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沐浴のやり方とは?赤ちゃんのお風呂の準備・手順・コツ|助産師監修

赤ちゃん

赤ちゃん

2025/1/17

沐浴とは、生後1か月ごろまでの赤ちゃんのお風呂のことです。沐浴の正しいやり方の手順や必要な準備を助産師監修のもと解説します。コツや注意点も紹介します。

新生児のお世話の中でも、不安に感じる方が多いのが沐浴です。「どんなアイテムが必要か知りたい」「詳しいやり方を予習しておきたい」と考えるママやパパは多いのではないでしょうか。
沐浴はコツさえつかめば、赤ちゃんも両親も安心して楽しめる時間になります。

本記事では、沐浴の手順や必要なアイテムについて解説します。出産を控えている方は、ぜひご一読ください。

この記事の監修者

助産師・看護師・保育士

河井恵美先生

25年以上、病院、行政、教育関係、海外での医療活動に従事。親御さんへのアドバイスを充実させるため保育士・公認心理師の資格を取り役立てている。現在は、エミリオット助産院を運営。

赤ちゃんのお風呂「沐浴」とは?

沐浴とは、赤ちゃんの体を洗ってあげることです。このとき、大人と同じ浴槽ではなく、ベビーバスや大きめの桶などを使います

なぜ大人と一緒のお風呂に入れないのかというと、赤ちゃんを細菌感染から守るためです。生まれたばかりの赤ちゃんはへその緒もとれておらず、まだ抵抗力が強くありません。

普段、家族が使う大きな浴槽は、きれいに見えてもばい菌が繁殖している場合があり、生まれたばかりの赤ちゃんにとっては安全とはいえないのです。そのため、新生児の間は赤ちゃん専用のベビーバスなどを使用するのが一般的です。

「沐浴」と聞くと専門用語のようで難しそうと感じるかもしれませんが、構えすぎる必要はありません。ここからは、頻度や時間帯、期間など基本的なことを説明します。

体を拭かれる赤ちゃん

頻度:毎日1回が目安

沐浴は、基本的に「毎日」行います

生まれたばかりの赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、汗をかきやすく皮脂もたまりやすいです。垢や汚れがたまると湿疹など皮膚トラブルの原因になることもあるため、清潔に保ってあげることが大切です。

ただし、ママやパパ、赤ちゃんの体調が悪いときは、無理をする必要はありません。沐浴が難しいときは、濡らしたタオルで赤ちゃんの顔やおしりを拭いてあげるだけでもスッキリします。

沐浴の回数は基本的に1日1回です。お風呂は体力を消耗するため、1日に何度も沐浴すると赤ちゃんが疲れてしまいます

ただし、生後数か月経っている赤ちゃんで夏場の汗をかきやすい時期などは、1日に2~3回、沐浴シャワーを行っても大丈夫です。赤ちゃんが疲れないように短い時間で済ませる、お湯で汗を流すだけにする、など工夫しましょう。

時間帯・タイミング:授乳前後を避ければ何時でもOK

沐浴の時間帯は特に決まりはなく、ご家庭の育児のリズムに合わせて決めてOKです。ただし、生活リズムをつけるためになるべく毎日、同じ時間帯に入れてあげてください。

たとえば、朝の9時からお昼頃まで、または午後3時から6時頃までの間に入れるなど、おおよその時間帯を設定しておくイメージです。ただし、体が温まると脳が興奮しやすくなるため、深夜の沐浴は避けるのが無難です。

また、授乳前後は避けたほうが良いでしょう。授乳直後だと、母乳やミルクを消化するのに胃に血液が集まっているうえ、お湯で体が温まるため、胃に負担がかかります。また、着替えや入浴のときに赤ちゃんが吐き戻しやすくなります。さらに、授乳前のお腹が空いた状態では、赤ちゃんが不機嫌になりやすく、落ち着いて沐浴できません。

