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全豪オープンテニス2017 WOWOWで1月16日(月)~1月29日(日)連日生中継!!


クレジット/錦織圭、セレナ・ウイリアムズ、ケルバー、ナダル、フェデラー、マレー、ジョコビッチ Getty Images、大坂なおみ 写真:アフロ

錦織 圭 選手

■錦織圭選手の全豪オープンテニス2017試合結果

4回戦
1 2 3 4 5 sets
錦織圭(JPN) 7 4 1 6 3 2
ロジャー・フェデラー(SUI) 6 6 6 4 6 3
3回戦
1 2 3 4 5 sets
ルーカス・ラッコ(SVK) 4 4 4     0
錦織 圭(JPN) 6 6 6     3
2回戦
1 2 3 4 5 sets
ジェレミー・シャルディ(FRA) 3 4 3     0
錦織 圭(JPN) 6 6 6     3
1回戦
1 2 3 4 5 sets
錦織圭(JPN) 5 6 6 6 6 3
アンドレイ・クズネツォフ(RUS) 7 1 4 7 2 2

■錦織圭選手の試合放送予定

トーナメント表


大会レポート

レポート【大会最終日】

―大会レポート―最終日
フェデラーがナダルを下し、メジャー通算18勝目
2017/01/29


 第17シードのロジャー・フェデラーが長年の宿敵ラファエル・ナダルとの、3時間37分におよぶフルセットを制して、全豪オープンでは7年ぶり5度目の優勝を飾った。フェデラーのグランドスラム優勝は2012年のウィンブルドン以来5年ぶりで、通算記録では自己の記録を更新して史上最多の通算18回になった。この決勝戦が全豪オープン100試合目にあたり通算87勝13敗。35歳174日の優勝は1972年の全豪を制したケン・ローズウォールの37歳62日に次ぐ高齢での栄冠だった。

 昨年のウィンブルドンから故障のために半年間コートを離れていたフェデラー。一方のナダルも左手首の故障で10月には戦列を離れていた。過去10余年にわたりテニス界を支配し、三十路を越えた2人がよもや再びグランドスラムの決勝で対決すると、誰が思っただろうか。2人の活躍で、第1シードのアンディ・マレー、6度優勝のノバク・ジョコビッチを早々に失いながらも、大会は72万8763人という史上最高の観客動員になった。

 トワイライトのセンターコートは、記者席まで開始30分前には埋まり、歴史的な決勝戦はスタートから一打、一打、興奮の渦に巻き込まれた。戦前の予想はナダル。これまでの対戦成績23勝11敗だけでなく、グリゴール・ディミトロフとの準決勝で片手打ちバックハンドへの強さを改めて示していた。しかし、年齢、経験、実績、どれをとっても予断を許さない力量だ。

 お互いにサービスゲームをキープして迎えた第1セットの第7ゲーム。15-15から、フェデラーが14本の長いラリーを制すなど虎の子のブレイクを奪い先手を取った。しかし、会場はまだ波乱を予想していた。ここまで勝ち上がってきたナダルのミスのないショット、片手打ちのバックサイドに叩きこまれる強烈なスピンボールが徐々に勢いを見せていたからだ。第2セットは、ナダルがブレイク2度であっと言う間に4-0までリード。フェデラーのアンフォースドエラーが第1セットの7本から15本に増え(ナダルは6本、4本)、この傾向は試合が進むに従って深まったのは理由があっただろう。この日のフェデラーのファーストサーブにはさほどの威力がなく、ナダルに有利な長いラリー戦に持ち込まれ、それを避けようと、セカンドサーブから強引なネットダッシュを試みては、ネットにかけたりパスを抜かれるシーンが増えていた。こうした流れのなかで、ナダルにしてみれば第3セットのわずかな躓きが惜しい。

 第3セットは、フェデラーのサーブで始まった第1ゲームで40-0から40-40まで追いつき、逆に3本のブレイクを握った。それを逃がして一気に攻め落とす機会を逃すと、直後の第2ゲームを失っている。フェデラーが再びリードした第4セット、今度はナダルが1本もブレイクポイントを与えずに奪い返しフルセットに持ち込まれた。第4セットまでの獲得ポイントは110ポイントずつの同数だったが、ナダルが後手になりながらも押し気味の印象を与えていたのはミスの数。そこまでのアンフォースドエラーはナダルの19に対しフェデラーは48だった。

 2人が最後にグランドスラムの決勝で顔を合わせた2011年の全仏オープンから約6年が経ち、フェデラーは35歳、ナダルは30歳になった。年齢とともに体力は低下する。体力と精神力とは密接に結び付き、その点でも、ファイナルセットの行方はメンタルが武器のナダルに傾いていたようだ……。そんな予感のざわめきのなか、ナダルは第1ゲームから攻め込んだ。長い打ち合いに持ち込んで0-30からブレイクに成功。続く第2ゲーム、反撃してきたフェデラーの3本のブレイクポイントもかわしたが、それでも、フェデラーは気落ちせず、最後まで攻め続けた。第6ゲーム、30-40とチャンスをつかむと、激しい攻防の末にブレイクバック。続く第7ゲームをラブゲームでキープすると、むしろ、この辺からナダルの方に疲れが見えてきたようだ。

 フェデラーの準決勝は3日前、ナダルは前々日。これまで9年間のデータでは、回復時間の短い方が5勝4敗とわずかに有利と出ているが、データは参考にならない。

「5時間試合のリカバーは難しい。その点では問題はなかったけど、いつもよりは少し足が動かなかったように思う。何より、ロジャーが最後まで超アグレッシブで、なかなか思うようなプレーはさせて貰えなかった。僕もいいプレーはした。最後まで闘志を失わずにやれたと思う」

 第8ゲーム、フェデラーが0-40に追い込み、ナダルが40-40まで持ち込んでも、この日最も長い26本のラリーを制してブレイクに成功。最後はフェデラーが2本のブレイクバック・ポイントを凌いで、実に5年ぶりのメジャー優勝を手にした。

「ラファに勝てたことよりも、このオーストラリアでカムバックできたことが嬉しい。(かつてのコーチでともにオーストラリア人の)ピーター・カーター、トニー・ローチにはいつも感謝しているからね。今日は、相手よりも自分のテニスに集中しようという姿勢だった。最後まで、勝てると思ってプレーすることができた。コートで来年また会いましょうと言ったのは、まだまだ自分の中にテニスの可能性が見えているから。来年、また来たい。それが今の夢だ」

 優勝賞金は370万オーストラリアドル(約3億1820万円)で、週明けに発表される世界ランクで、フェデラーは10位に返り咲き、ナダルは世界6位に上る。


文:武田薫

レポート【大会第13日】

―大会レポート―第13日
セレナがメジャー通算23度目の優勝、女王の座を奪還
2017/01/28

 女子シングルスは、第2シードのセレナ・ウイリアムズが第13シードで姉のビーナス・ウイリアムズを6-4、6-4のストレートで倒し、2年ぶり7度目の優勝を飾った。セレナのグランドスラム優勝はこれで通算23度になり、オープン化以降としてはシュテフィ・グラフと並んでいた通算優勝記録を塗り替え、男女を通じての歴代単独トップとなった。35歳でのメジャー優勝も最年長記録で、昨年9月にアンジェリック・ケルバーに奪われた世界ランク1位の座を4カ月で奪回、セレナ時代の継続を高々に鼓舞した。

 これが28度目の姉妹対決(セレナの16勝11敗)で、グランドスラム決勝での顔合わせも9度目(セレナの6勝2敗)という、いわば馴染みのカード。しかし、何度戦っても姉妹のやり難さは隠せないようだ。第1セット、ともに硬さがほぐれず、第4ゲームまで互いにサービスブレイクを譲り合うぎこちない流れになった。特にセレナが硬い。第3ゲームのデュースで足を滑らせると、ラケットを叩き割って警告を取られる珍しい場面もあり、第4ゲームにはダブルフォルト3本。しかし、2009年のマイアミ以来の対戦成績はセレナの7勝1敗で、サーブだけでなくリターンからの破壊力でも姉を上回っている。短いポイントでの勝負に持ち込み、第7ゲームのブレイクでリードして第1セットを奪った。

