芸能人のすっぴんショッピング!-塚本晋也さん「『野火』の追体験を、どうしてもしたかった…」-

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  • 2016.05.11更新
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第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島の凄惨なる状況を紡いだ、作家・大岡昇平の『野火』。今も読み継がれるこの名作を塚本監督自身が主演、2015年7月に公開されたのが『野火(Fires on the Plain)』。単館順次上映ながら公開後に話題となり、日本各地で今なおロングラン上映を続ける本作が、特典映像を収録して待望のブルーレイ&DVD化。さらに塚本監督の名作7タイトルが初ブルーレイ化され、3ヶ月連続でリリースされる『SOLID COLLECTION』の発売も決定! そんな塚本監督にご自身の作品に関する想いを語って頂きました。 「一生の設計図を、手帳に書いています(笑)」 愛用品&オススメ 最新情報 プロフィール

「一生の設計図を、手帳に書いています(笑)」

塚本晋也さん

『野火』の反響は、すごいですね。

ありがたいことです。多いところだと、3回目のアンコール上映が決まった映画館もあります。ミニシアターなんですが、個性豊かなところばかりで本当に良かったなと思います。

原作を高校時代に読み、また市川崑監督の『野火』もその時期に見たとのことですが……。

そうです。市川崑監督の作品が大好きで、僕自身も露骨な影響を受けましたが、『野火』に関しては原作を先に読んでいたのもあり、僕の中で市川監督とだいぶ違う印象があったので、市川監督の名作があってもどうしても、もう一度作りたかったんです。市川監督の『野火』は兵隊さんに焦点が向いていて、フィリピンの風景があまり描かれていなかったんですね。でも、自分が原作を読んだ時はフィリピンの大自然が目の前に浮かんで、その中で人間はなんてちっぽけなことをしているんだろうというコントラストが頭の中に焼き付いたんです。その追体験を是が非でもしたいということで、自分でも映画を撮りたいと思いました。

特典映像では、撮影にまつわるドキュメンタリーが収録されているんですよね?

『野火』本編と同じくらいの大作です(笑)。何十年もかけて企画していたことを、1時間にギュッと凝縮しました。10年前にインタビューをした実際の戦争体験者の方の話も入っていますし、その方々と一緒に行ったレイテ島での遺骨収集の映像も入っています。もちろんメイキングや公開時の劇場回りの様子も収められてます。映画だけでなく、このドキュメンタリーも併せて見てもらいたいという気持ちがとても強かったので、今回それが叶って嬉しいですね。

塚本晋也さん

さらに監督の過去の作品が『SHINYA TSUKAMOTO Blu-ray SOLID COLLECTION』として発売されるということですが、全7作のうち一番思い入れの強い作品は?

自分の会社である海獣シアターで、作りたくて作ったのがこの7作品なので、すべてですね。すでにDVDにはなっていたのですが、映像を作り直してBlu-ray化しているので、映像のクオリティは格段に上がっています。割と初期の作品が多いので、もし『野火』で僕の作品に興味を持ってくれた人がいたら、過去の作品も見ていただけたらと思います。

未公開シーンや予告編なども収録されているそうですね。

『鉄男』に関しては、最初は1時間17分で作ったんですが、後で1時間7分に編集して公開したんです。結構面白いシーンが入っていたんですが、映画はテンポが大事なのでカットしました。メガネをかけた女が襲いかかるシーンがあるんですが、本当は襲いかかる直前にいきなりタップダンスを踊り出すんです(笑)。そのシーンは最後まで入れるか悩んだんですけど、どうしてもテンポのほうを取っちゃって……。それも今回、見ることができます。

そんな監督の人となりに関してもお伺いしたいのですが、制作活動において影響を受けた人はいますか?

外国の作品で言えば、マーティン・スコセッシ監督の作品はいつもすばらしいなと思います。日本では、「全然違うじゃん!」と言われるけど、黒澤明監督ですね。黒沢監督は巨匠の大親分ですけど、いつも娯楽を提供して、実験精神があって、そのバランスを最高の形で表している人だと思います。

多忙な中、監督がやりたいことをどうやってスケジューリングしているんですか?