目安としては、授乳前後30分以上空けてから沐浴を行うと良いでしょう。

期間:生後1か月ごろまでが一般的

沐浴から家族と一緒のお風呂に移行するタイミングは、へその緒が取れて乾いた生後1か月ごろが目安です。

おへその傷口がしっかり乾けば大きなお風呂でも安心です。おへその状態は個人差があるため、健診でお医者さんにOKをもらってから沐浴を卒業するようにしましょう。

また、ママも、産後1か月健診でお医者さんの許可がおりるまでは湯船に浸かれません

ワンオペ育児などで、家族の協力を得るのが難しい場合には、無理に1か月を目安に沐浴をやめる必要はなく、しばらくはベビーバスを使用して別々のお風呂に入っても大丈夫です。ママやパパ、赤ちゃん、ご家庭の状況に合わせて、楽な方法を選んでくださいね。

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沐浴の準備:必要なアイテムをそろえよう

赤ちゃんの沐浴には、次のアイテムが必要です。

  • ベビーバス
  • 湯温計
  • ベビーソープ・赤ちゃん石鹸
  • 洗面器
  • 沐浴布・洗い用ガーゼ

ここからは、それぞれのアイテムの選び方や必要な理由などを詳しく解説します。

ベビーバス

ベビーバスは乳児のサイズに合わせた設計で安定感があり、赤ちゃんの安全を確保できます。また、ママやパパが楽な姿勢で沐浴でき負担を軽減できることや、簡単に丸洗いが可能で清潔を保てることなどがメリットです。

ベビーバスには大きく分けてプラスチック製のものと、ビニール製で空気を入れて使うものの2種類があります。

昔ながらのプラスチック製のベビーバスは安定感があり、お湯を入れた状態でも移動できます。たとえば、リビングで沐浴を行った後、洗面所まで移動して排水するのも簡単です。
一方で、折りたたみができないため、収納しにくいことがデメリットといえます。

ビニール製・エアー式は、軽くて扱いやすく、シンクにもぴったりフィットします。また、空気を抜くとコンパクトに折り畳むことができ、使わなくなった時にも邪魔になりません。エアー式のベビーバスなら、股の部分に滑り止めの突起がついた商品がおすすめです。

一方で、プラスチック製と比べると不安定で、耐久性が低いことがデメリットです。ただし、洗面台で沐浴を行う場合は、エアー式のものでも安定して使用できます。

ベビーバスを選ぶ際は、持ち運びをするか、バスルーム・シンクどちらで使うか、サイズが使用場所に収まるかなどを考慮すると良いでしょう。

なお、ベビーバスは必ず用意するべきというわけではありません。掃除や消毒をきちんと行えば、シンクやタライなどでも代用できます。1か月ほどで使わなくなってしまうので、無理に高価な製品を用意する必要はないでしょう。

ベビーバスの種類や選び方は「沐浴におすすめのベビーバスをタイプ別に紹介!沐浴グッズの収納術も」でも詳しく解説しています。ぜひ、ご一読ください。

ベビーバスで沐浴中の赤ちゃん

沐浴剤/ベビーソープ・赤ちゃん石鹸

沐浴では、沐浴剤もしくはベビーソープを使用します。

赤ちゃんは汗やうんち、吐き戻しなどで汚れるため、お湯で洗うだけでは汚れを落としきれません。慣れないうちは、沐浴剤を使用すると良いでしょう。

沐浴剤とは、お湯に溶かして使用する洗浄成分入りの入浴剤です。ベビーソープを使わずに肌を清潔に保つことができ、保湿効果もあります。すすぎが不要な点も使いやすいポイントです。

沐浴に慣れてきたり、赤ちゃんの汚れが目立ったりするときは、沐浴剤よりも洗浄力が高いベビーソープや赤ちゃん石鹸を使うと良いでしょう。

ベビー用の商品であれば何でもOKで、頭皮や髪も含めて全身を洗えます。ベビー石鹸や液体タイプのベビーソープは、よく泡立てて使うことがポイントです。泡タイプは泡立てる手間がなく、片手で使えることがメリットです。

また、ある程度、髪の毛が生え揃うと、ベビーシャンプーが必要になります。ベビーソープから切り替えるタイミングについては「赤ちゃんのシャンプーはいつから?適切な時期やおすすめ商品を紹介」をご覧ください。

