胎動が少ないと危険?原因や受診の目安を解説【医師監修】
2024/1/9
本記事では、胎動が少ないと感じる原因やセルフチェックの方法、受診の目安を解説しています。胎動が普段と比べて少ないと感じるときは、横向きになって安静な姿勢をとりましょう。普段よりも明らかに胎動を感じにくいときは病院の受診をおすすめします。
胎動は、赤ちゃんがママに「元気でいるよ」と知らせる、いわば赤ちゃんからのサインです。しかし、胎動を感じる時期や胎動の強さ、胎動が多い少ないなどの感じ方には、個人差があります。自分自身が「今日はいつもより、よく動く」など、胎動を多く感じる時は、特に問題の無いことが多いですが、胎動が少ない時、胎動を感じないような時は心配になることでしょう。
今回は、胎動が少ないときの原因や、病院で受診する目安をお伝えします。
なお、まだ胎動を感じたことがない妊娠初期の方は、「胎動はどんな感じ?いつ始まる?妊娠時期別の感じ方も【体験談あり】」の記事を参考にしてみてくださいね。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
胎動はいつから感じる?少なくても大丈夫?
胎動を感じ始めたばかりのころは、本当に胎動かどうか、自分は胎動が少ないのかどうかなど、なかなか判断が難しいですよね。そこで、まずは、胎動を感じ始める時期や胎動の頻度、胎動を感じやすい体勢についてご紹介します。
胎動を感じ始めるのは18~20週ぐらいから
胎動を感じ始める時期には個人差がありますが、平均は妊娠6か月ごろ、週数にして18週~20週前後という方が多いようです。
初産の方は胎動を感じにくい傾向にありますが、遅くとも妊娠7か月ごろ、24週ごろにはほとんどの方が胎動を感じるようになります。
胎動の頻度
胎動の頻度は、個人の感じ方にもよるため一概にはいえません。胎動を感じやすい方は1日に何度も感じることもあれば、日中忙しくしている方や胎動を感じにくい方では7か月ごろまでほとんど胎動を感じない方もいます。
基本的には、妊婦検診で赤ちゃんが元気なことを確認できていれば過度に心配する必要はないでしょう。
また、妊娠後期になると、赤ちゃんが大きくなりお腹の中での動きも制限されるため、胎動が少なくなったと感じることが多いです。
胎動を感じやすい体勢
赤ちゃんは、寝る前や食後などのママがリラックスしているときによく動くといわれます。胎動を感じにくいと思ったら、リラックスしてソファーに座ったり、横になったりしてみましょう。
仰向けの体勢だと胎動を感じやすくなるといわれます。妊娠後期で仰向けがつらい場合は、ママの体の左側を下にすると胎動を感じやすくなるといわれます。
ただし、赤ちゃんは20分おきに寝たり起きたりを繰り返しているため、赤ちゃんが寝ているタイミングだとママも胎動を感じにくくなります。
胎動が少ない原因【ママ編】
胎動が少ないと感じるとき、多くの場合は心配のいらないケースがほとんどです。胎動が少ないと感じる原因はいろいろありますが、ここからは「ママ側の原因」と「赤ちゃん側の原因」をそれぞれご紹介していきます。
出典:産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020/公益社団法人 日本産科婦人科学会/公益社団法人 日本産婦人科医会
胎動が少なく感じる際のママ側の原因は、以下が考えられます。
初産である
