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2018/10/12更新

本当にネギの香りがする! おやさいクレヨンのひみつを 「mizuiro株式会社」さんに 聞いてみた。

みなさんは『おやさいクレヨン』という名前のクレヨンを、聞いたことがありますか? 青森の小さなデザイン会社から販売されているこのクレヨンは、地元の廃棄されてしまう野菜を再利用し、100%自然由来の原料のみで作られた商品。 お子さんの安全を一番に考えるお母さんの間で、今人気を集めています。 そんな、環境にも安全性にも配慮した『おやさいクレヨン』をデザインされたmizuiro株式会社をEarth Mall編集部が訪問しました。 代表である木村さんのクレヨンに込めた想いと、その人気の秘密を探っていきましょう!

「小さい頃から、絵を描くことが好きだった」

本日はよろしくお願いいたします!
実は、今回取材に先立っておやさいクレヨンを購入しまして、息子にプレゼントしたんですが、すごい気に入ってお絵描きをしてくれています!

そうなんですね!笑
実際にお子さんが楽しんで使ってくれているという話を聞けるのが一番嬉しいです。ありがとうございます。

ウドウのアイコン画像 今では青森を飛び出して、日本全国の親子に人気のおやさいクレヨンですが、なぜまず制作しようと思ったのが“クレヨン”だったのでしょうか...?

元々は、私自身が小さい頃から絵を描くのが好きだった、というところから始まっているような気がします。青森の地元の専門学校に通っていた時も、画材としてクレヨンは大変身近なものでした。
加えて、クレヨンには「親子の時間を作ることができる」という側面もあると思ったんですね。
どんな子供でもお絵描きは好きなもの。親子で過ごす時間のきっかけになれるのではないかなと考えました。

ウドウのアイコン画像 確かに、おやさいクレヨンは大人から見ても面白い商品ですし、親子で一緒に遊べますね!
木村さんが“親子の時間”や“子供に向けた商品”にこだわった理由はあるのでしょうか?

“親子の時間を大切にできる”オリジナル商品を

はい、この会社を立ち上げる前に、数年間デザイン事務所で働いていたんですね。
子供が生まれてからすぐ現場復帰したのですが、ちょうどそのタイミングでシングルマザーになりまして、以前のようにガツガツ働くことよりも娘と時間を過ごすためにワークライフバランスを改めるべきではないかと考えるようになりました。
その結果、2012年に独立するという決断をし、自宅で仕事ができるようになることで娘との時間を作ることができたんです。
そんな私自身の経験も反映されて、親子に向けたオリジナル商品を制作したいと願うのは、大変自然な流れだったように思います。

木村さんご本人の経験が存分に反映されたクレヨンなんですね...!

次はクレヨンのこだわりについて、私からお伺いします!

野菜そのものを感じることができるクレヨン作り

まず最初に気になったのが、“色の名前”でした。
普通のクレヨンとは違って、お野菜の名前がそのままクレヨンにつけられていますよね?

そうなんです!
おやさいクレヨンは、規格外などの理由で廃棄される地元の野菜を再利用することで製造しています。
クレヨンを使ってくれる子供達に、食べられずに廃棄されてしまう野菜の存在を少しでも知ってもらうことはもちろん、「この野菜はこんな色なんだ!」「こんな匂いがするんだ!」という発見をしてもらう食育的な願いも込めて、野菜そのものの名前をつけました。

えっ!匂いもするんですか!!
嗅いでみたいな。少しだけお絵描きしてみてもいいですか...?

もちろん!子供たちからも実際に何かを描いてみた方が、香りがすると言ってもらえるのでぜひ!
おやさいクレヨンの中でも、一番匂いが強いのが“ねぎ”なんです。
そしたら今回はねぎくんから直接紹介してもらっちゃおうかな...。

...?

ねぎくーん!

はーい!イシダさん、こんにちは!

こ、こんにちは!ねぎくん...? とても元気がいいですね笑

はい!今日はぜひ僕たちおやさいクレヨンの魅力をいっぱい感じていってくださいね!!
ねぎって野菜の中だと、かなり強烈な匂いがしますよね?
そのおかげなのか、僕のクレヨンが一番野菜そのままの匂いがするんですよ。何か描いてみてからそこを嗅いでみてください!

じゃあせっかくだから、ねぎの絵を描いてみようかな...。
カキカキ...クンクン...。
本当だ。強烈な匂いではないけど、ねぎの独特な匂いが残ってる。

感じてくれてよかったー!
僕みたいに種類によっては、匂いや味もそのまま残っているクレヨンたちもあるので、普通のクレヨンみたいにただ描いて楽しむ以上の面白さがあるのが僕たちの誇りです!

そうだね。これだったら私みたいな大人が使っても面白いって思うな。
もうひとつ気付いたのだけど、色も淡くて素敵だね!
クレヨンの色だともう少し濃いかなーと思ってたけど、描いてみると薄めで独特の色合いというか...。

それも僕たちおやさいクレヨンの魅力のひとつ。
淡い色合いは野菜そのものの色合いに近づけていて、いつも使うクレヨンにはないような微妙なニュアンスが感じられるはずです!
描き心地も滑るような、不思議な感覚がしませんか?

