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2019/10/8更新

世界のプログラミング事情から見えてくる現在と未来

来年から小学校での“プログラミング教育”がスタートすると聞いて、「子どもにIT教育?」と不安を覚えているママやパパも多いはず。でも海外では小学生からプログラミングを学ぶことなんて当たり前、今や日本でも子どもの習い事として英語と並び注目されています。劇的に変わっていく社会のなかでなぜプログラミング教育が必要なのか? プログラミングスクール「テックアカデミー」を運営するキラメックスの代表・樋口隆広さんに教えてもらいました。

私たちはすでにプログラミングに接して生活をしています

mama’s life編集部:ここ数年、プログラミングというワードを本当によく聞くようになりました。子どもを持っている親御さんは、いよいよプログラミングについて避けて通れなくなっていますよね。

樋口さん:その通りですね。いつも皆さんに質問をさせていただくのですが、ご自宅にコンピューターはいくつありますか?

mama’s life編集部: 5台ぐらいですかね。

樋口さん:今コンピューターと聞いてパソコンを思い浮かべたと思うのですが、実は洗濯機や冷蔵庫、エアコン、炊飯器なんかも全部プログラミングされたコンピューターなんです。となると各家庭にだいたい10台はコンピューターがあるんじゃないでしょうか。
つまりパソコンを持っていないご家庭にもコンピューターはあって、私達とは切っても切り離せないものなんです。

mama’s life編集部:気づかないうちにコンピューターに囲まれて生活していたんですね。

樋口さん:車もそのひとつなんですよ。
最近IoT(アイオーティ)という言葉をよく聞きませんか? 
これは“身の回りのモノがインターネットに接続されること(Internet of Things)”で、例えば車がIoT化することで様々なインフラやサービスと繋がって事故や渋滞ゼロの社会を実現するということが可能になるんです。
スポーツ業界でもIoT化の波は来ていて、海外のスポーツチームで選手がIoTベストを着てデータを測定することでコンディション管理をするのが当たり前になっています。
今挙げたのはテクノロジーの進歩によってできるようになったことのほんの一例ですが、こうした技術は家庭や産業でも幅広く活用されていて、2020年代は自動運転、AI、遠隔機器、ビッグデータ、VR/ARといったキーワードによって世界的に大きな変化が訪れるとされています。

mama’s life編集部:日本はこういったテクノロジーの分野で先進国なんですか?

誰もがテクノロジーを使いこなさないと生きていけない世の中になっていく

樋口さん:政府としては未来のコンセプトを「Society5.0」と銘打って改革を推し進めているのですが、残念ながら後進国になってしまっています。
世界では国を挙げてイノベーションエコシステム(先端産業の育成や経済成長の好循環を生み出すビジネス環境)に取り組んでいる国も多く、中国やアメリカではテクノロジーを推し進める大きなポイントとなる“5G”(現状の4Gに比べて高速大容量・低遅延・多接続のシステム)の領域をどう取るかが大きな話題となって次々にベンチャー企業が生まれて新しい技術もどんどん開発されています。
韓国では世界初の5Gの民間利用がニュースになりました。
その流れのなかで世界の企業の時価総額を見ると、メールやネット(2G)が使われていた30年前(1990年代)と比べるとトップ10が様変わりしていて、今ではトップ10社中8社はソフトウェア企業になっています。
私たちのライフスタイルを振り返っても、いわゆる“GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)”がなかったら生活が成り立たないですよね。

mama’s life編集部:こうした世界的な流れが、来年から小学校で始まるプログラミング教育とも関係しているのでしょうか?

樋口さん:そうなんです。
みなさんインターネットにアクセスしない日はないように、これからは子どもから大人まで、誰もがテクノロジーを使いこなさないと生きていけない世の中になっていくと思います。
ところが今、日本のプログラミング教育は世界と比較するとものすごく遅れています。
例えばインドでは2005年から小中学校でプログラミング教育を始めています。
というのも、インドにはカースト制度という身分制度があるのですが、エンジニアになればその外に出られるそうなんです。
エンジニアは高給取りでもあるのでエンジニアが出た村は繁栄するとも言われていて、みんな血眼になってプログラミングを勉強するのだそうです。
その他にもロシアでは2009年から、アメリカは2011年からと、早くからプログラミング教育を取り入れています。後進国と言われるルワンダでも1人1台のパソコンが配布され、ルワンダ紙幣の裏にはパソコンを使う子どものイラストがプリントされていますから国を挙げてプログラミング教育に取り組んでいることがわかります。

mama’s life編集部:日本がそこまで遅れているとは、まったく知りませんでした。

樋口さん:日本でも来年からプログラミング教育が始まるわけですが、だからと言ってすぐに実践的なコーディングを学ぶわけではなくて考え方を学んだり、算数や理科といった特定の教科のなかでコンピューターを使った学習をしたりするところからはじめ、プログラミングの基礎の基礎を学ぶイメージです。
文部科学省でも「高度なスキルは民間の教育企業で並ぶ必要がある」と明示していますから、他国の水準になるにはまだ時間がかかりそうです。
とは言え2024年度からは大学入学共通テスト(旧センター試験)で必須科目になるという声もありますし、今後ますますプログラミング教育は重要性を増していくと思います。
とにもかくにも、我々大人とはまた違った生き方をしないと生き残っていけない未来に子どもたちが向かっていることを認識することが、これからの教育には重要なってきそうです。

将来AIに代替される可能性がある職業を考えた選択が必要に

mama’s life編集部:私達の子どもが社会に出る頃にはどんな職業が求められるのか知りたいです。

樋口さん:マイケル・オズボーン博士の「未来の雇用」という論文では、将来AIに代替される可能性がある職業として経理事務や一般事務、レジ打ち、タクシー運転手などが挙げられています。
懐疑的な方もいるかもしれませんが、実際に地下鉄では60年もの間改札係が切符を切っていたのが、今はその役割を自動改札機が担っています。そうやってAIやIoTの進歩によって10~20年以内に半数近くの職業が機械に代替される可能性があると言われています。
その一方で日本のIT人材はものすごく不足していて、2020年には36.9万人、2030年の時点では約80万人が不足すると予測されています。

mama’s life編集部: ITによってなくなる職業もある一方で、IT人材が不足するというのは、また複雑ですね。

樋口さん:不足するIT人材を日本人が埋められるのか、移民を受け入れて外国人の人材が増えていくのかはこれからのプログラミング教育にも関わっています。
今テクノロジーを活用している企業にいる方々は、日本でもこうした人材が育っていかないと国の産業が成り立たなくなってくるという危機感を抱いていて、プログラミング教育の必要性を痛切に感じている気がします。
終身雇用や年功序列といった日本型の雇用形態も終焉を迎えつつあるなか、ますます能力やスキルがなければ生きていけない世の中にもなっていきますから、スキルのひとつとして子どもの頃からプログラミングを学ぶことはとても意義深いことだと考えています。

樋口隆広さん
1990年、新潟県生まれ。
国内最大級のプログラミングやアプリ開発を学べるオンラインスクール「テックアカデミー」を運営するキラメックス代表取締役社長。
昨年から開講した小中高校生向けの「テックアカデミージュニア」も注目を集める。

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