システム手帳過去に作った映画と、これから作りたい映画を全部書いています(笑)。一生の設計図みたいな感じで、撮れた作品は「これは終わった」と印をつけていますね。予定が変わることもあるんですが、それがまた面白いんです。携帯でもスケジュール管理はしていますが、やっぱり手帳じゃないと自分の頭がうまく動かないので、いまだに手帳に書き込んでいますね。

プライベートで、好きなことや物はなんですか?

自転車に乗るのが好きですね。12年前に買った通勤用の自転車をボロボロになった今でも乗っています。フレームがアルミ素材の自転車なんですけど、もう同じタイプのものがないから、どうしても買い換えられないんですよね。あえて言える趣味は、これくらいです(笑)。

では最後に、今後監督がやりたいことを教えてください。

時代劇みたいなものも撮りたいし、怪獣映画も作りたいんです。ふと「あれっ、僕が怪獣映画を撮っていないなんて、不自然だよな……」と気づいたんですよね。後はライフワークみたいに考えているのが、自分が子供だった高度成長期時代の話です。これと『野火』が僕のライフワークなんです。1本は撮り終えたので、もう1本を……、ちょうど東京オリンピックの時代だったので、次のオリンピックに合わせてなんとか撮れたら良いなと思っています。

愛用品&オススメ

  • 野火 大岡昇平

    『野火』(大岡昇平著:新潮文庫)

    10代でこの本を読んだのですが、自分自身はもちろん兵隊でもないし、フィリピンに行ったこともないのですが、あたかもフィリピンにいるような、そして戦場にもいるような感覚になりました。武勇伝みたいな感じじゃなく、実際に戦争に行ったらこんな気持ちになるのだろうと納得させられましたね。

  • 太平洋ひとりぼっち 堀江謙一

    『太平洋ひとりぼっち』(堀江謙一著:角川文庫)

    中学の時に映画監督になるか、冒険家になるかで悩んでいたんです。堀江さんが小さなヨットで太平洋を横断する航海記なんですが、映画作りにも参考になる僕のバイブルです。なぜ太平洋を渡るのかという質問には「ただ渡りたいから」と答えるんですが、そのためにすごく綿密な計画を練るんです。僕の映画作りにかなり似ているな、と思います。

  • 沖縄そば

    沖縄そば

    沖縄に行くと、必ず食べます。子供の頃から沖縄がなぜか好きで、中学の時は図書館でいつも沖縄の写真集を借りていて、その図書カードには僕の名前しかなかったくらいです(笑)。初めて行ったのは30歳後半で、国際映画祭の帰りのルートを変更してもらったんです。沖縄では原付バイクに乗って法定速度の旅で(笑)島内を一周しました。これが、目がハートになるくらい楽しくて……。その旅の始まりが、沖縄そばだったんです。食べるとなんか、嬉しい気持ちになるんですよね。今も沖縄に行くと必ず食べますが、いつも「沖縄に来たなぁ〜」と思える食べ物です。

  • α7S供SONY)

    α7S供SONY)

    今、買おうと計画しているカメラです。ライトを使わなくてよくて、携帯の明かりをちょっとつけただけでも爆発的に感知してくれるんです。照明が必要なくなるので、映画を撮る時には百人力になってくれそうなんですよね。カメラの形も弁当箱みたいで、ほおずりしたくなるんですよね(笑)。

最新情報

『野火』(DVD/Blu-ray)

5月12日リリース

(キャスト)
塚本晋也 リリー・フランキー 中村達也 森優作
監督:塚本晋也 
原作:『野火』大岡昇平(新潮文庫)
発売元:松竹株式会社




『野火』(DVD/Blu-ray)
『鉄男』

プロフィール

塚本晋也(つかもと・しんや)さん
1960年生まれ。
1987年制作『電柱小僧の冒険』でPFFグランプリ受賞。
1989年、『鉄男』で劇場映画デビューと同時に、ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。
主な作品に『悪夢探偵』『KOTOKO』などがある。

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