 第2セットに入ってセレナの気持ちも落ち着いたのだろう。得意のサーブがいいコースに入り出し、特にセカンドサーブからの安定した攻撃で、ビーナスにつけ入るスキを与えなくなった。それでも、ビーナスも09年のウィンブルドン以来となるメジャーの決勝の舞台に情を捨てた攻防を展開。第3ゲーム、0-40のピンチから5ポイント連取でサービスキープして場内を沸かせ、第7ゲームも3本のブレイクポイントまで凌いだものの、4本目にリターンエースを叩き込まれた。第8ゲームのセレナのサービスゲームはラブゲームでのキープ。第10ゲームではこの試合で最も長い24本のラリーをビーナスが奪う場面もあったが、打球の勢いに差があり、ストレート勝負で決まった。

 ビーナスは「セレナの23回目の優勝は凄い、彼女はもっとやると思う。今日の私には、何本かミスショットはあっても、どれも攻めに行っての僅かなミス。もっともっとテニスをやりたい気持ちになっている。今週は、自分のポケットから色々と引き出してとてもいい試合ができた。ポケットにはまだいろいろ入っているわ」と試合を振り返った。

 今回は、マリア・シャラポワ(ドーピング違反)、ビクトリア・アザレンカ(出産)、ペトラ・クビトバ(事故負傷)といった実力者が欠場したのに加え、上位シード勢が次々に崩れる波乱の中、セレナは余裕をもって勝ち上がり、結局は1セットも落とさずに栄冠を手にした。これからも大舞台に狙いを絞っての現役継続になるだろうが、大坂なおみら若手の台頭にはまだ時間が必要。4月のシャラポワの復帰、アザレンカの身の振り方に期待するしかないが、セレナ時代は再び続きそうな雰囲気だ。

 また、これに先立って行われた女子車いすでは、上地結衣が全豪シングルス初となる優勝を飾った。


文:武田薫

レポート【大会第12日】

大会レポート―第12日
ナダルが来た! 死闘5時間を制しフェデラーと激突へ
2017/01/27

 男子準決勝1試合などが行われ、第9シードのラファエル・ナダルが第15シードのグリゴール・ディミトロフをフルセット、約5時間の末に倒し、全豪オープンでは3年ぶり4度目の決勝進出を決めた。一日置いた現地29日の決勝でロジャー・フェデラーと対戦するが、2人の対戦成績はこれまでナダルの23勝11敗。グランドスラム決勝の対戦が過去8度あり、これもナダルが6勝2敗でリードし、クレーコートの全仏オープンを除けば2勝2敗の五分。最後の対戦は2年前のバーゼル決勝でこの時は、フェデラーが勝っている。35歳のフェデラー、30歳のナダル、ともに限界がささやかれながら復活をかけたこの大会。準決勝をともにフルセットで勝ち上がっての“夢の対決”の実現に、世界中のテニスファンが狂喜、驚愕しているだろう。

 ナダルが往年の強靭な精神力をフルに発揮。新世代の旗頭、25歳のグリゴール・ディミトロフを4時間56分の熱闘の末に制してフェデラーへの挑戦権を手にした。生涯グランドスラムを含む通算14回のメジャー優勝を記録しているナダルにとって、この大会は大きな試金石だった。ケガの続いた昨年は、ウィンブルドン欠場を含め、全米オープンの4回戦が最高。しかも、10月のアジア遠征で左手首を痛めてツアーファイナル出場を断念し、年末ランキング9位と12年ぶりの低位置に終わっていた。7戦して7連勝だったディミトロフに初めて敗れたのもアジア遠征の北京でのこと。2014年の全仏以来になったメジャー準決勝進出、しかも“戦友”のフェデラーが先に決勝進出を決めており、相手ディミトロフは前哨戦で優勝して絶好調……慎重な立ち上がりだった。

 ナダルのサーブで始まった第1セットの第1ゲーム、15-40といきなり2本のブレイクポイントを握られてのスタート。その窮地を6分かけて乗り切った。ディミトロフはデビュー時から“ベビー・フェデラー”と呼ばれた、フェデラーと同タイプのオールラウンドプレーヤーだ。ナダルはそのフェデラーに対してダブルスコア以上の23勝11敗と勝ち越し、ディミトロフには7連勝――左利きのナダルの最大の武器はフォアハンドの強烈なスピンボールで、それをバックサイドに叩いて高く弾ませるのが有効な片手打ち攻略法とされてきた。初めは対応できても、長引くほど疲れが溜まる――この日も、ナダルは徹底的にバックを攻めた。長丁場を見込み、決意しての戦術は、左手首全快の証しだった。

 第1セットの第4ゲーム、ナダルが15-15からのラリーを制すなどブレイクして先手を奪うと、続く第5ゲームのサービスゲームではセンター、ワイドへ2本のサービスエースを決めラブゲームでキープ。このセットのアンフォースドエラーが僅か2本の高い集中力で先行した。しかし、ディミトロフもそんな展開は覚悟のうえ。辛抱、我慢こそ“ベビー・フェデラー”時代に不足していたが、この日は違った。まず第2セット、ネットダッシュを増やし、第4ゲームを先にブレイク。しかし、前に出れば、ナダルは湾曲させた軌道でパスを決めにくる。時速190㎞台のサーブで攻めても、このセットのナダルのリターンミスは0。ブレイク合戦で並んだ第12ゲーム、ディミトロフが15-30からの打ち合いで果敢なネットプレーを決め、なんとかセットタイに持ち込んだ。

 ディミトロフのサーブが本来でなかったのか、ナダルのリターンが冴えたのか。スタッツにはよく現れていないが、この日のディミトロフは、プレーでリードしながらスコア上はリードされる、そんな流れがあった。一気に勝負を詰めたかった第3セット、ブレイクポイントで上回りながらタイブレイクに引きずり込まれ、ここでもミニブレイクを追いかける格好になって落としたのが痛い。

 第4セットのタイブレイクは冷静に奪ってフルセットに持ち込んだディミトロフだが、ナダルの気力と執念が最後まで衰えない、これはまったく想定外だっただろう。ファイナルセットの第1ゲーム、ディミトロフが3本のブレイクポイントを必死にかわせば、ナダルも意表をついたドロップショット、ロブも駆使して持ち堪える。4-3で迎えた第8ゲーム、ナダルのサービスゲーム。ディミトロフは15-40と追い詰めたが、ナダルが捨て身のネットプレーでかわし、逆に次の第9ゲームをブレイクした。ディミトロフは最後まであきらめず、マッチポイントを2本かわしたが、ナダルは気迫のすべてを吐き出して、念願の頂上再踏破に王手をかけた。

「どうしても勝ちたかった。ファイナルセットで全力を尽くそうと思ったし、いいプレーもできた。グリゴールも素晴らしかった。どちらが勝ってもおかしくない、決勝に進むにふさわしいプレーだった。2人とも素晴らしいプレーをし、ぼくが少しラッキーだった」

 ナダルが若い挑戦者を称賛すれば、ディミトロフも悔しさを脇に置いた。

「こういう試合に負けるのは辛いが、ラファは本当に素晴らしいファイターだった。彼とこれだけの試合ができたことを誇りに思うし、自分がやっていることが間違っていないと確信できた。この1カ月、自分を出し切った。コーチやみんなに心から感謝したい」

 それにしても、男女の決勝2試合を残すだけになったいま、今年最初のグランドスラムは改めて信じられない展開になった。ノバク・ジョコビッチが2回戦で敗れ、4回戦でアンディ・マレーが沈み、最後に残ったのがフェデラーとナダル……誰が夢にでも予想しただろうか。そして、その夢の第一弾として、ウイリアムズ姉妹の決勝が間もなく始まる。だから、テニスは分からない。そして、面白い。


文:武田薫

レポート【大会第11日】

―大会レポート―第11日
女子決勝は姉妹対決、フェデラーも7年ぶりの決勝に!
2017/01/26


 男女シングルスの準決勝などが行われ、女子シングルスではビーナス、セレナのウイリアムズ姉妹がそろって決勝に勝ち進み、男子はロジャー・フェデラーがスイスの僚友スタン・ワウリンカをフルセットの激闘の末に倒し、全豪オープンでは2010年以来7年ぶりに決勝の舞台に立つことになった。

 ウイリアムズ姉妹がグランドスラム決勝で顔を合わせるのは2001年の全米オープンが最初で、全豪では2度目。最後の決勝対決は09年のウィンブルドンで、これまでは妹セレナが6勝2敗と大きくリードしている。35歳で第2シードのセレナはともかく、今年6月には37歳になるビーナスにとっては、妹に敗れた09年のウィンブルドン以来8年ぶりのメジャー決勝へ……勝利の瞬間、信じられないという表情で躍り回り、飛び上って喜びを表現した。

