると、短くてポヤポヤしたアホ毛（浮き毛）が目立ったり前髪が浮いたりすることも悩みの種になります。アホ毛を抑えるスタイリング剤は100円均一でも購入できるため、気になる方は使ってみるのもおすすめです。

産後の抜け毛は、覚悟していても想像以上に抜けることが多く、ショックや不安を感じる人も多いです。しかし、多くのママが経験する症状であるため、同じ悩みをもつママ友と情報交換したり、パートナーに相談したりして、自分に合った対処法を試すと良いでしょう。

産後に抜け毛を引き起こす4つの原因

産後の抜け毛の主な原因として、次の4つが挙げられます。

• ホルモンバランスの乱れ
• 出産・育児によるストレス
• 出産・育児やダイエットによる栄養不足
• 頭皮環境の悪化

それぞれの原因について詳しく解説します。

ホルモンバランスの乱れ

出産後の抜け毛の原因として、一番に考えられるのがホルモンバランスの乱れです。

妊娠すると、女性ホルモンの分泌が盛んになります。女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、妊娠中はこれらの女性ホルモンによって髪が抜けにくくなっています。しかし、出産後は、女性ホルモンが急激に低下するため、髪が抜けやすくなってしまうのです。

髪の毛には通常、毛が伸びる「成長期」・毛の成長が止まる「退行期」・毛が抜ける「休止期」の3つのサイクルがあります。
しかし、出産により女性ホルモンが低下すると、成長期から休止期に移行し、退行期を飛び越えてしまうといわれています。

妊娠中は成長期のまま停滞していた髪の毛が、出産後に一気に休止期へ移行することでヘアサイクルが乱れて、髪が抜けやすくなります。

出産・育児によるストレス

出産や育児のストレスも、抜け毛の原因になります。出産後は、慣れない育児に悩んだり、家事が思うように進まなかったりして、ストレスが溜まりやすいです。

生活スタイルの変化や、それに伴うストレスは、自律神経のバランスを崩し、血行不良を引き起こします。頭皮の血行が悪くなることで毛根への栄養供給が滞り、抜け毛が増える可能性があります。

出産・育児やダイエットによる栄養不足

出産後はさまざまな理由で栄養不足になりやすく、十分に栄養を確保できないことで抜け毛につながります。

出産後は、ママの身体を回復させるために栄養が必要です。しかし、出産後は赤ちゃんのお世話などで、出産前のように3食きちんと食べたり、食事の品数を豊富に用意したりするのが難しくなる場合も少なくないでしょう。

また、産後ダイエットの影響で、栄養不足に陥るケースもあります。産後1か月〜1か月半ほどで産後ダイエットを意識し始める方が多いと思いますが、栄養が不足しないよう食生活には気を付けましょう。

産後のダイエットについては以下の記事をご覧ください。

さらに、授乳期間中も栄養不足には注意が必要です。母乳育児の場合、赤ちゃんに栄養を与えるためママの栄養が不足してしまうことがあります。

授乳中の食事や母乳育児については以下の記事をご覧ください。

頭皮環境の悪化

出産後は、子育てに追われてお風呂や洗髪に割く時間が短くなりがちですが、頭皮に汚れや皮脂がたまると、毛穴詰まりを起こして健康な髪が育ちにくくなります。

また、出産後は肌が敏感になったり、肌質が変わったりして、これまで使用していたヘアケア用品が肌に合わなくなることがあります。肌に合わないシャンプーやトリートメントを使い続けることでも、頭皮の乾燥や炎症、過剰な皮脂の分泌などが生じ、健康な髪が生えにくくなる可能性があります。

産後の抜け毛対策と乗り越え方

出産後の抜け毛は、日常生活を見直すことで症状が軽減する可能性があります。

先輩ママが実際に行った対策としては「頭皮マッサージ（9.7%）」「抜け毛対策を意識した食生活（9.7%）」などが挙げられました。

しかし「特に効果的だったと思うことは無い（29%）」「気にしないこと（22.6%）」と答えた方も多く、ある程度諦めることも必要なのかもしれません。

少しでも予防したいと考える方は、次に紹介する5つの対策方法を試してみてください。

3食バランスの良い食事をする

出産後は栄養不足になりやすいため、食事内容を見直して栄養をしっかりとることが大切です。栄養不足の改善は抜け毛だけでなく、出産後の体力の回復を早めるなどメリットもたくさんあります。

