

― 実話をもとにした作品は、特別な気遣いや大変さがありますか?
そうですね。特に今回は三宅島の噴火を扱ったデリケートな作品だったので、話を頂いて「はい、やらせてください」と簡単には応えられませんでした。実際にモデルとなったご家族もいらっしゃるし、演じるには勇気のいる作品だったんですが、話を聞かせて頂くうちに三宅の方々の力強さや素敵な部分がたくさん伝わってきたので、挑戦させて頂こうと思いました。いちばん気になるのは、三宅島の方々が完成した作品を観て下さった時に傷つかないようにしなくてはいけないということ。撮影中、一貫して持っていた思いです。
ただ、島の村長さんが僕たちと一緒に試写をご覧になったとき、観終わっていちばん先に「感動しました。ありがとう。」と声をかけてくださったんです。嬉しかったしホッとしましたね。
― 火山や自然とともに暮らす家族の絆が描かれています。どんな思いで撮影に臨みましたか?
僕自身も演じながら気づかされる事がたくさんあって。改めて家族と一緒にいることが大事だと思いました。そして、自分が生まれ育った場所の大切さも。でも、噴火が起きた島で暮らしていくのは決して簡単なことではないですよね。僕らが演じた野山家という家族が「どんなことがあっても必ず家族全員で島に帰るんだ」という強い気持ちを持ち続けられた、その根底にあるモノをずっと考えていました。
出演が決まって、当時の映像もいろいろ見ました。三宅島で生まれて青春時代を過ごし、いまも島で働いている大人は島での歴史が長いから戻りたいのは頷けますが、小学校低学年くらいの子どもたちも東京の避難先でのインタビューで「早く帰りたい」と言うんです。東京の方が便利だし子どもが興味のある環境も多いと思うんですが、「何で帰りたいの?」という質問に「きれいな海が見たい、魚が見たい」と答えるんですよ。
三宅島での撮影期間が長くなるにつれ、僕も子供たちが答えたその理由が分かった気がします。自分が生まれたところで少しでも生活していれば、戻りたいという気持ちはあるんですよね。過ごした時間じゃないんだと。
―― 天候不順で撮影が大変だったとか。
一日中晴れた日は4日くらいで、本当に大変でした。ですが、撮影待ちの間は家族を演じる皆さんと一緒に過ごすこともできたけど、今思うとその時間が良かったなと思っています。家族とのコミュニケーションもそうですし、それに三宅島の空気を肌で感じられたので。
三宅では約1ヵ月半撮影をしました。その時間の中で、三宅に住むことはこういうことなんだと思い知らされましたね。台風が直撃して自然と共存するのはこう いうことかと思ったし、地元の方の話もたくさん聞けました。みんな島と一緒に呼吸をしている。その力強さと穏やかさを感じました。あの時間がなかったら、 作品の空気感も違っていたかも知れません。

―撮影中、楽しかったことは?
合宿状態で撮影をしていましたから、朝、「おはようございます」の挨拶とともに皆でご飯を食べていたのがすごくいい思い出です。撮影中、朝ごはんを毎日一緒に食べることってなかなかないし、それって結構大きいと思うんです。そうやって自然と「家族」になれたというか。家族で過ごす時間がすごく楽しかったですね。もちろんロックも一緒でね。
―三宅島で美味しかったものはありますか?
南国チャーハン。僕は南チャーと呼んでいます(笑)。「ココナッツガーデン」という名前の中華料理店のもので、僕らの演じた野山家のモデルとなったご家族の、親戚の方のお店です。モデルご家族も民宿をやってらしてそこの料理も美味しいです!三宅に行ったらぜひ。食べてみてください。
―『ロック〜わんこの島〜』の見所は?
芯(野山家の男の子)とロックのシーンが本当に可愛い。僕も出てますけど(笑)、あとはやはり家族のさまですね。自分が参加していて言うのも照れくさいですが、本当にいい家族ができたんじゃないかと思います。取って付けたような感じではなく自然体で愛情のある家族だったので、ぜひ観てもらいたいです。


■CD
よく聞くのはKen Yokoyamaの 『Four』。Hi-STANDARD(ハイ・スタンダード)のギタリストで、昔から好きでよく聞いています。「Let The Beat Carry On」って曲を車でかけると、1歳半になった娘が手拍子しながら頭を振って、超かわいい(笑)。「いつかライブ行こうな!」と言ってます。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の英語の台本が付いた、セリフが入っているCDを最近買いました。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がすごく好きで、英語を勉強したいというより、セリフも覚えたくなってきたという感じです(笑)。

■『THE LAST MESSAGE 海猿』(2010年)
人気シリーズの第三作目で完結編。佐藤さんは機動救難士の吉岡哲也役。台風が近づく福岡沖を舞台に、火災、爆発を起こしたガスプラントから全員脱出を図る。

■プロフィール
佐藤隆太さん
1980年東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒。1999年デビュー後、2000年に出演したドラマ『池袋ウエストゲートパーク』で人気に。以降、ドラマ、映画など数々の話題作に出演。2011年は『ロック〜わんこの島〜』の他、『漫才ギャング』にも主演。

■衣装クレジット
スタイリスト:勝見 宜人(Koa Hole inc.)
ジャケット68,250円、シャツ29,400円、パンツ31,500円/ミナ ペルホネン(すべてスタイリスト私物)□お問い合わせ先:ミナ ペルホネ 03-5793-3700
※2012/3/1〜2012/3/31集計結果より
2012年
2011年
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2008年