 7度のメジャー優勝を果たした往年のプレーそのまま、ビーナスの完勝という内容だった。相手の25歳のバンダウェイは、16歳で全米ジュニアに優勝するなど早くから期待されてきた。メジャー初の4強入りだったが、いかにも米国勢対決という迫力溢れるパワフルなショットの応酬に沸いた。第1セットは互いに様子を窺いながらの慎重な立ち上がりで、2ゲーム終わるまでに13分、ともにブレイクダウンでのスタートだ。バンダウェイの持ち味はサーブの威力だ。落ち着きを取り戻してからは、平均時速170kmのファーストサーブを軸に攻勢に転じ、サービスゲームでしっかりポイントを先行させた。一方のビーナスのサーブは、往時に比べて減速したものの、長身から繰り出す角度で押し込み、この日は特にショットを左右のライン際に散らす制球力が光った。ビーナスはこのセットで4本のブレイクポイントを握られながら、3本逃れてタイブレイクへ。ここはサーブ力で上回るバンダウェイに先手を譲ったが、久々に訪れた決勝進出へ怖いほどの集中力だ。

 第2セット、バンダウェイのファーストサーブからのポイント率が第1セットの76%から55%まで落ちた。ビーナスのライン際への正確なリターンがサーブにプレッシャーをかけ、バンダウェイは第3、第5ゲームで計3本のダブルフォルト。自滅に近い形で追い込まれ、セットタイに持ち込まれれば、ジワジワと経験の差が物を出る。ファイナルセット、ビーナスは勢いづき、バンダウェイは必死に応戦したものの、このセットでも計5本のダブルフォルトを献上、後追いの展開を覆せぬままに逆転された。

 第2試合では、姉の勝利を受けた妹セレナが、立ち上がりからエンジンを全開。メジャーでは18年ぶりに準決勝のコートに立ったミルヤナ・ルチッチ バローニに強打を浴びせかけた。エースの数こそ3本だったが、第1セットのファーストサーブからのポイント獲得率は実に100%とこの大会で見せた最高の集中力。ルチッチは同世代の34歳だが、セレナはここまでの競技人生の大差を容赦なく見せつけてストレート勝ち、試合時間50分で決着をつけた。

 ナイトセッションは男子、スイス勢同士の注目の準決勝。フェデラーは、錦織圭との4回戦以降によみがえらせたサーブを軸に軽快なフットワークで立ち上がりから攻めた。ワウリンカにリズムをつかませず、たちまち2セットを奪取。しかし、2人はこれまで21回の対戦(フェデラーの18勝3敗)と手の内を知り尽くした仲だけに、ワウリンカは威力で優るサーブ、ツアーNo.1のバックハンドの腕力を駆使して反撃。第3セットは6-1、第4セットは6-4で追いついた。この辺に、3年前の全豪、2年前に全仏、昨年は全米のタイトルを獲っている大舞台への自信なのだろう。劣勢に立ったフェデラーだったが、あくまでも強気で攻めた。

「第3セットからスタンのサーブが手を付けられなくなり、第4セットでは自分もちょっと硬くなった。失う物はない、リラックスしようと思った。試合直後から脚の違和感はあった。あまりタイムアウトは取らないが、コートを離れて手当てを受けたのはよかった」

 気持ちの切り替えに成功したようだ。ファイナルセットの第5ゲーム、フェデラーは40-15からワウリンカに追いつかれてブレイクポイントを握られている。そこを守ったことで再びバランスが崩れ、続く第6ゲーム、15-0からワウリンカのミスが続き、最後はダブルフォルトで虎の子のブレイクが転がり込んだ。最後はラブゲーム。

 フェデラーの決勝の相手は、第12日に行われる準決勝、ラファエル・ナダルとグリゴール・ディミトロフの勝者。“ベビー・フェデラー”と呼ばれたディミトロフが勝てば、こちらは初のグランドスラム決勝進出。ナダルになれば、対戦成績はナダルの23勝11敗で、2人がグランドスラム決勝で対戦するのは2011年の全仏以来となっている。


文:武田薫

レポート【大会第10日】

―大会レポート―第10日
ナダルがラオニッチ撃破! 女子ダブルスは日本ペアが史上初の快挙にあと1歩届かず
2017/01/25

 第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)をストレートで下し、優勝した2014年の全仏以来、グランドスラムでは11大会ぶりのベスト4進出を果たした。これで半年ぶりにツアー復帰したロジャー・フェデラー(スイス)に続き、黄金時代を築いた2人のカリスマが4強に残り、フェデラーは第11日にスイスの僚友スタン・ワウリンカと、ナダルは1日置いて、前哨戦で錦織圭らを倒して優勝している好調のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と決勝進出を懸けて対戦する。

 ナダルが全盛期の集中力を発揮し、次世代の旗頭ラオニッチに立ち向かった。ビッグサーブを武器とするラオニッチは、立ち上がりから爆弾を放り込んで来た。第1セットのファーストサーブの平均時速は206km。前哨戦のブリスベンでもラオニッチと対戦し、そのときは逆転負けを喫しているナダルは、これまでよりベースライン近くに構え、深いリターンで押し込んではラリー戦に引きずり込んだ。ラリーが長引けば、ナダル有利。左右に振り、ラオニッチがネットに出て来るや絶妙なパッシングを見せた。ポイント数で押しつつ、五分で迎えた第7ゲーム、勝負に出た。2本のパッシングショットをダウンザラインに、さらにクロスコートにも通し、最後はロブを放り上げて虎の子のブレイクに成功、先手を奪ったのが大きかった。

 ラオニッチにも、第2セットには大きなチャンスがあった。ともにブレイクポイントが
ないままサービスキープで進んだ第10ゲーム、ナダルのサーブ。ラオニッチは3本のセットポイントをつかんだが、あと1本届かずタイブレイクへ。ここでも先に3本のセットポイントがあったのだが、2本目に痛恨のダブルフォルトを犯し、逆にナダルに最初のセットポイントを決められた。

「試合前にコーチたちと話し、ベースラインから6、7m離れて立ち、それも状況を見て変えようと思った。ラオニッチにプレッシャーがかかっていると判断し、前で構えたのがよかった。でも、出たとこ勝負。いいパスが何本か出たが、あれはいい時に出るんだ」

 ラオニッチは大会に入ってから風邪を引き、第2セットの途中ではタイムアウトをとって内転筋の手当てを受けている。いずれもプレーに影響はなかったと言うが、グランドスラムの長丁場では、蟻の一穴が勝負を決める。

 女子シングルスでは34歳のノーシード、ミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)が4大大会では1999年のウィンブルドン以来、18年ぶりにベスト4進出を決めた。ルチッチ バローニは全豪オープンで1勝を挙げたのも98年以来19年ぶりと、復活ドラマを見せている。準決勝の相手は通算23度目のメジャー制覇を狙う35歳のセレナ・ウイリアムズ。前日に勝ち進んでいるビーナス・ウイリアムズ(36歳)を含め、女子はベスト4のうち3人が30代の中盤という、クラシックな結末になってきた。

 また、女子ダブルス準決勝に進んだ穂積絵莉、加藤未唯のペアは、勝てば日本人ペアとしては史上初のグランドスラム決勝進出だったが、第2シードのベサニー・マテック サンズ(アメリカ)/ルーシー・サファロバ(チェコ)組にフルセットの末に敗れた。

 グランドスラム2年目の日本人ペアには難敵だった。マテック サンズはダブルス・ランキングの世界1位で、サファロバとのペアで昨年の全米オープンも制しているスペシャリスト。だが、穂積と加藤は最後まで挑戦した。第1セットこそ2-6とあっさり奪われたが、第2セットは相手の穴をうまく突いた。ミス連発のサファロバを攻め、穂積が持ち前のパワーで揺さぶって加藤が勝負所を抑え第2セットを奪う。ファイナルセットの第1ゲーム、サファロバのサーブをブレイクする展開に相手も浮き足立つ。日本ペアは、第2ゲームをブレイクバックされ、第6ゲーム、疲れが見える加藤のサービスゲームをブレイクされて先行されたものの、第7ゲームをブレイクバック。4-4にした第9ゲームが惜しかった。30-40のブレイクポイントで、サファロバのバックハンドがネットにかかりながら、コードボールでインに。2本のブレイクポイントを逃すと、続く第10ゲームをラブゲームで落とし、ゲームセット。史上初の快挙まであとほんのわずか、届かなかった。