ベビーソープとあひるのおもちゃ

洗面器

赤ちゃんの沐浴を安全かつスムーズに行うためには、洗面器が必要です。

顔を拭く際は、洗面器に入れた清潔なお湯を含ませたガーゼを使用します。目の感染を防ぐために、赤ちゃん専用の新しい洗面器を用意してください。清潔なものであれば小さなボールでも構いません。

また、シャワーを直接赤ちゃんに当てると刺激が強すぎて、肌に負担をかける可能性があります。体を流す際には、洗面器に溜めたお湯を使い、優しくかけると安心です。

沐浴の最後にも、きれいなお湯で流す必要があります。あらかじめ洗面器に上がり湯を用意しておけば、スムーズにすすぎができます。

洗面器は、顔用と体用の最低2つは用意すると良いでしょう。顔以外は大人が使っているものを共有しても問題ありません。持ち手がついているものを一つ用意すると、体や頭を流す際に便利です。

沐浴布・洗い用ガーゼ

沐浴では、ハンカチサイズのガーゼと、それよりも大きめのガーゼが必要です。

ハンカチサイズのガーゼは、赤ちゃんの顔を洗ったり拭いたりするのに使用します。大きいガーゼは沐浴布(沐浴ガーゼ)と呼ばれ、赤ちゃんの体にかけて使用するものです。
沐浴布をかけると、赤ちゃんは包まれている感覚になり安心するため、落ち着いて沐浴を行えるでしょう。

沐浴布は、30×70cmほどあれば赤ちゃんの体をすっぽり覆えます。綿100%、蛍光増白剤不使用のものが肌に優しくおすすめです。

ガーゼは沐浴以外でも何かと使用するアイテムのため、多めに用意しておくと良いでしょう。

沐浴布・洗い用ガーゼ

湯温計(必須ではない)

湯温計は必須ではありませんが、お湯の温度を適切に保つためにはあると安心です。適温は、夏は38℃、冬は40℃程度とされています。

湯温計には、コードがついているタイプや手で支える必要があるものがありますが、お湯に浮かべて使うタイプが1人でも使いやすくおすすめです。

また、タイマー機能や室温計がついているものは、のぼせや湯冷め防止にも役立ちます。長く使いたいなら、子どもが喜ぶおもちゃタイプのものが良いでしょう。

沐浴のやり方・手順【準備から仕上げまで】

湯冷めや肌の乾燥を予防するためには、事前準備や保湿が重要です。沐浴を始める前から終わるまでの流れは以下のとおりです。

1. 赤ちゃんの状態のチェック
2. 沐浴後の準備
3. お湯の準備:38~40℃が適温
4. 赤ちゃんをお湯へ入れる
5. 顔→頭→体の順で洗う
6. あがったら全身を拭いて服を着せる
7. しっかり保湿する

沐浴の準備や洗い方、仕上げまでの流れを順番に紹介します。

赤ちゃんのお風呂セット

1.赤ちゃんの状態のチェック

まずは赤ちゃんの機嫌や体調をチェックします。

次のような症状があるときには、無理に沐浴をする必要はありません。

  • ぐったりしているとき
  • 発熱しているとき
  • 母乳やミルクの飲みが悪いとき
  • 吐き戻しがひどいとき
  • 機嫌が悪いとき(激しく泣いているとき)

2.沐浴後の準備

沐浴前には、赤ちゃんの着替えやオムツ、体を拭くタオルも忘れずに用意しておきましょう。バスタオルは広げておき、服やオムツもすぐに着られるように重ねておくと楽ですよ。

3.お湯の準備:38~40℃が適温

ベビーバスにお湯をためます。湯温は、夏は38℃、冬は40℃程度が適温です。ベビーバスは湯量が少なく冷めやすいため、適宜湯温計を確認しながら調節する必要があります。