特に意識して摂取したい栄養素は、髪をつくるために欠かせないタンパク質です。また、髪のツヤを良くする、ビタミンB群も意識して摂取したいですね。タンパク質とビタミンＢ群をとるために、肉類や卵類、乳製品、野菜、果物などをバランス良く食べましょう。

タンパク質やビタミンB群を効率よく摂取できるレシピを2つ紹介します。

美肌に期待♡アボカドとサーモンのポキ丼

塩麹ささみと3種のキノコのサラダ

睡眠時間をしっかりとる

健康な髪を育てるためには、十分な睡眠も大切です。特に、睡眠直後に深くノンレム睡眠に入れると成長ホルモンの分泌が活発になり、髪の成長も促します。

しかし、産後のママは、授乳期間中や夜泣きの対応で夜中でもこまめに起きなければいけない場面も多いと思います。パートナーや家族と協力しつつ、無理しない範囲で睡眠時間を確保できると良いですね。

また、寝具を見直すことも睡眠の質の改善に効果的です。

ストレスを溜めないようにする

出産後は自分の身体が思うように動かないことや、慣れない育児や睡眠不足などからストレスを溜めてしまいがちです。ストレスは出産後の抜け毛だけでなく、心身の健康にも悪影響です。ストレス発散できることを見つけて、できるだけ溜めないようにしましょう。

たとえば、ストレッチやウォーキングなど軽めの運動をしたり、湯船にゆっくり浸かったり、ママ友と話をしたりするのもおすすめです。

頭皮環境を整える

出産後は、頭皮と髪に栄養が届きやすくなるように頭皮環境を整えることで、抜け毛を軽減できることがあります。

まずは、毛穴に汚れや皮脂が溜まらないよう、なるべく毎日刺激の弱いシャンプーでしっかり頭皮を洗います。シャンプーの際に、襟足から頭頂部に向かって優しくマッサージするのもおすすめです。一緒に首や肩周りもほぐすと、より血行が促進されます。

出産後の頭皮環境に合うヘアケア用品を使うことも重要です。頭皮専用の保湿ローションや美容液を使うと乾燥を防ぎ、強い髪の毛が育ち薄毛を予防します。育毛剤で頭皮環境を整えてみても良いでしょう。

頭皮環境の改善におすすめのアイテムを3つご紹介します。

L'OCCITANE 薬用 メディカル アンチヘアロスセラム 50mL/ 医薬部外品

ロクシタンの薬用育毛美容液です。ホルモンバランスの乱れの影響で崩れたヘアサイクルを整える助けをしてくれます。シトラスグリーンの香りがリフレッシュにもなります。

スカルプブラシ

ブラシの突起部分が長くてしなやかなので、頭皮を傷つけることなくしっかり汚れを取り除けます。ブラシ部分が丸みを帯びており広範囲にブラシが当たるため、洗い逃しが少ないのもうれしいポイントです。

髪型を変える

髪のボリュームの減少が気になる場合は、髪の分け目を変えたり、抜け毛が目立たないヘアカットやスタイリングを試したりするのがおすすめです。

特に、ロングヘアは髪が落ちた際に目立つため、思い切ってショートカットやボブにしてみても良いかもしれません。髪色が暗いときは、明るくすることでも落ちた髪が目立ちにくくなります。

カラーを行う際は、頭皮にダメージを与えないように、刺激の少ないカラー剤を扱う美容院を選ぶと良いでしょう。

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一般的に、産後の抜け毛は出産後2〜3か月ごろから始まり、4〜6か月ごろにピークを迎えます。

主な原因はホルモンバランスやストレスなどで、出産後6〜12か月を目安に自然と落ち着きます。抜け毛が気になる場合は、食事の見直しをしたり、頭皮ケアに力を入れたりするとよいでしょう。

産後の抜け毛は多くのママが経験する症状です。あまり心配しすぎず、負担に感じない程度にできるヘアケアを試して過ごしてください。

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