文:武田薫

レポート【大会第9日】

―大会レポート―第9日
35歳フェデラー快勝、36歳ビーナスも14年ぶりの4強
2017/01/24

 いよいよ大会は終盤戦に入り、第9日は男女シングルスの準々決勝2試合ずつなどが行われた。男子ではロジャー・フェデラーが2年連続通算13回目のベスト4を決め、準決勝では、ジョーウィルフリード・ツォンガを倒した同じスイスのスタン・ワウリンカと対戦することになった。女子では、36歳のビーナス・ウイリアムズがアナスタシア・パブリウチェンコワとのパワー勝負を制し、全豪では2003年以来、実に14年ぶりにベスト4進出を決めた。次戦の相手は、第7シードのガルビネ・ムグルッサを破ってメジャー初の4強入りのココ・バンダウェイで、アメリカ勢同士の対戦になる。

 フェデラーの勢いが止まらない。半年ぶりにツア-復帰した35歳のカリスマは、難関だった錦織圭を4回戦で倒して自信を取り戻したようだ。この日の相手は、第1シードのアンディ・マレーを破ったミーシャ・ズベレフ。話題の新鋭アレクサンダー・ズべレフの10歳年上の兄で、マレー戦では、最近では珍しくなったサーブ・アンド・ボレーを使って攻略に成功した。この日も第1セットから、果敢にネットに飛び出した。

 サーブ・アンド・ボレーは、強烈なサーブで相手を押し込んでネットに飛び出し、返って来たリターンをボレーで叩く攻撃的な戦法。芝やハードコートの速いコートサーフェスでサーブ力が生きるため、1980年代のジョン・マッケンロー、マルチナ・ナブラチロワがこの戦法で活躍した。90年代後半からパワーヒッターの出現とコートサーフェスが遅くなったため、あまり見られなくなった。マレーを攻略したズベレフ兄だが、フェデラーには全く通用しなかった。

 ネットダッシュをかけるたび、フェデラーが右に左に自在にパスを抜き、あるいはロブを打ち上げてボレーまでさせてくれない。第1セット、ズベレフ兄はサーブ・アンド・ボレーを16度試みて成功は6回だけ。フェデラーはこのセットだけで18本のウィナーを決め、わずか19分、6-1で先手を奪った。

「ロジャーにプレーさせて貰えなかったよ。アンディと違って、ロジャーはショットのオプションが多く、どこにリターンしてくるか全く読めなかった」

 35歳のフェデラーは、もともとサーブ・アンド・ボレーの選手だった。3本のラリーで決着する速い試合にも慣れており、対応する手段を持っている。1ブレイクずつ互角で進んだ第2セットも、フェデラーは冷静に打ち合い、第11ゲームをブレイクして勝負を決めた。

「サーブ・アンド・ボレーはいまでは珍しいから嫌がる選手が多い。でも、ぼくは何ともない。ボレーを決められても、普通にナイスプレーと思うだけで、気持ちを切り替えられる。イライラはしないで、次に進める」

 15年ほど前までの速いサーフェス時代に育った影響だとすれば、34歳のミルヤナ・ルチッチ バローニ、35歳のセレナ・ウイリアムズと、女子で30歳代が3人などベテランが勝ち残っていることも納得できるのではないか。

 なお、女子ダブルスで唯一勝ち残っている日本人ペア、穂積絵莉、加藤未唯組がルチッチ バローニ、アンドレア・ペトコビッチ組に6-3、6-3でストレート勝ちして、日本人同士のペアとしては全豪オープンでは初のベスト4に進出している。準決勝では、第2シードのベサニー・マテック サンズ、ルーシー・サファロバのペアと対戦。これまで全豪の女子ダブルスでは、1978年に佐藤直子が、2009年には杉山愛が、ともに外国選手とのペアで決勝まで進み準優勝している。


文:武田薫

レポート【大会第8日】

―大会レポート―第8日
セレナがメジャー通算23勝に前進、ナダルも8強に名乗り

 トップシードがぞろぞろ崩れる大荒れの大会、男女の第1、第2シードで生き残っているのは、女子の第2シード、セレナ・ウイリアムズだけ。そのセレナが危ない橋を渡った。バーボラ・ストリコバは経験豊富な大物食いで、2014年のウィンブルドンではリー・ナ、カロライン・ウォズニアッキを倒してベスト8に入ったこともある。

「どんなボールも返してくるし、クセ球で球筋が読めずつかまえどころがない」

 そんな警戒感も働いたのだろう、セレナは最大の武器、ビッグサーブが入らずに苦しい展開だった。2、3回戦では1度しか許さなかったサービスブレイクだったが、第1セットだけで3度もブレイクされる嫌な流れ。サーブが思うように入らないことはグランドスラムの長丁場では起きうるが、セレナは気持ちを切らさず、リターンゲームによく集中した。ブレイクされてもすぐブレイクバックを続け、5-4で迎えた相手サーブの第10ゲームには、4本のセットポイントをかわされながらも攻め続けた。第12ゲーム、粘るストリコバをようやく突き離してセットを奪った。第2セットもファーストサーブの確率34%と低かったが、冷静にこれまでの経験を生かした。

「セレナのプレッシャーがすごかった。よほどいいサーブを入れなければリターンエースがあり、さもなければラリーで押され続ける。対戦は久しぶりだったけど、セレナは何も変わっていないわね」

 35歳になったセレナは、婚約を発表したばかりで、ビジネス界のセレブと言われる婚約者も家族席に加わっている。上位シード勢がこぼれていく流れは、新たな気持ちで迎えたシーズン最初のグランドスラムの見晴らしをさらに良好にしているようだ。準々決勝は、前哨戦で優勝して波に乗り、しかも地元出身で人気者のジョハナ・コンタ。セレナのグランドスラム通算優勝回数22はシュテフィ・グラフと並ぶ記録だが、コンタを突破すれば、単独記録へ大きく近づく。セレナを軸にしたこの日の女子は、第5シードのカロリーナ・プリスコバとともに、34歳のミルヤナ・ルチッチ バローニが、18年ぶりにメジャー8強を決めている。ウィンブルドンでベスト4に躍り出たのが1999年だから驚くが、ルチッチ バローニは女子ダブルスでも勝ち残っており、準々決勝で穂積絵莉・加藤未唯ペアと対戦する。

 男子では、ロジャー・フェデラーの後継者として注目のグリゴール・ディミトロフがノバク・ジョコビッチを倒したデニス・イストミンを撃破。準々決勝では、第8シードのドミニク・ティームを退けて全豪では初めて8強入りしたダビド・ゴファンと対戦する。また、復活をねらう第9シードのラファエル・ナダルもガエル・モンフィスの追い上げをどうにかかわし、ベスト8に進出した。次の相手は第3シードのミロシュ・ラオニッチだ。


文:武田薫

レポート【大会第7日】

―大会レポート― 第7日
錦織はフェデラーに惜敗 男女の第1シードが姿消す大荒れ模様に
2017/01/22

 シングルスの日本勢でただ一人勝ち残っていた第5シードの錦織圭が、4回戦でグランドスラム優勝17回のベテラン、ロジャー・フェデラーと対戦、第1セットをタイブレイクで奪って先手を取ったが、第2、第3セットで逆転され、第4セットを奪い返して反撃したものの、3時間23分のフルセットの末に惜しくも敗れた。これに先立って行われた昼の部では、第1シードのアンディ・マレーが世界ランク50位のミーシャ・ズベレフに敗退。半年の休養明けの35歳フェデラーは、2012年のウィンブルドン以来のメジャー優勝に夢を繋いだ。

 意外な立ち上がりの展開だ。コイントスで勝ったフェデラーが得意のサーブを選んだ第1ゲーム、そのサーブが入らないところを錦織が攻めた。いきなり15-40のブレイクチャンスをつかみ、5本目のブレイクポイントを奪って先行。さらに第3ゲームも強烈なリターン攻撃で連続ブレイクに成功し、一時は4-0から5-1まで大きくリードを奪った。

 試合開始時の気温は陽光眩しい29度。センターコートは特に球速の速いコートで、気温上昇でさらに速まると言われる。フェデラーは、第7ゲームの自分のサービスゲームをラブゲームでキープし、リズムをつかんだ。そこから5ゲーム連取で追いつかれた錦織だったが、ここはタイブレイクで気持ちを集中して第1セットを奪った。

