令和7年度国産乳製品等競争力強化対策事業(国産チーズ競争力強化支援対策事業)


日本国内約300軒を超える工房で、こだわりと職人の技が光る美味しいチーズが作られています。
今回は、鹿児島県の本州最南端で丹精込めたチーズをつくる工房を訪ねました。

鹿児島県は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、畜産業が盛んな土地です。
そんな鹿児島に2018年誕生した、日本本土で最も南にある希少なチーズ工房を訪ねました。
コトブキチーズは牧草からチーズまでの一貫生産体制で、鹿児島らしさを活かした独創的なチーズづくりに取り組む工房です。
一般的にチーズづくりは涼しい環境で行われることが多いですが、南の国のチーズはフレッシュでありながら、味わい深さが魅力です。
取材:2025年7月


コトブキチーズの運営母体は畜産飼料会社。社長が北海道で国産チーズに感動し、「自社の強みを生かした一貫生産」を決意したのが創業のきっかけでした。
飼料メーカーならではの知見を活かし、ジャージー牛を自社飼育+委託で管理。乳脂肪分を高める独自の飼料設計により、通年安定した高品質なミルクを確保しています。
そんなミルクを使って生み出されるのが、コトブキチーズのチーズ。最大の特徴は、牧草からの飼料設計、酪農、そしてチーズ製造まですべてを自社で一貫して手がける取り組みにあります。
ジャージー牛の特徴である高い乳脂肪分を最大限に引き出し、牛乳そのものの味わいを生かしたチーズづくりを実現しています。
この一貫生産体制こそが、「フレッシュなのにコクがある」な理由のひとつです。


コトブキチーズの代表作はフレッシュタイプの「カノヤチーズ」。サワークリームのような爽やかな酸味とミルクの濃厚さがシンプルに楽しめる逸品です。
くせが少なく、料理との相性も抜群。フレッシュチーズでありながら、ジャージー牛の濃厚なミルクの旨味をダイレクトに感じられる、まさに一貫生産体制により生まれる味わいが魅力。子どもから大人まで楽しめるチーズです。
すべてのチーズは独自レシピで作られており、栄養価が高いのも嬉しいポイント。
またチーズの実力も折り紙つきです。
受賞歴も「カノヤチーズ」、「kanoya white」、「KANOYA WASH CHEESE」など複数のチーズで、Japan Cheese Awards 2018年 銅賞・銀賞、2020年 金賞・銅賞を受賞。
World Cheese Awardsでは「KANOYA WASH CHEESE」、「kanoya white」がシルバーを受賞しています。

肥沃な大地が育てた牛乳はもちろん、シンプルな味わいを大切にしながら、そこに地元食材である「芋焼酎」やいちごなど農作物を組み合わせることで個性を表現しています。
ひとつひとつに手間をかけた丁寧なチーズづくりが行われているため、大量生産は難しいのが現状です。
オンラインショップや併設のカフェ・ショップ「TATE BAKERY CAFE」などで、出会えたらぜひ味わってほしいチーズです。











No.1人気のフレッシュチーズ。そのまま味わうのはもちろん、生ハムなど肉の味にも負けない旨味の力強さをぜひ。サラダやパスタにも合い、スイーツにもなる万能チーズ。
鹿屋市の大海酒造の本格芋焼酎で磨き、熟成させたウォシュタイプのチーズ。複雑な風味を活かしてお酒のおつまみとして最適。鹿児島の食文化を感じられます。