初産の場合、胎動を感じにくい方が多いです。とくに妊娠6~7か月ごろはまだまだ胎動も弱く、ママも経験がないため、胎動があっても気づかないケースが多いでしょう。
おなか周りの脂肪量が多い
おなか周りの脂肪量が多い方は、胎動を感じにくいといわれます。理由としては、胎動は赤ちゃんの手や足がママのおなかの皮膚を押し出すことで感じるためです。脂肪量が多いと子宮までの距離が遠くなり、胎動を感じにくくなります。
仕事や家事などに意識が向いている
妊婦さんが仕事や家事などで動いていると、おなかへの意識がそれるため、胎動を感じにくくなります。リラックスしている夜は胎動をよく感じるという妊婦さんも多いようです。
出典:新編 シアーズ博士夫妻のマタニティブック 2014年8月発行 主婦の友社
この1冊であんしん はじめての妊娠・出産辞典 2015年3月発行 朝日新聞出版
羊水の量が多い
羊水の量が多い人も、胎動を感じにくくなります。理由として、羊水の量が多いと赤ちゃんが羊水の中で自由に動き回れるため、赤ちゃんの手や足がママのおなかのほうまで到達しにくくなるためです。
妊婦検診では羊水量もチェックされますので、羊水過多の場合は指摘や再検査が行なわれます。
胎盤がママのおなか側についている
胎盤の位置がママのおなか側についていると、胎盤が邪魔をして胎動を感じにくくなることがあります。
胎盤の位置は、妊娠中期以降の超音波検査で確認できます。また、妊娠が進み子宮が大きくなることで、胎盤位置も変わる可能性があります。
胎動が少ない原因【赤ちゃん編】
胎動が少なくなる原因は、妊婦さんだけでなく、赤ちゃん側にもあります。多くは心配なものではなく、一時的な原因です。以下に、胎動が少なくなる赤ちゃん側の原因を3つご紹介します。
赤ちゃんがまだ小さく、力が弱い
妊娠5~6か月ごろの方は特に、まだ赤ちゃんが小さいことが胎動を感じにくい原因かもしれません。
おなかの赤ちゃんが小さいうちは、動きが小さく力も弱いため、おなかの中で動いていてもママは気づきにくいものです。胎動を感じ始める時期には個人差もありますから、焦らず、赤ちゃんがある程度大きくなるまで待ちましょう。
赤ちゃんが眠っている
赤ちゃんはお腹の中でずっと起きているわけではなく、眠っている時もあります。胎動が少ない時は赤ちゃんが眠っている時間と考えられます。
赤ちゃんはママのように、昼間は活動していて夜になったら寝るといった規則的なパターンがあるわけではありません。赤ちゃんのペースで、動く、動かないを繰り返しているのです。
出典:はじめての妊娠・出産・0歳育児 2010年3月発行 PHP研究所
女性の健康Q&A 妊娠・出産 胎動が多いか少ないかわからないです/日本産婦人科医会
新編 シアーズ博士夫妻のマタニティブック 2014年8月発行 主婦の友社
赤ちゃんが大きく成長し動くスペースがなくなっている
妊娠9か月ごろに胎動が少なくなったと感じた方は、赤ちゃんが大きくなったことが原因かもしれません。
妊娠9か月~臨月に入ると、赤ちゃんも大きく成長します。だんだんと子宮の中のスペースが狭く窮屈になり、大きく動くことが難しくなります。
さらに、この時期の赤ちゃんは、出産に備えて子宮の中でも下の方へ下がってきますので、頭が骨盤に固定され、回転するなどの大きな運動はなくなります。手足は動かせるため生まれるまで胎動を感じることはありますが、以前よりも胎動を感じることは少なくなります。
出典:この1冊であんしん はじめての妊娠・出産辞典 2015年3月発行 朝日新聞出版
胎動が少ない場合に受診する目安は?