 今年の全豪オープンは人気ひときわで、この日までの前半の動員数で、大会史上初めて50万人を突破。この日のセンターコートには大勢の日本人も応援に駆け付けたが、圧倒的なフェデラーファンで占められた完全アウェーだ。そのサポートに応えるように、フェデラーが第2、第3セットでサーブの圧力を高めて主導権を引き込み、先にブレイクして逆転した。錦織は、試合後に、この流れにやや悔いを残した。

「第1セット、タイブレイクでセットは取りましたが、5-2からサービスキープが出来ていれば、第2セットの入り方も違ったと思います。サーフェスが特に速くなったという印象はありませんでしたが、やはりサーブ中心の組み立てをされると厳しいですね」

 そんな流れのなかで、錦織の集中力は落ちなかった。フェデラーは第4セットだけで7本のサービスエースを決めている。たたみかけて来る"キング"を慌てさせたのが相手の勢いのなかで迎えた第4ゲームのサービスゲームだ。15-30から40-30とし、5度のデュースにもつれ込んでいるのだが、錦織は5度のゲームポイントをかわされる嫌な展開。それでも、そこから2度のブレイクポイントを必死にセーブしてサービスキープに成功すると、直後の第5ゲームをブレイクしてセットタイに持ち込んでいる。

 これだけの相手を前に、これだけの観衆に取り囲まれれば、想像を絶するプレッシャーだろう。フェデラーの復帰を待ちかねていた世界中が固唾を呑んで1ポイントの行方を見守っていた……そこでトレーナーが呼ばれた。前哨戦のブリスベン決勝で臀部を痛めており、同じ個所の手当てを受けた。

「フィジカル面では特に問題はありませんでした。少し疲れが溜まっていましたが」

 試合後の会見では口を濁したが、こうした大一番の土壇場では、痛みよりも蟻の一穴に現れる、集中力の差。5セットマッチでは15勝5敗の通算成績を持つ錦織ではあったが、グランドスラムの舞台でフェデラーを相手にすれば、完璧を求められる。第2ゲームを先にブレイクされ、その1ブレイク差を必死にキープして追いすがったものの、フェデラーの強烈なサーブは最後まで衰えなかった。

「ジョコビッチ、マレーが負けていたので、もったいなかったですね」

 この後は、5月末の全仏オープンに照準を合わせ、南米でクレーコート2大会に出場予定。若手の台頭に加え、フェデラー、ナダルの復活――道は険しいが、この日のプレーで期待も高まったのではないか。

 この日、男女のベスト8の半分が決まったが、女子では第1シードで昨年の覇者アンジェリック・ケルバーがノーシードのココ・バンダウェイに敗れ、男女の第1シードが4回戦でそろって姿を消す大荒れ模様になった。その他で勝ち残ったのは、男子がスタン・ワウリンカ、ジョーウィルフリード・ツォンガ、女子はガルビネ・ムグルッサ、ビーナス・ウイリアムズとともにアナスタシア・パブリウチェンコワが初の全豪8強入りを果たしている。


文:武田薫

レポート【大会第6日】

―大会レポート― 第6日
よみがえったナダル、19歳ズベレフとの激闘を制す
2017/01/21

 錦織圭とロジャー・フェデラーの注目の4回戦は、22日(日)のナイトセッションの第1試合、現地時間午後7時(日本時間午後5時)から、センターコートのロッド・レーバー アリーナで行われる。

 ここまでの3試合、フェデラーがすべてセンターコートでプレーして来たのに対し、錦織は今大会初のセンター。今年はサーフェスの状態がコートによって違うと言われ、センターコートは球速が速いとの声もある。フェデラーは35歳、半年間の休養明けとはいえ、サーブが大きな武器だけに速いサーフェスは有利。トマーシュ・ベルディヒとの3回戦ではファーストサーブから95%の確率でポイントを獲得している。錦織は3回戦でのコートが「180度違うくらいに遅かった」と話しており、コートサーフェスの緩急のギャップが気になる。今大会は日によって寒暖の差が激しく、22日は最高気温30度まで上がる予報。試合が始まる午後7時はまだ陽も高く、暑さが残ることも気にかかるところだ。

 この日は、午後1時半からマイケル・チャン、ダンテ・ボッティーニ、両コーチと約1時間の確認練習で汗を流した。フェデラーも、ニック・キリオスを倒したアンドレアス・セッピとの練習を早めに切り上げ、練習後にはコートサイドで20分ほど、大勢のファンのサインや写真撮影に応じるサービスで余裕を見せていた。ランキングでは自身が上回っているとはいえ、錦織はチャレンジの気持ちで臨むはず。最後まで戦う集中力維持がカギになる。

 大会第6日は、第1週土曜日の昼の部としてはこれまでで最高の5万8355人の動員。注目カードは、第9シードで30歳のラファエル・ナダルと19歳のアレクサンダー・ズべレフによる新旧対決だ。

 男子は3回戦に30歳台が16人も残り、1977年の19人以来の珍しい記録。長かったフェデラー、ナダルの2強時代が終盤を迎え、余力を残したベテラン選手の厚い層を物語っている。一方のズベレフは若手の代表格。昨秋、世界ランク20位まで上り詰め、20位に入った男子選手としては2006年のノバク・ジョコビッチに次ぐ若さだった。

 ズベレフはドイツのハンブルク出身だが、両親はロシア人で、4回戦に勝ち進んだ兄のミーシャはロシア生まれ。198cmの長身と長い四肢を思い切り使って、立ち上がりからナダルを苦しめた。角度のあるサービスもさることながら、ナダルのよく弾むスピンボールを鞭のように叩きつけ、左右前後、コートいっぱいに使うフルパワーの攻撃。ナダルは、第1セットの第1ゲームをいきなりブレイクされてから反撃のチャンスをつかめず、そのまま先行された。

 ズベレフは、ナダルの左利きフォアハンドのクロスにも対応し、フォアハンドからは強烈な逆クロスを叩き込める。しかし、ナダルの持ち味である集中力には衰えが感じられない。思い切りがいい裏表で、ズベレフにミスが目立ったのはやはり若さだろう。第3セットのタイブレイクを奪ってフルセットまで持ち込んだものの、セットが進むほどにミスが増え、大事な場面でのダブルフォルトもあった。4時間5分に及んだ長丁場、ファイナルセットには両脚が痙攣に襲われれば、ベテランは生き返る。5セットマッチが通算17勝8敗と強いナダルだが、このところは3連敗していた。復活を期した今大会、ここで若手ズベレフをフルセットで破った自信は大きいだろう。

 その他では、第3シードのミロシュ・ラオニッチ、第6シードのガエル・モンフィス、第8シードのドミニク・ティームらに加え、2回戦でノバク・ジョコビッチを倒したデニス・イストミンが再びフルセット勝利で全豪では初の4回戦進出を決めている。女子では第2シード、セレナ・ウイリアムズが同じ米国のニコール・ギブズを一蹴し、第9シードのジョハナ・コンタはカロライン・ウォズニアッキを破った。


文:武田薫

レポート【大会第5日】

―大会レポート― 第5日

錦織快進撃、次のフェデラー戦は「勝つことが大事」

2017/01/20



 第5シードの錦織圭が自信に溢れたプレーで3回戦を突破、4回戦で半年ぶりのツアー復帰で注目の第17シード、ロジャー・フェデラーと対戦することになった。



 この大会では初めてのナイトセッション。試合途中で雨による中断を挟む流れも意に介さず、錦織が小気味よくウィナーを重ねた。相手のルーカス・ラッコは格下の121位で予選上がり。しかし、前日は優勝候補のノバク・ジョコビッチが世界117位のデニス・イストミンに敗れている。男子ツアーは、フェデラーとナダルによる“2強時代”が幕を降ろして濃密な戦国模様になっている。蟻の一穴の油断から番狂わせが発生することを、錦織は百も承知だ。



 第1セットの第3ゲーム、セカンドサーブから攻め込んで40-0のブレークチャンス。ここは巧く逃げられたが、錦織の攻撃的なプレーが序盤からコートを支配し、第7ゲームをブレークして4-3とリードした。この日は特にサーブが好調。そこからの2度のサービスゲームで1ポイントしか与えず、万全の形で先手を奪った。格下相手でもみなぎる気迫は、セカンドサーブからのポイント獲得率も86%だ。



