令和2年度国産乳製品等競争力強化対策事業(国産チーズ競争力強化支援対策事業)
チーズの中でもひときわ存在感のあるブルーチーズ。見た目のインパクトに比例する強烈な風味と濃厚な味が特徴の青カビタイプのチーズです。そんなブルーチーズですが、実はわさびとの相性もよいのだとか。
わさびといえば、長野県信州が有名。わさびに合わせるブルーチーズも長野県の工房で作られたものとマッチングさせたいですね。そこで、ブルチーくんと一緒に長野県安曇野地域で名物の「わさび丼」とベストマッチするブルーチーズを探しに行ってみました。
日本国内約300軒を越える※工房で、こだわりと職人の技が光る美味しいチーズが作られています。
今回は、わさびの名産地である長野県でチーズ工房を探してみることにしましょう。
※2019年12月独立行政法人農畜産業振興機構調べ
長野県 浅間山の麓の豊かな自然に囲まれた東御の地にチーズ工房を構えるアトリエ・ド・フロマージュ。
東御産の原料で東御でしか出せない味にこだわったチーズ作りを行っています。フランスの製法をベースにした独自の製法から生まれる渾身のチーズは高品質ながらやさしい味わいで、口にした人をあっと驚かせます。創業者松岡夫妻がフランスより持ち帰り、日本で培ってきた確かな技術は、今もチーズ工房スタッフの一人一人に受け継がれています。
今回は、チーズ工房 チーフの塩川和史さんからお話を伺わせていただきました。
アトリエ・ド・フロマージュのチーズの原料の生乳は、地元の牧場から集められたホルスタイン種と、自社牧場であるフロマージュ牧場(毎朝集乳します)のジャージー種をブレンド。チーズの種類毎に割合を替えて調整を行っているそうです。
ミルクやチーズの状態は毎日繊細に変化します。温度計や機械などに頼りすぎると、ミルクやチーズの細かな変化を見逃してしまう、自分の目と感覚がもっとも正しいと塩川さんは語ります。
それは長年の経験と研究があったからこそなせる技。その領域に達するまで3年を要しましたが、この感覚がわかるようになってから、チーズ作りが楽しくなったといいます。
「フランスに負けないブルーチーズを作りたい!」その思いを胸に、工房のチーフである塩川さんは試行錯誤を繰り返しました。
数年間にわたる挑戦の結果、ヨーロッパの模倣ではない、地元長野にあった製造方法に到達。2015年には、権威ある「モンディアル・デュ・フロマージュ」の最高賞・スーパーゴールドを受賞しました。
やわらかな風味が生き生きと感じられるその味は、日本製チーズの素晴らしさを本場ヨーロッパに知らしめる快挙へとつながったのです。
どのチーズもおすすめですが、特にためしていただきたいのが『ブルーチーズ』です。お隣の小諸市のワイナリーの蒸留酒でウォッシュした『マールウォッシュ』も大変おすすめのチーズです。
チーズの外側を塩水やお酒で洗いながら熟成させる「ウォッシュタイプ」。アトリエ・ド・フロマージュの『マールウォッシュ』は、小諸市マンズワインの蒸留酒で、表皮を丹念にウォッシュして作り上げられます。表面はしっとりと濡れており、やわらかく、独特のクセと香りと深いコクが特徴です。ナッツのような風味が口の中に広がります。軽めの赤ワインや、ハム・ソーセージとの相性もバッチリです。
世界を驚かせたアトリエ・ド・フロマージュのブルーチーズ。「食べやすいブルーチーズ」としても高い評価を得ていますが、それは決して刺激が少ないという意味ではありません。
ブルーチーズは、毎日少しずつチーズの表面に塩をすり込みながら熟成させることによって、青カビを繁殖させていきます。そこで、通常よりも早い段階で金属箔に包むのが塩川流。光と空気が遮断されることで青カビの成長が緩やかになり、特有の風味が強調されると言います。
こうして出来上がったアトリエ・ド・フロマージュのブルーチーズは、いわゆるクセが強めの本格派。独特の塩味や香り、そしてナッティな香ばしさは豊富でありながら、食べやすさが両立されているのは、芳醇なクリーム成分がたっぷりと含まれているからです。「乳脂肪が多いと、より滑らかな口当たりになり、食べやすくしてくれるのですね」と塩川さん。ブルーチーズならではの強い刺激をクリームが円やかに包み込む。その絶妙なバランスが世界を唸らせたのです。
「わさび丼」は、わさびを薬味としてだけでなく、わさび自体を美味しくいただくために生まれた
信州安曇野地域で食べられる料理です。
北アルプスの雪解け水で育ったわさびと、長野県東御市で作られた特有の風味が存分に堪能できるアトリエ・ド・フロマージュの
ブルーチーズを組み合わせるとどのような味の相乗が生まれるでしょうか?
ブルーチーズは香りの強い食材にも負けないので、わさびの香りや辛みとも相性がよいのだとか。また、酒粕との相性もよくチーズと同じ発酵食品の「わさび漬け」と組み合わせるのも面白い味になるかもしれません。アトリエ・ド・フロマージュのブルーチーズは、青カビ独特の刺激を残しつつ、まろやかで食べやすいことが特徴なので、和食系のやさしい味のアクセントにもなり、味わいの幅を広げてくれます。
「僕は、ブルーチーズをショートパスタのソースにしたり、クリームチーズと合わせたディップを野菜にからめるのが大好きです。」と塩川さん。「クミンの粒と一緒に食べるのもオススメ。特有の香りが和らぐので、食べやすくなるんですよ」と面白い組み合わせを教えてくれました。
アトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」と信州安曇野で採れたわさびを使って、ブルーチーズの「わさび丼」を再現してみました。
ブルーチーズは、フォークなどで食べやすくほぐしてトッピングするのがポイント。
食べる時は、お醤油をひと回し。ごはんとブルーチーズとわさびがすべて混ざるようにすくって口に運んでください。
見た目のインパクトはありますが、これが意外とクセになる味わいです。
時間が経つにつれ、あたたかいごはんの熱でチーズが少しづつ溶けるので、リゾットにも似た味わいに変化していきます。
トッピングに海苔やネギなどをプラスすると、より和の風味を楽しむことができます。
わさびは、すりおろしたものを合わせるのが一番のおすすめですが、入手が難しいためチューブのわさびで代用しても美味しくいただけます。
いかがでしたでしょうか?
長野県の「ブルーチーズ」と「わさび」のマッチーズ度は100%!意外な組み合わせでしたが、今まで味わったことのない驚きを約束します。ぜひ、ブルーチーズのわさび丼をご賞味ください。
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