「いつもより胎動が弱いような気がするけど、すぐに受診するべき?」と、判断に迷っている方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、「いつもより胎動が少ない」と感じたときの受診目安を、妊娠月数別にお伝えします。
妊娠5か月~6か月:感じていた胎動が急に少なくなった場合は受診
この時期の赤ちゃんはまだ小さく力も弱いため、胎動を感じにくいものです。もしまだ胎動を感じていないという場合には、焦らずもう少し待ってみてもよいでしょう。週数が進み赤ちゃんが大きくなると、動きも強くなり、胎動を感じやすくなります。横になってリラックスして観察してみましょう。
ただし、すでに胎動を感じていて、「急に胎動が少なくなった」「まったく胎動がない」といった場合は、赤ちゃんの状態が良くない可能性もあるので、早めに医師に相談してください。
出典:この1冊であんしん はじめての妊娠・出産辞典 2015年3月発行 朝日新聞出版
いちばんよくわかる妊娠・出産 2014年6月発行 主婦の友社
妊娠7か月~8か月:胎動が少ない、ない状態が長く続く場合は受診
この時期の赤ちゃんは活発に動きます。胎動をしっかり感じる時期ですが、赤ちゃんはこのころには睡眠のパターンができています。20~40分と短い周期で眠ったり起きたりを繰り返しているため、よく動くときもあればあまり動かないときもあります。
横になり1時間ほど安静にしていても胎動を感じられない場合や、いつもより明らかに胎動が少なくなっている場合は、早めに医師に相談してください。
出典:胎動が多いか少ないかわからないです/公益社団法人日本産婦人科医会
ハッピー★マタニティ 2019年12月発行 学研プラス
妊娠9か月~10か月:胎動がない場合は受診
妊娠後期になると、少しずつ子宮が赤ちゃんと一緒に下がってきます。それと同時に、胎動が少なくなったと感じる妊婦さんも多いです。
しかし、急な変化には注意が必要です。そのため、臨月であっても日々胎動を意識して生活するようにしましょう。赤ちゃんは40分~60分くらいのペースで寝たり起きたりを繰り返しているので、1時間くらい感じない分には問題ありません。
ただ、胎動は少なくなるものの、まったく感じないということはありませんので、1時間以上、胎動がない場合はすぐに病院を受診してください。
出典:胎動が多いか少ないかわからないです/公益社団法人日本産婦人科医会
産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020/公益社団法人 日本産科婦人科学会/公益社団法人 日本産婦人科医会
胎動が少ない場合に行う検査方法
胎動が少ない場合は、最近の胎動の様子を伝え、医師に相談しましょう。
必要に応じて病院でNST(ノンストレステスト)や超音波検査を行い、赤ちゃんが元気かどうかを判断します。
NST(ノンストレステスト)
NST(ノンストレステスト)とは、おなかに子宮の収縮度を測る装置(分娩監視装置)を装着し、おなかの張り具合や赤ちゃんの心拍数を測り、赤ちゃんが元気かどうかを調べる検査です。
検査時間は30~40分ほどかかります。
超音波検査
赤ちゃんがどれだけ元気であるか(発育状態)を観察します。あわせて羊水の量や胎盤・臍帯に異常がないかなどを超音波検査で判断します。
出典:胎動が多いか少ないかわからないです/公益社団法人日本産婦人科医会
改訂4版 安心すこやか妊娠・出産ガイド 2020年6月第4版発行 メディカ出版
産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020/公益社団法人 日本産科婦人科学会/公益社団法人 日本産婦人科医会
胎動が少ないか「胎動カウント」でセルフチェックしよう
胎動が少ないことが心配な方は、受診の前に「胎動カウント」をしてみることをおすすめします。ここでは、胎動カウントのやり方をご紹介します。
胎動カウントとは?
胎動カウントとは、赤ちゃんが動いているかをセルフチェックする方法です。
赤ちゃんが寝たり起きたりするリズムができてくる妊娠後期、28週ごろから、胎動が少ないと思ったときにチェックすることをおすすめします。
胎動カウントのやり方
胎動カウントのやり方は、以下のとおり。
【胎動カウントのやり方】
①リラックスした状態になる
②赤ちゃんが10回動くまでの時間を計測
【胎動カウントの注意点】
・大きな動きをカウントする(しゃっくりなどはカウントしない)
・リラックスできるタイミングで行なう
赤ちゃんが10回動くまでにかかる時間は、個人差がありますが10~30分が目安です。赤ちゃんが眠っている場合は40分~1時間くらい動かないこともあります。
30分以内にカウントできない場合は、時間をおいてやり直してみましょう。
胎動の感じ方は、妊娠中にどんどん変化していきます。胎動を感じにくいこともあれば、逆に胎動が強く感じることもあるでしょう。胎動が激しくて不安な場合については「胎動が激しくても大丈夫?胎動が痛いときの対処法は?産婦人科医が解説」の記事で解説していますので、気になる方はあわせてチェックしてみてくださいね。
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胎動には個人差があり、胎動が少ない原因もさまざまです。そのため、ママの胎動の感じ方が「いつもと違う」ということが受診の目安になるでしょう。
いつもより胎動が少なくて心配な場合は、そのままにせず、受診をして医師の診察を受けてくださいね。
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