「ここ3試合で、最もいいテニスができたと思う。これまでの相手よりも打球は遅く、かなり遅いサーフェスだったので、思い切って打つことができました」



 第2セットの第1ゲーム、15-40からデュースに持ち込むと、ラリー戦を支配して早々にブレーク。そこで雨が降り出し屋根が閉じられたのも、有利に働いただろう。足がよく動き、第3ゲームでは相手のドロップショットに反応してアングルで返し、ブレークポイントでは22本の長いラリー戦をウィナーで締めくくった……第8ゲームでブレークを許したものの、危なげなく2セットを奪った。



「体力的にもメンタル面でも心配なく、とても気持ちよくプレーできています。サーブが好調だと、集中力をリターンに使えるので、この状態を続けたいですね」



 この日はネットプレーも仕掛けながら幅広い攻撃を展開している。ウィナーが、相手の26本に対し46本。錦織らしい自在な攻めで最後まで押し切った。これで全豪オープンは6年連続の3回戦突破で、次の対戦相手はこの日、第10シードのトマーシュ・ベルディヒを倒したフェデラーだ。



「早い段階で当たるのは避けたい相手ですが、ロジャーとの試合はプレーしていて面白いので、楽しみですね。純粋に楽しみではりますが、勝つことが大事。休養明けなので、まだバラツキもあると思う」



 そのフェデラーは、試合後のオンコートインタビューでこう答えている。



「初めて対戦した時のことをよく覚えている(2011年バーゼル決勝)。ここ何年か、とてもいいプレーをしている選手なので、しっかり準備したい」



 フェデラーとの対戦成績は2勝4敗で、グランドスラムでの対戦は初めて。22日の対決は世界中が注目する一番になる。



 この日、男子は第1シードのアンディ・マレー、第4シードのスタン・ワウリンカらが順当に勝ち進んだが、錦織が入っている上半分のドローでは、16人のシード選手の内、11選手が3回戦までに姿を消している。





文:武田薫

レポート【大会第4日】

―大会レポート― 第4日
大坂なおみは完敗も「楽しかった」 ジョコビッチは世界117位に敗れる大波乱
2017/01/19

 大会第4日の男子2回戦で、6度の優勝を誇り大会3連覇を狙った第2シードのノバク・ジョコビッチが、ワイルドカード出場の世界ランク117位、ウズベキスタンのデニス・イストミンに敗れる大きな波乱があった。イストミンは昨年暮れのアジア推薦枠の予選を勝ち上がった30歳で、11度目の出場の全豪オープンではこれまで3回戦が最高。この日は、立ち上がりから鋭さを欠いたジョコビッチに対し、粘り強くチャンスを待ち、タイミング良く攻撃を仕掛けることに成功。第1、第4セットのタイブレイクを制し、ジョコビッチが消極的になったところを攻め続けた。

 ジョコビッチは、昨年の全仏オープン初優勝で生涯グランドスラムを達成したが、そこから後半は精彩に欠き、アンディ・マレーに世界ナンバーワンの座を譲った。今季は前哨戦のドーハの決勝でそのマレーを倒して優勝を飾り、ゲンのいい全豪での再起を誓っていた。4大大会での2回戦敗退は2008年のウィンブルドン以来、全豪では06年以来。試合後の会見では、第4セットの序盤にダブルフォルトなどで先手を奪われた場面を、特に敗因に挙げた。

 女子では第3シードのアグネツカ・ラドバンスカが、ベテラン34歳のミルヤナ・ルチッチ バローニにストレート負け。前日は、地元の期待を背負った第14シードのニック・キリオス、第7シードのマリン・チリッチが敗れるなど、大会は序盤から波乱含みの展開になってきた。

 これに先立ち、日本勢では期待の19歳、大坂なおみは第9シードのジョハナ・コンタに挑戦したが、巧妙なショットコントロールに持ち味のパワーを封じられ、ストレートで敗れた。

 コンタはオーストラリア生まれの英国籍、生まれ故郷のシドニーの前哨戦でツアー2勝目をあげたことで俄然、評価を上げてきた。センターコートは大坂にとってアウェーだったが、1回戦よりはリラックスした立ち上がりだ。

 第1セット、時速191km、189kmのサーブを飛ばして相手を牽制。第5ゲームに15-40という危ない場面があったが、ここも冷静なフットワークで切り抜けた。ただ、なかなかチャンスが訪れない。コンタとは一昨年の全米オープンの予選で対戦しており(結果はコンタのストレート勝ち)、相手も研究十分。サーブの威力はないが、巧く読みを外して先手を奪い、打ち合いになれば深いボールで大坂のパワーを封じた。惜しかったのは、互いにサービスキープを交わして迎えた第8ゲームだ。大坂がこの試合最初で最後のブレイクポイントを握ったところでリターンが僅かに長く、そこから2本のサービスエースで逃げられた。コンタがピンチの後の第9ゲームをブレイクして先手を奪った。

 大坂は今年に入ってから、オークランドの3回戦で手首を痛め、故障は癒えたものの1試合しかプレーできずにこの大会に入ったのが悔やまれるところ。一方のコンタは、前哨戦ではユージェニー・ブシャール、アグネツカ・ラドバンスカを倒して優勝。全豪オープンは初出場だった昨年、いきなりベスト4に入り、ここから上昇のきっかけを作っている。自信と確信がショットを後押しし、大坂はジワジワと差を広げられていった。

「コンタはすごくサーブが良かった。配球が上手で、読むことができなかった」

 この日の大坂の最速サーブが時速191kmだったのに対し、コンタは時速176km。サーブ力では上のはずが、ファーストサーブでのポイント率は相手の89%に対し大坂は63%。サービスゲームでの獲得ポイントが第1セットの19から第2セットは10と約半減では、勝ち目はない。4-6、2-6のストレート負けに終わった。

「色々なことがよく分かったので、あまりガッカリしていない。楽しかった。彼女は私よりもテニスを知っている。もっと経験を積んで、今シーズンの目標、ランキングは20位内、グランドスラムでベスト8に入れるよう、頑張ります」

 土橋登志久フェド杯監督も、「今日は相手に巧く抑えられた。大坂さんは、のんびりしているように見えますが、よく考えた練習をしているので、これもいい経験にしてくれるでしょう」と話した。

 また、男子で初の2回戦進出だった西岡良仁も、第13シードのロベルト・バウティスタ アグートにストレートで敗れ、この結果、シングルスで本戦入りを果たした男女9人の日本選手は錦織圭を残して全員敗退。錦織は第5日に予選上がりのルーカス・ラッコと対戦する。


文:武田薫

レポート【大会第3日】

出てきた余裕! 錦織は貫禄のストレート勝ちで前進
2017/01/18

 第5シードの錦織圭がストレート勝利で2回戦を突破した。徐々にエンジンがかかり、いい風も吹いてきた。この日の相手、ジェレミー・シャルディ(フランス)は2歳年上だが、ジュニア時代からよく知った相手で、ビッグサーブとテクニックを併せ持った“曲者ぶり”は百も承知。ポイントのアップダウンはあったが、要所を冷静にさばいて優勝候補の一角らしい試合運びが印象的だった。

 第1セット、相手のサービスゲームで始まった第1ゲームで上々のスタートを切った。15-15からの打ち合いで、バックハンドのウィナーをダウンザラインに綺麗に通し、さらに逆クロス、バックハンドのクロスと、このゲームで3本のウィナーを決めて、早々にいいイメージをつかんだ。シャルディは、時速200km越えのファーストサーブからワンツーパンチを仕掛け、さらに打ち合いに入ってからもフォア、バックとも角度をつけた攻撃を繰り出して油断ならない。第4ゲームにはブレイクポイントを握られ、第5ゲームは15-40からのチャンスを逃がすなど、ことは簡単に進まなかったものの、錦織はそんな道筋も織り込み済みだっただろう。第9ゲームの打ち合いで2度目のブレイクを成功させて先手を奪った。

 試合慣れしたベテラン、特にフランス人選手は、フルセットの長丁場で試合を組み立ててくる。一喜一憂はスタンドの日本人大応援団に任せ、錦織はメリハリの効いたプレーを心掛けたようだ。