うん。紙の上を滑るような感覚。
スラスラ描けるし元の色が淡いから、色の濃淡も表現しやすそう。

そうそう!プロの絵描きさんたちからの評判も上々なんですよ!
匂い・独特な色合い。もうひとつ気付くことはないですか...?

うーん、なんだろうなあ...。
...ん?もしかして“青色”がない...!?

正解!そうなんです!
おやさいクレヨンには青系の色がないんです。
そもそも野菜の中には、青い色をしたものがないので当然とも言えるんですが、無理に青色を入れることも木村さんはしなかったみたいなんですよね。

ねぎくん、私の代わりに説明してくれてありがとう笑
青色に込めた想いは私からお話させていただきますね。

野菜では表現できない“青色”に込めた想い

実は、mizuiro株式会社の名前にしたくらい、私は水色や青系の色が大好きなんです笑
クレヨンに野菜を使おうと思ったきっかけも、ある時に藍染体験をしてその鮮やかな藍色の“生の色”“自然の色”に感動したからでした。
その青色を野菜では表現できない、そんなところにも私は運命を感じて「無理して青色を入れない方がいいんじゃないだろうか」と考えたんですね。
私たちが作るおやさいクレヨンは、青森の野菜をリアルに表現する“青森のカラーパレット”であるべきだと思いました。
だからこそ、少し“不自由なクレヨン”だと思います。だけれど、普通のクレヨンとは違う“不自由”が、おやさいクレヨンを選んでいただく理由・良さに繋がるような気がしました。

“青森のカラーパレット”ってとても素敵な表現です!
クレヨンそのものの汎用性よりも、青森の野菜をより近くに感じてもらうことを選んだんですね。

はい。だからこそ、クレヨンのパッケージは水色にしたり、デザインの所々に青を使っていたりします。
ちなみに、青色を含めた普通のクレヨンの色々を楽しみたい方のために『おこめのクレヨン』も販売していますので、そちらもおすすめです。

「次の世代にも繋がるアクションを、コツコツと」

木村さん自身、おやさいクレヨンはどんな人に使って欲しいと思いますか?

子供たちにはやっぱり使って欲しいと思いますね。最近ではイベントも多く行なっているので、直接子供たちのリアクションを見て、おやさいクレヨンが野菜に興味を持つ機会を作ることができる可能性を感じています。
そして、ゆくゆくはおやさいクレヨンで遊んだ子供たちが大人になって、自分の子供にまたプレゼントするような。そんな素敵なサイクルができたら嬉しいです。

二世代に渡って愛されるプロダクトか...。実現したらデザイナー冥利に尽きますね。
最後に、木村さんご自身の、そしてmizuiro株式会社の今後の展望をお聞かせください。

はい、このおやさいクレヨンの制作を進めるに当たって、青森の農作物の状況にも触れる機会が沢山得られました。
そうした中で、青森を含め日本にはまだまだ利用価値があるのに廃棄されてしまうものが溢れていることに気付きました。青森に限って言えば、ホタテの貝殻だったり野菜以外にも再利用できるものがあるはずなんです。
だからこそ、小さなアクションでもいいから再利用可能な原料を使った商品を開発して、ラインナップをさらに増やして行くのが現在の目標です!
青森の良さをさらに知ってもらう機会にもできたら、もっと嬉しいですね!

今回お話を伺った木村さんは、次の世代にも関わる環境の問題や、子供との関係にも良い影響を起こすことができる道具として『おやさいクレヨン』をデザインされました。

クレヨンとしての独特な魅力もさることながら、地元青森の廃棄されてしまう野菜を使っているというメッセージは子どものみならず、親世代のみなさんにとっても面白みを感じるポイントではないでしょうか?

青森のお土産としてもぴったりですし、“青色”の物語はお子さんとの会話のタネにもなるかも。
今回は紹介し切れませんでしたが、mizuiro株式会社さんではクレヨン以外にも安全性を考慮した子ども向けのラインナップが揃っています。

是非、おやさいクレヨンで“親子の時間をデザイン”してみてくださいね!

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今回の EARTH MALL イノベーター

mizuiro株式会社 社長
木村尚子さん

青森市出身、地元の専門学校でデザインを学ぶ。デザイン会社で経験を積み、2012年にフリーランスデザイナーとして独立。2014年3月に「おやさいクレヨン」の第一弾が完成し、同年9月にmizuiro株式会社を設立した。 自身の子育て経験から「親子の時間をデザインしたい」というコンセプトのもと商品開発を行う。それと同時に地元青森を盛り上げることにも尽力し、廃棄野菜問題に目を向けた「おやさいクレヨン」や「おこめのクレヨン」「おやさいねんど」などを開発。

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