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―今回の『逆転裁判』はゲームが原作の法廷劇。『ヤッターマン』ではアニメを忠実に再現されましたが、今回いかがでしたか。
まず形を真似ることから入ります。我々が“そのままに作る”のは、原作の、例えばヤッターマンであればタツノコプロのスタッフ、声優が観たとき「ああ、ヤッターマンをやってて良かったな」と楽しんでもらう為。それが僕らのまず果たすべき事で、そうやって作ったものがお客さんにどう届くかです。映画化するためには“映画らしさ”が必要とも言われますが、本当のオリジナリティはそんなこと忘れて無心で作って、そこから自然に出てくるものですよね。忠実にやろうとして、結果違うものになることもあります。
―出演者の髪型が個性的で、女優さんたちもメイクが濃いですね。
ここ数年映画のメイクさんや衣装さんではなく、他のフィールドの方たちを映画の世界に引っ張り込んでいます。自己主張の強い人たちで、映画のルールに基づいて作っていくわけではないので、例えば成宮君の髪型だけでも10以上のプロトタイプを作ったりと時間がかかったのですが、これが役に立っています。髪の毛を追求しながら「何でこいつこんな髪の毛なんだ」と考え、キャラクターができていくんです。
―鮎川誠さんの登場が印象的でした。
ゲームには登場するけど見た目も性格も違うのが、鮎川誠の小中大(こなかまさる)とオウムのさゆりさん。さゆりさんはゲームでは極彩色のオウムだけど、様々なオウムを何時間もスタッフと見比べた結果、映画では白いオウムにしました。極彩色のオウムは実際に肩に乗せるには大きいし、獰猛で男性的で。小中は、僕がいつか“鮎川誠”がいる現場を作りたかったんですね(笑)。原作はもっとチャラいキャラクターですが一人くらい違う人がいてもいいかなと。鮎川さんは誰も見たことがない味を出すし、上手い下手ではなく独特の雰囲気がある。もちろん演じているんですが、ただ鮎川誠のいる現場は自分にとって楽しかったです(笑)。
―主演の成宮さんはじめ、出演者の皆さんはいかかでしたか。
映画で表に出るのは演じている人たちだけなので、演出や企画のミス、失敗も全部背負わなきゃいけないところがあります。だから現場で不安になることもあると思うんです。それは映画の現場にとって非常に良くないこと。彼らから何かの信号、不安を発しているのが聞こえてくると、それを逆に力に変えられるよう、なんとなく気づかれないようにやっています。
現場を楽しんでいなくても良い映画はできるでしょうけど、それでなければできないとなると我々はいつも苦しむ場を作らなくてはいけないので、真剣に楽しんでやっています。面白い現場で作ったものが面白い映画になる、それがお客さんに楽しんでもらえるという流れを信じていないと、撮影現場って面白くないし朝起きて行くの嫌になっちゃう(笑)。現場ではすごく追い詰められますが、それが楽しいんですよ。「うわ…どうしよう…」じゃなくて、「うわーどうしよう! どうするこれ?!」みたいな(笑)。

―映画中のポスターに監督の顔写真が。
美術さんがスタッフの写真を使って、結構面白いものを作るんです。どうでもいいものなんですが、きちんと楽しんで作ってあるのを役者や他のスタッフが見ると、全然違う意味のものになるんですね。小道具でも開ける必要のない引き出しをふと開けるとちゃんと理にかなった並べ方で物が入っていたりするとそれだけで「やべ!」と思う。ちゃんとやんなきゃって。美術は役者やスタッフのテンションをあげて力を発揮させます。美術デザイナーが映画に果たしている役割は、ものすごく大きいですね。
―作品を立て続けに撮られていますが、体調管理は?
意識しないから健康でいられるというか、健康でいるしかないですね。撮影中に熱出して「今日は監督来ません」というわけにいかないので。風邪も引いてるかもしれないけど意識したことは何年もないし、ストレスも感じたことがなかったです。でも人間って、ストレスしか楽しむことがないんじゃない? それがいちばん面白いことじゃないかな。何とかしなきゃってことが何とかできたり、できなくてもまあ仕方ない。ただ体はいつどうなるか分からないし支配できるものでもないので、気をつけた方がいいかもしれませんね。カットアウトするように死ねればいいなと思いますが(笑)。
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■エアロコンセプト
飛行機にも使われるジュラルミンを採用した「エアロコンセプト」を愛用しています。全部手作りで、本当に軽くて、特にキーホルダーはほとんど重量を感じません。ペンケースは2本しか入らないし(笑)、カバンは締める音にこだわり、カメラのシャッター音に似せているそうです。
■八幡屋礒五郎 バードアイ
七味唐辛子で有名な、長野の善光寺前にある八幡屋礒五郎の「バードアイ」がお気に入りで、これがとびっきり辛いんです。七味界では有名で、百貨店にも出店していますがバードアイはなかなか売っていない。本当はあまり辛いもの好きじゃないんだけど(笑)。
■台湾ラーメン 味仙
名古屋で有名な、台湾ラーメンの「味仙」が大好きで、冷蔵庫に必ず10個は入っています(笑)。例えば朝起きて、まだ眠くてもこれを食べると物凄く辛いので、目が覚めるし汗をかくんですよ。で、シャワーをあびて現場に行きます(笑)。
■ギフト
最近スタッフも年齢が上がってきて、子どもが初めて生まれるという時は、小さな靴を贈っています。実用性は分からないけど見た目に可愛いし、買うのも気持ちがいいですよね。いろいろあるけどブランドも含めて、その人のキャラに合うものを選びます。逆にスタッフから誕生日にものを貰ったりするのは嬉しいです。不意打ちが、嬉しいですよね。
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■最新情報
三池崇史監督最新作品
『逆転裁判』 2月11日ロードショー
2001年ゲームボーイアドバンスで発売後、法廷バトルという新ジャンルで人気となり、シリーズ化され売上は累計420万本を超える大ヒットゲーム『逆転裁判』を、三池崇史監督が映画化。物語はゲーム一作目のキャラクターとストーリーを元に構成。主役の新米弁護士・成歩堂龍一(なるほどうりゅういち)を成宮寛貴が熱演。個性的なキャラクターとゲームそのもののような動きのある法廷バトルが見どころ。
http://www.gyakutensaiban-movie.com/
■プロフィール
三池崇史さん
1960年大阪府生まれ。今村昌平監督等に師事。1991年に監督デビュー。以降、ジャンルを問わず精力的に映画制作を続ける。描く映像世界は海外からも高い評価を受けており数々の国際映画祭で賞を獲得。今、一番海外での活躍が期待されている日本の映画監督。主な監督作品は『十三人の刺客』『ヤッターマン』『クローズZEROシリーズ』『ゼブラーマン』など。
※2012/3/1〜2012/3/31集計結果より
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