 第2セットは、懸命に先手を窺うシャルディに対し、錦織が受けてさばく展開に。第1ゲームで、シャルディが2度チャレンジを成功させてブレイク発進したが、錦織は少しも慌てず、すぐに第2ゲームをブレイクバック。こうした流れに精神的な余裕を感じさせた。この日は、晴天ながらも涼しいくらいの気温で、そんな条件も実力差をあぶりだしていった。第5ゲームで再びブレイクを許したものの、第6ゲームをじっくりと攻めながら5本目のブレイクポイントをもぎ取る落ち着きを見せた。第3セットも第1ゲームをブレイクされたがすぐ追いついて、ぴったり離れないのだから、シャルディの戦意も萎える。完全な精神戦の勝利だった。

 体調は、いまのところ何の問題もなく、しかも続く3回戦の相手は、シード選手が崩れたため、世界ランク121位の格下で予選上がりのルーカス・ラッコ(スロバキア)に決まった。「最近、あまり対戦した記憶がないですが、そんなに攻めてくるタイプではないですね」と3回戦の対戦相手について語った。

 過去2戦2勝の相手を退ければ、センターコートで、ロジャー・フェデラーとの対戦が待っているはずだ。

「フェデラーは当たりたい相手ではありませんが、試合そのものはともかく、テニスをやっていて面白いので、対戦するのは楽しみです」

 その先には、このところ善戦している世界ランク1位のアンディ・マレーと、前は大きく開けてきた。優勝を期待されながら大会途中で無念の棄権となった昨年の楽天オープンの時のように、テニスはいつも「好事魔多し」ではあるが、大いに楽しみな流れになってきた。


文:武田薫

レポート【大会第2日】

大坂なおみ、どうにか乗り切った2年目の船出
2017/01/17

 ツアー2年目を迎えた期待の大物、大坂なおみが炎天下のフルセットをどうにか乗り切り、昨年に続いて2回戦に勝ち進んだ。

 大坂の相手はワイルドカードのアジア枠予選を勝ち上がってきたタイのルクシカ・クンクン。一昨年に東京で1度だけ対戦したことがあり、その時は大坂が勝っているが、相手は意気込みで上回っていた。パワーを武器にする大阪とは対照的に、正確なコントロールと頭脳プレーで、同じタイ出身のタマリネ・タナスガーンに共通して堅実味が売り物。大坂が受け身に立たされる場面が目立った。

「練習から、ものすごく緊張していた。負けたくなかった」

 昨年オフには錦織圭と同じ大型スポンサーがつき、テレビなどのメディア露出も増えて、これまでと一転した多忙な時間を過ごしてきた。フェド杯のメンバーにも指名され、いよいよ本格的なプロ始動が、開幕試合の緊張感を呼んだのだろう。

 第1セット、集中力で優るクンクンのサービスをなかなか破れず、4-4で迎えた第9ゲームにやっとつかんだブレイクポイント3本を、4度のデュースで粘られた。タイブレイクにもつれ込んで冷静さを失い、先手を奪われる嫌な展開だ。しかし、気持ちを切り替える点で、強力サーブは有効な武器だ。第2セットに入ると、ファーストサーブの精度を高めて短いポイント勝負でリズムをつかみ、リターンではスタミナ温存に入ったクンクンを早めにつかまえた。第2ゲームを先にブレイク、その後の反撃に対しても攻めの気持ちを失わずにセットを奪い返した。

 世界ランクは大坂の48位に対し、クンクンは183位。「格上の選手とプレーする方が簡単」というのは、トップ50に定着するための通過儀礼だが、大坂はクンクンの挑戦に対し、必死に堪えた。ブレイク1度ずつで迎えた第7ゲーム、ファーストサーブが入らずにブレイクポイントを3度握られたが、最後まで自分のフォアハンドを信じて危機脱出。相手も第10ゲームのブレイクポイントを2度乗り切ったが、我慢した褒美のように、第12ゲームのデュースからコードボールのちょっとした運が訪れ、2時間25分の激戦を制した。

 2回戦は、目下絶好調で、隠れ優勝候補にも推される第9シードのジョハナ・コンタ。今度は思い切り挑戦できる、楽な立場だけに、期待したい。

 女子ではグランドスラム初出場の尾崎里紗は敗れたが、西岡良仁は予選勝ち上がりの地元選手を倒して全豪オープン初勝利を収めた。

 その他では、セレナ・ウイリアムズ、ラファエル・ナダル、ミロシュ・ラオニッチらが南半球らしい夏の日差しのもとで順当に勝ち上がっている。

 大会第3日は、錦織圭が第1試合でジェレミー・シャルディと対戦する。


文:武田薫





レポート【大会第1日】

故障の影なし、錦織がフルセットで発進
2017/01/16

 錦織圭にとって全豪は相性のいい大会だ。ベスト8が3回、通算20勝7敗と、グランドスラムの中では最も成績がいい。オフ明けのフレッシュな体調、何でもスタートが好きな選手はいるもので、錦織もそのタイプなのだろう。

 第5シードに入った今年は、いつもより厳しいドローと言われる。ロジャー・フェデラーが第17シードまでランキングを落とした現状で、上位シードが早い段階でフェデラーと当たる可能性が出て来た。今回は錦織がその"枠"にはまり、順当にいけば4回戦でフェデラー、準々決勝で第1シードのアンディ・マレーと対戦する組み合わせ。しかし、諸状況を考えると、錦織はむしろ死のドローに積極的な気持ちではないか。テニスの歴史を変えたフェデラーと、グランドスラムの舞台で手合わせする機会は、これからそう多くはない。むしろ望むところ。また、マレーとは昨年1勝3敗だったが、2度の5セットマッチを展開し、次に打倒するだけの自信はある。目標を持った錦織は強い――。

 また、今年は2月に南米でのクレーコート2大会入れ、その前に日本で開催されるデ杯ワールドグループ1回戦を回避した。明らかに、5月の全仏オープンを照準に入れた体制をとっており、この全豪オープンにそれほどの比重を置いていない。「もちろん、優勝を狙っていきます」と会見で明言したが、それでも、これまでよりはリラックスした気分でこの大会に入っているのは確か。オンコート・インタビューでも、メルボルンでの生活を楽しんでいると答えていた。

 フェデラー戦まで勝ち進めば、気持ちも高ぶり、集中力は上昇する。問題は、そこまで巧く離陸できるか。1回戦は嫌な相手だった。

 アンドレイ・クズネツォフとはこれまで2勝1敗。1敗は2010年の途中棄権で、昨年、全仏とウィンブルドンの対戦ではいずれもストレート勝ち。力の差はあるが、この25歳はかなりの自信家で、格上の錦織に何の"敬意"も払わない。フォアハンドをフラットで叩きつけ、バックハンドもミスを恐れず角度を効かせてライン際を狙う。第1セット、嫌な感じが集中力を鈍らせたのだろう、1ブレイクずつの5-5から、ラブゲームでブレイクを許して先手を譲った。続く2セットを6-1、6-4で連取するのだが、第4セット、再び集中力に苦しんだ。イージーミスが続き、先にブレイクされて追いかける嫌な展開で、タイブレイクではミニブレイクを先行しながら逆転を許した。ファイナルセットは危なげなく奪ったが、炎天下で3時間34分という試合時間に、「第4セットで決めないといけなかった」と苦笑いした。

 しかし、それも考えようだろう。前哨戦で訴えた臀部の痛みの後遺症はまったく感じさせず、疲れもないと言う。2回戦は、このところ3連勝し、手の内を知っているジェレミー・シャルディだ。本人も周囲もそれほど期待値の高くない大会で活躍するのがこれまでの錦織でもある。ジワジワと本領を発揮してくるだろう。