同時に、沐浴を行う部屋の室温も調整します。冬は暖房で部屋を暖め、夏はクーラーを切ってから沐浴すると赤ちゃんが冷えにくくなります。

なお、この段階で、洗い流し用のお湯も洗面器などに準備しておきます。

4.赤ちゃんをお湯へ入れる

お湯に入れる際は、首とおしりを左右の手でしっかり支え、ゆっくり足から入れます。

お湯に入れる前に、赤ちゃんをくるむように沐浴布をかけてあげると、赤ちゃんがびっくりしにくくなります。

5.顔→頭→体の順で洗う

「顔→頭→体」の順で洗い、お尻(肛門)が最後です。

顔は濡らしたガーゼで優しく拭き取ります。頭はベビーソープや石鹸を泡立てて洗い、お湯で十分に洗い流してください。

体は、まずお腹や腕、足などを洗います。体の正面を洗い終わったら、逆の手に赤ちゃんを乗せかえ、背中を洗います。皮脂がたまりやすい耳の裏や首まわり、脇の下は、特に入念に洗い、すすぎます。

最後は、頭と体全体に上がり湯をかけ、ベビーソープを十分流すことが大切です。

たくさんの泡で洗われる赤ちゃん

6.あがったら全身を拭いて服を着せる

お湯から上がったらタオルで全身を包み、体を拭きます。赤ちゃんは短時間で冷えやすいため、素早く水分を拭き取ることが大切です。

体を拭く際は、タオルをぽんぽんと優しく押し付けるようにすると肌を刺激しません。体が拭けたら、準備しておいたおむつと服を着せます。

へそのくぼみや耳、鼻の穴などに水が入っている場合は、服を着せてからタオルの端やベビー用の綿棒で優しく拭き取ります。

7.しっかり保湿する

赤ちゃんは乾燥しやすいですが、お風呂上がりは特に乾燥しやすいため、入念に保湿することが大切です。季節を問わず、ベビーローションや乳液、クリームなどでしっかりと肌をケアすると良いでしょう。
保湿を徹底すると、痒みや粉ふき、肌荒れなどを予防できます。

体が冷えないよう全身の保湿を手早く済ませたら、沐浴終了です。

なお、毛量が多い赤ちゃんは、髪をコームでとかしたり、しっかりタオルドライをしたりするヘアケアも必要です。新生児は髪の毛が細く乾きやすいため、基本的にドライヤーは必要ありません。

しっかり保湿する

沐浴のコツや注意点

最後に、沐浴のちょっとしたコツや注意点をお伝えします。

沐浴時間の目安:10分以内

長湯は赤ちゃんの負担になってしまいます。入浴から着替えまででトータル10分以内を目安にすると良いでしょう。

支え方のコツ:余計な力は抜く

不安定な赤ちゃんの頭を片手で支えるのが難しいときは、ベビーバスの端にママの肘を置くようにすると、少し楽になります。

赤ちゃんがリラックスできるよう、ママやパパも余計な力を抜き、ゆったりとした気持ちで支えてあげられると良いですね。

赤ちゃんが泣きだしたら?沐浴布を手に握らせる

沐浴中に赤ちゃんが泣きだす場合、体が不安定な状態になり、不安になっているのかもしれません。そんなときは、沐浴布を手に握らせるか両手を握って、優しく声をかけると、安心して泣き止む赤ちゃんが多いです。

沐浴中にあやすと赤ちゃんの体が冷えてしまうため、声をかけながら先に洗ってしまいましょう。沐浴を終わらせ服を着せてからあやせば大丈夫です。

耳に水が入ったら?慌てなくて大丈夫

もし、赤ちゃんの耳に水が入ってしまっても、焦る必要はありません。耳には毛が生えていて、水を弾くようになっています。また、万が一耳の中に水が入っても、そのほとんどが体温で自然に蒸発するといわれています。

心配な場合は、お風呂上がりにガーゼや綿棒で優しく吸い取ってあげると良いしょう。綿棒は短く持ち、耳の奥まで入れないように注意してくださいね。

大泣き中の赤ちゃん

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新生児は、細菌感染を予防するために沐浴をします。退院後すぐに沐浴が始まるため、ベビーバスや湯温計、ベビーソープなどの必要なものは事前に準備しておくと良いでしょう。

また、事前にやり方をしっかりシュミレーションしておけば、スムーズに進められます。首が座らない赤ちゃんの沐浴は不安に思うかもしれませんが、短い期間のことです。ぜひこの貴重な時間を大切にして、赤ちゃんとの時間を楽しんでください。

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