 この日は、他に男女5人の日本選手が登場したが、添田豪、土居美咲、奈良くるみら全員が敗退した。


文:武田薫




WOWOW放送スケジュール:全豪オープンテニス2017

月日 時間 放送形態 放送内容
1/16(月) 午前8:30 生 無料 第1日デイセッション
男女シングルス1回戦
午後1:00 生 無料 第1日デイセッション
男女シングルス1回戦
午後4:45 生 無料 第1日ナイトセッション
男女シングルス1回戦
1/17(火) 午前8:55 第2日デイセッション
男女シングルス1回戦
午後4:50 第2日ナイトセッション
男女シングルス1回戦
1/18(水) 午前8:55 第3日デイセッション
男女シングルス2回戦
午後4:50 第3日ナイトセッション
男女シングルス2回戦
1/19(木) 午前8:55 第4日デイセッション
男女シングルス2回戦
午後4:50 第4日ナイトセッション
男女シングルス2回戦
1/20(金) 午前8:55 第5日デイセッション
男女シングルス3回戦
午後4:50 第5日ナイトセッション
男女シングルス3回戦
1/21(土) 午前8:55 第6日デイセッション
男女シングルス3回戦
午後4:50 第6日ナイトセッション
男女シングルス3回戦
1/22(日) 午前8:55 第7日デイセッション
男女シングルス4回戦
午後4:50 第7日ナイトセッション
男女シングルス4回戦
1/23(月) 午前8:55 第8日デイセッション
男女シングルス4回戦
午後4:50 第8日ナイトセッション
男女シングルス4回戦
1/24(火) 午前8:55 第9日デイセッション
男女シングルス準々決勝
午後4:50 第9日ナイトセッション
男女シングルス準々決勝
1/25(水) 午前8:55 第10日デイセッション
男女シングルス準々決勝
午後0:00 第10日デイセッション
男女シングルス準々決勝
午後5:20 第10日ナイトセッション
男女シングルス準々決勝
1/26(木) 午前8:55 車いす男女シングルス準々決勝
午前11:55 第11日デイセッション
女子シングルス準決勝
午後5:20 第11日ナイトセッション
男子シングルス準決勝
1/27(金) 午前10:00 車いす男女シングルス準決勝/
男女ダブルス準決勝
午後1:55 第12日女子ダブルス決勝
午後5:20 第12日男子シングルス準決勝
1/28(土) 午前10:55 車いす男女シングルス決勝/
男女ダブルス決勝
午後5:15 第13日女子シングルス決勝/
男子ダブルス決勝
1/29(日) 午後1:55 最終日ミックスダブルス決勝
午後5:15 最終日男子シングルス決勝
2/2(木) 午後5:30 女子シングルス決勝
よる7:00 男子シングルス決勝
2/4(土) 午前7:15 車いす女子シングルス決勝
午前8:15 車いす男子シングルス決勝
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  • ご加入月の翌々月末までにポイント付与口座に付与させていただきます。(例:1月にお申込の場合、3月末までに付与予定)
  • ■キャンペーンエントリーにあたって
  • エントリーとは「楽天会員にログインした状態で本ページの「お申し込みはこちら」のボタンをクリックすること」となります。
  • ログインしていない状態で「お申し込みはこちら」ボタンをクリックした場合は、一度『楽天』のログイン画面に遷移し、ログイン完了後にお申し込みのページに進みます。
    ※既に楽天のサイトにログインしている状態の場合、ログイン画面は出ません
  • ■ポイント付与が正しく行えないケースについて
  • ・お客様のブラウザの利用状況(下記参照)によって、ポイント付与が正しく行えないケースがありますのであらかじめご了承ください。
  • ・ブラウザの設定において、画像表示を『非表示』 、Cookie機能を『無効』に設定している、またはCookieを利用できない場合
  • ・『キャンペーンエントリー』してから『お申し込み』の間にCookieを削除した場合
  • ・『キャンペーンエントリー』と『お申し込み』をそれぞれ異なるブラウザ、異なるパソコンで行った場合
  • <無効となる例>
  • ・同一パソコンにおいて、『Internet Explorer』でキャンペーンエントリーし、『FireFox』でお申し込みされた場合
  • ・『会社のパソコン』でキャンペーンエントリーし、『自宅のPC』でお申し込みされた場合
  • ※必ず同一パソコンの同一ブラウザ内でキャンペーンエントリーとお申し込みを行うようお願い致します。
    同一OSアカウントおよび同一ブラウザにおいて、複数人がエントリーした場合は最後にキャンペーンエントリーした人のみポイント付与対象となります。
  • ・キャンペーンエントリーから『半年以上(7ヶ月目以降)』経過してからお申し込みをされた場合
  • ・その他、PCのソフトインストール状況や通信環境など予期せぬ環境でエントリーされた場合
  • ■その他注意事項
  • <e割の条件について>
  • ・e割は、インターネットによるお手続きで有料放送サービス加入契約が成立した場合に、B-CASカード1枚につき1回限り、月額視聴料2,300円(税込2,484円)のうち初回月額視聴料を1,800円(税込1,944円)とするものです。
    (過去に「e割キャンペーン」で有料放送サービス加入契約が成立したB-CASカードでは、e割は適用されません。)
  • ・J:COM、スカパー!、ひかりTV、一部のケーブルテレビ局(YCV)経由でご覧の方は、e割対象外です。
  • ・J:COM、スカパー!、ひかりTV、一部のケーブルテレビ局(YCV)経由でご覧の方は、こちらからはお申し込みができません。
    (お申し込みができた場合、ケーブルテレビ経由でご覧の方はe割キャンペーンの対象にはなりますが、楽天スーパーポイントキャンペーンの対象外となりますのでご注意ください。)
  • <楽天スーパーポイント付与条件について>
  • ・本キャンペーンのご応募には、事前に楽天への会員登録(無料)が必要です
  • ・WOWOWが不正とみなしたお客様は対象外とさせて頂いただきます。
  • ・WOWOWへのお申し込みを取り消された場合、ポイント付与対象外となります。
  • ・楽天スーパーポイント付与時に、メールやお電話での連絡は一切致しませんのであらかじめご了承ください。
  • ・お1人様1回までのポイント付与とさせていただきます。
  • ・楽天会員様とWOWOWのご契約者様の登録内容が異なる場合、ポイント付与の対象とならない場合があります。
  • ・楽天スーパーポイントの付与は、お1人様1回限りです。
    (B-CASカード枚数分の契約を行っても、ポイント付与の対象は1契約のみとなります)
  • ・過去に加入した経緯のあるB-CASカードはポイント対象外となります。
  • ・J:COM、ケーブルテレビ、スカパー!、ひかりTV経由でご覧の方は、楽天スーパーポイント付与対象外となりますのでご注意ください。
  • ・電話でお申し込みの場合、本キャンペーンページでエントリーを行っていない場合は対象となりません。
  • ・以下の場合には、ポイントキャンペーンの対象外とさせていただきますので、あらかじめご了承願います。
    ※イタズラ等、お申し込み内容として相応しくない入力が見られた場合
    ※事実と相違する内容がある場合
    ※重複して登録を行ったことがわかった場合
  • ・ポイントはキャンペーンに参加される際にログインしている楽天IDに付与させてきます。
  • ・ブラウザのCookieの設定は有効にてご設定をお願い致します。
  • ■情報提供企業
  • 株式会社WOWOW
  • ■問い合わせ先
  • ・キャンペーンに関するお問い合わせはこちら。
    WOWOWカスタマーセンター 加入受付専用フリーダイヤル
    0120-808-493(9:00~21:00年中無休)
  • ・楽天スーパーポイントに関する、よくあるお問い合わせ内容はこちら

あなたの【応援する選手】をつぶやいて10ポイントプレゼントキャンペーン

キャンペーン期間 2017年1月16日(月)10:00~2017年1月29日(日)9:59
キャンペーン概要 キャンペーン期間中に本ページから「キャンペーンに参加する」ボタンをクリックしTwitter投稿された方に、楽天スーパーポイント10ポイントをプレゼントいたします。
ポイント付与予定時期 キャンペーン終了月翌月末頃までに付与させて頂きます。
ポイント有効期限 ポイントの付与日より約6ヶ月間です。
注意事項 ・本キャンペーンのご応募には、事前に楽天への会員登録(無料)が必要です。
・楽天スーパーポイント付与時に、メールやお電話での連絡は一切致しませんのであらかじめご了承ください。
※楽天会員認証、各サービスへの連携がされていない投稿はポイント進呈対象外となります。
・ポイントはキャンペーンに参加される際にログインしている楽天IDに付与させて頂きます。
・お一人様複数回投稿いただいた場合でも、10ポイントのプレゼントとなります。
・選手の記載がない投稿はポイントプレゼント対象外となります。
・ブラウザのCookieの設定は有効にてご設定をお願い致します。
※本キャンペーンは事前の予告無しに実施を中止又は内容を変更する場合がございます。予めご了承ください。
問い合わせ先 ・楽天スーパーポイントに関する、よくあるお問い合わせ内容はこちら。
http://portal.faq.rakuten.co.jp/app/home/

上記から解決しない場合、キャンペーンに関する問い合わせは下記よりお問い合わせください。
https://portal.faq.rakuten.co.jp/app/ask1/


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